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山田維史の遊卵画廊

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2011年12月の記事

全26件 (26件中 1-26件目)

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初夢に始まった一年

　2011年大晦日。憂い多い年であった。　振り返れば、1月2日の初夢で、私は太陽エネルギーについて誰にともなく一心に語っていた。そして次の句を詠んでいる。　　　初夢に大日力（ソーラーエナジィ）を弁ずなり　　青穹　およそ2ヶ月後に、原子力発電所の大惨事が起ろうなどと想いもせず、まるで予知夢のように。　たぶんその初夢は、核エネルギーに代わるものとしての太陽エネルギーのことではなく、２年目に入った老母の在宅医療と看護に、一日の休養さえなく心身に疲労感が蓄積するばかりなのを、なんとかはねのけようと、太陽エネルギーを我が身によびこもうと夢想したというほうが、当たっているだろう。　しかし、自分の心身のことはともかく、現実に原子力発電所の事故は起った。廃炉までに40年、放射能の影響が完全に終熄してもとの大地に返るまで1,000年と推測される未曾有の惨事である。　惨事が起った場合の対処法については、まったくといってよいほど、研究されていなかった。方法論も機械器具もこれから研究開発し、製造しなければならない。　「大男、総身に智慧まわらず」という言葉がある。ぶくぶくと肥え太った原子力産業経営者は、関係官庁とともに、まさに智慧がまわらない巨人だったわけである。　きょうの新聞報道によれば、原発事故処理に使用した高汚染車輌が、住宅街の駐車場に放置されたり売却されて輸出されたりしているという。開いた口がふさがらないと言うより、この精神のたるみ具合は、もはや犯罪である。原発事故は「事故」としても、その後のさまざな愚かな行為による出来事は、「犯罪」として告発すべきだ。原発以外の放射性物質の取り扱い規制違反は、厳重に罰せられるはず。原発関連だけがその罰を免れる理由はなかろう。　というわけで、私の初夢は、私自身にその後の考えをつきつけるものとなったのだった。【原発関連報道】朝日新聞　「高濃度汚染車両、原発外に　東電、適切な管理怠る」2011年12月31日5時55分読売新聞　「第一原発老朽化、耐震性に影響せず…保安院報告」2011年12月29日16時11分毎日新聞　「福島原発事故：「日本は終わりかと考えた」陸自前司令官」12月31日　10時21分毎日新聞　「暮らしどうなる？　チェルノブイリの経験から　内部被ばく減らす食事を」2011年12月30日　東京朝刊　さて、大日力を弁じた句を含み、ことしは全部で77句の俳句を詠んだ。ほかに年末になって英語俳句を14つくった。昨年は1,000句だったから、ずいぶん少ない。　その77句の中から25句を自選して、次に再掲載してみよう。　　　初夢に大日力（ソーラーエナジィ）を弁ずなり　　　日月の四十五億松の今日　　　寒椿散るや此の世の闇溜り　　　　寒入るや湯船の底に脛光る　　　若人に光陰の矢は見えずして　　　中天に月冴えわたり影ひとつ　　　ふりかざす鋏狂うや梅花御供　　　古き雛うすれ消えゆく禍福かな　　　被災地に積み出す物資に春の雨　　　朝日さす瓦礫の山の稚児桜　　　雨冷えて眉に散り降る茱萸の花　　　花屑や淋しきひとの褄の先　　　春深し心さわげる端居かな　　　影みどり鳴く不如帰ゆく山路　　　倒れ木に他木の葉叢立夏過ぎ　　　頬削げて髯の青さや皐月雨　　　蓮咲きて星は玄武に輝けり　　　風鈴の音も絶えたる夏籠り　　　隧道をいずれば蝉の鳴きて瀧　　　黒揚羽舞いて魄散る木下闇　　　猫のひげ震えてひかる雷雨かな　　　待宵や栗飯を炊く湯気あかり　　　月の友むかしを偲ぶ二三あり　　　普請場の音も絶えてる秋の雨　　　小夜しぐれ身の内外の隙間かな

Dec 31, 2011

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老いて人世に呵々大笑

　朝から次々と正月料理をつくり、残すは大晦日の食事の直前に三品ばかりつくるだけ。玄関に鏡餅を飾り、仏壇に花を供え、正月を迎える準備はほぼととのった。 A meteor shooting far away---- To grow old in this anguished earthly I burst into laughter now　　　流星や老いて人世に呵々大笑

Dec 30, 2011

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お節を作り始める

　あいかわらず慌ただしく一日が過ぎた。たった先ほどまで、大晦日のパーティ料理兼お節をつくっていて、一品しあげたところだ。毎年、弟一家のためのお節もつくってやるのだが、今年は来られないというので、その分だけ一品の量も少なめである。年に一度、正月用の食器40点ほどを出すのも29、30日の恒例。　さて、もう1,2品料理して、それから就寝しよう。

Dec 29, 2011

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正月迎えの準備

　正月迎えの準備。門松を飾りつけた。　老母の訪問医療・看護・入浴等々、ことしの予定はすべて今日で終了。危急のときは駆けつけてくれることになっているが、ともかく現在は安定しているので、このまま無事に正月を迎えられるだろう。「良いお年を迎えてください」と、訪問者を次々と送った。　今夜も三日月が鮮やかである。

Dec 28, 2011

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二日月

　夕方になって、外出し、ついでに正月料理用の材料をいくつか買ってきた。忙しくて時間がないので、なるべくついでにできることはしておくのだ。八百屋で根菜類を買った。大根、人参、牛蒡、筍、蓮根、八頭、慈姑（くわい）、干し椎茸、それに昆布巻用の昆布や身欠鰊、干瓢等々。　大晦日には我が家でパーティをするのが恒例だが、ことしは末の弟一家は出席できないと電話があった。子供が受験で、パーティどころではないらしい。　夜空を見上げたら二日月である。　　　二日月いまなお疼く爪の痕　　　青穹 It's the horned moon tonight Old love rankled still in my mind The nail mark of you!

Dec 27, 2011

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欧米の美しい図書館

　過日、11月11日のブログで「本のある光景」と題して、ネットでみつけた図書館等の写真を掲載した。そのときに紹介できなかったものを改めて掲載する。日本国内に図書館は数多くあるが、その日本には決して存在しない図書館の光景である。　三番目のジョン・ホプキンス大学のジョージ・ピーボディ図書館は前回も紹介したが、今回は別のアングルで撮影されている。古くなった蔵書を廃棄処分にしてしまう日本の大学図書館や公共図書館とは大違い・・・　ラテン語で〈Doctus Cum Libro〉という成語がある。英語に訳せば〈Scholar with Books〉。「本を持った学者」というほどの意味である。しかし、この言葉、本質的には必ずしも肯定的な意味合いではないらしく、むしろ揶揄、あるいはいささかの軽蔑が含まれているらしい。つまり、他人の意見で物を言う奴、借り物の智慧、というところか。・・・ウフフと、笑いがこぼれる。　が、また一方、学問というのは「問い而して真似ぶ」ことでもある。人間、たいていは生まれながらに世間に通用するような自説など持ち合わせてはいないのだ。「問い而して真似」、「真似て而して問う」、それを積み重ねることで初めて「自説」にたどりつく。　この理屈がもっとも解りやすいのが、数学系（理学系と言い直してもよいが）である。基礎がきっちり入っていなければ、途中からでは高度な問題を理解することは、（おそらく）まったく不可能である。とはいえ、短い人生で、誰も彼もが基礎から積み上げる時間はない。そこでわれわれは「定理」という先人の発見した智慧を用いる。〈Doctus Cum Libro〉なのである。　ところで、ずいぶん以前のこと、さる方のパーティで、初対面の若い女性とソファに腰をおろして本の話をしたことがあった。後に知ったのだが、その女性は著名な作家のお嬢さんだった。彼女はガンを宣告されて、長い闘病のすえ生還したのだそうだ。その闘病の期間、彼女の言葉のままに書くと、「今までこんなに本を読んだことがなかったと思うほど、沢山の本を読みました。死ぬまでにどれだけ読めるかと思いながら夢中で読みました」　私は、言葉を失って、彼女の話に耳をかたむけていた。　まったく偶然なのだが、私はそのパーティに出席する直前まで、彼女のお父上の著作を読んでいたのだった。その本の話から始まった会話だった。私は、知らぬこととはいえ、彼女のお父上の著書の話をし、彼女は（奥ゆかしくも名乗りもせずに）黙って聞いていたが、やがて今述べたような経験を話したのである・・・　欧米の美しい図書館の写真を見ながら、そんなことを思い出した。　グルセイ城図書室 ; 現在は個人の邸宅　(フランス）リード城図書室（フランス）ジョン・ホプキンス大学、ジョージ・ピーボディ図書館（アメリカ）ストックホルム図書館（スウェーデン）All pictures are from the net. You can ask me to remove anything that belong to you.

Dec 26, 2011

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HAIKU（英語俳句）

Hearing sound of a fire in the distance, I surprisedly woke up fixed my gaze at darkness　　　遠火事に寝覚めて闇を見つめおり The cold wind rages out The candle flickers in the small window A secret conference at there　　　虎落笛（もがりぶえ）火影ゆらめく密議哉

Dec 25, 2011

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南天の赤い実の美しく

　きょうは冬至。寒さが一段と増した。そして近松忌でもある。　老母の看護スケジュールが昨日今日とイレギュラーなものになり、早朝５時から少しばかり忙しかった。しかし午後３時過ぎには一段落。その後は年賀状の準備にかかり、それもすべて完了した。　ご近所の夫人が訪ねて来て、お正月用にと南天を頂戴した。花屋で四束買って、そのうち一束をプレゼントしてくださったのだ。ありがたいことだ。さっそく水揚げして、玄関の花瓶に生けた。　　　　南天の赤き灯（あかし）や近松忌　　　青穹　　　【註】「赤き灯」は、南天の赤い実を灯にみたてたのであるが、じつは植物学的に、南天の漢名は「南天燭」と言う。それを踏まえての一句。　　　ついでに英訳・・・ただし註記は、近松門左衛門について。 Ah red seeds of nandin! They're like candle lights in dreary field The anniversary of Chikamatsu's death Note : Chikamatsu Monzaemon was japanese one of the greatest dramatist in the middle of the Edo era. He was born in 1653, died on December 22,1724. The anniversary of his death is a traditional season word of HAIKU.

Dec 22, 2011

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森田芳光監督死去

　映画監督の森田芳光氏が20日に亡くなったという。享年61。　多彩な映画作品をつくったが、私はなんといっても『家族ゲーム』（1983)をあげる。横一線に並んだ家族の食卓の光景は、家長の権威が喪失した日本の家族の現状を象徴しているともとれるが、レオナルド・ダ・ヴィンチなどの「最後の晩餐」を想わせもして、図像学的に非常におもしろい。　また、家長を演じている伊丹十三が、目玉焼きの黄身を直接口で吸い取るシーンは、伊丹自身の発案とおぼしく、伊丹のエッセイにも登場する一家言と通じもし、後の彼自身の映画第二作『タンポポ』における食へのこだわりが窺えて面白い。　松田優作演じる家庭教師が、無礼、不行儀に一家とその儀式的な食事をひっかきまわすのは、私にはパゾリーニの「テオレマ』の巧みな引用のような気がする。・・・いずれにしろ、日本映画史のなかで極めて特異な光を放っている。　森田芳光監督の突然の逝去を哀悼する。

Dec 21, 2011

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年の瀬は急流のごとく

Like a float of fishing dim figures in the distance looked slim in the winter cold rain　　　浮子のごと影細くして冬の雨 The last days of the year go rapid pace like a rushing current in the twilight of my life　　　年の瀬や急流のごとく逸りけり Dissolving medicine in hot water for my bedridden ninety two old mother I glance at ran calendar　　　散薬を白湯に溶かしつ古暦

Dec 20, 2011

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歌あれば

　きのう買った古書でロートレアモンに触れたので、私の所蔵するロートレアモン全集の書影を掲載する。　『ロートレアモン全集』栗田勇訳、人文書院刊、初版1968年、重版1971年。A5判、布装、箔押し、ビニール・カヴァー、函入り。装丁は粟津潔氏。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　英語俳句（HAIKU) Dead leaves of last year collapsed, and have turned out rich soil My garden's nook of winter　　　去年（こぞ）の葉が土とくずれし庭の隅 The song exists, if any I want to cry with the song A cluster of withered trees　　　歌あれば歌に泣きたき枯木立 Wait, wait a little while Don't dump the calendar of this year Still several days in December　　　待てしばし捨つるに早き古暦

Dec 19, 2011

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今年最後の古書

　日曜日。午前中に所用で八王子にでかけ、ついでに二、三の買い物をした。あわただしく歩きながらも、ちょっと馴染みの古書店に立ち寄った。店先の棚をざっと目で浚い、次の４冊を購入。今年最後の古書になるだろう。　三輪福松『エトルリアの芸術』中央公論美術出版刊、1968年　ロジェ・ガロディ、末永照和訳『ピカソ　反抗の弁証法』審美社刊、1973年　出口裕弘『ロートレアモンのパリ』筑摩書房刊、1983年　堀田善衞『ミシェル城館の人　争乱の時代』（モンテニュー三部作第１部）集英社刊、1991年　エトルリア芸術については、私はその葬祭儀礼との関わりで関心をもってきた。このサイトのフリーページに掲載している論文「卵形の象徴と図像』において、「エトルリアの葬祭」という一項をもうけている。　ロジェ・ガロディのピカソ論は、C.G.ユングのピカソ評を論外とし、概して芸術家に対する精神分析論を、芸術創造にとってはほとんど無意味である、と断じているところから出発する。私はそこにこの書の価値を見いだす。　ロートレアモンについては申すまでもなかろう。19世紀のフランスの詩人数あるなかで、私があげるとすれば、ランボー、ボードレール、そして『アルドロールの歌』のロートレアモン伯イジドール・デュカスの三人。そして20世紀のシュルレアリストたちは『マルドロールの歌』に自動記述の先駆けを発見して狂喜したのだった。本書は、著者出口裕弘氏がロートレアモンとその時代に想いを致しながらのパリ紀行。　『ミシェル城館の人』は、帯の惹句にこうある。「16世紀フランス・ルネッサンスの思想家ミシェル・ド・モンテーニュ。乱世を生きた偉大な思想家を生き生きと甦らせ、その時代をダイナミックに描く」・・・著者堀田善衞氏について、昔、某社編集者S氏から思い出話を聞いたことがある。S氏は故人となられたが、それを思い出しながら、私は古書店の棚から本書を手にとった。

Dec 18, 2011

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ものみな消え去り（HAIKU）

Since trees' leaves were gone I hear the curfew ringing more closer Ah withering winter, everything disappear!　　　裸木や近くなりけり鐘の音 Far mountain covered with snow The green of bamboo woods only runs just tears blur old letters　　　冬山や竹林の青にじみけり

Dec 16, 2011

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ビルの上空をパラセールが行く

　午後３時過ぎに自転車で少し遠出の買い物に出た。とある、１kmほども真っすぐにつづく大通りを走っていると、遥か遠く林立するビルの上空を、パラセールが飛行してゆくではないか。　エッ？と思ったのは、都心を離れてるとはいへ、ビルで埋まっている街の空を、いったいどこから飛び出したのだろう。そのパラセールがやって来た方角には小山さへないと思われた。まさかビルの屋上から滑空したのではあるまい。そして・・・どこに着陸するつもりなのだろう？　師走の街のビルの上をゆっくり飛んで行くその様子は、意表をつかれたせいもあり、ファンタジックで、優雅でもあったが、「彼はどこから来て、どこへ行くのか」と、ゴーギャンのように私はつぶやいたのだった。

Dec 15, 2011

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冬点景（HAIKU)

冬のスケッチを英語俳句で。 Ah the wintry short day! Children's playing voices out of the window disperse in one's own way　　　短日や子供等の声散りてゆく Electric wires of a pylon draw many arcs heavily and long loosely in the wintry cold sky 　　　　　　鉄塔のゆるき弧線や冬の空　今夜から明日早朝にかけて、12月の天文風物誌「双子座流星群」が見られるはず。　　　天広し魂あくがれて冬野かな　　青穹　これは一昨年、双子座流星群をまちながら詠んだ句である。

Dec 14, 2011

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図解ウェブスターの発想から完成まで

　47年前、1964年に大学に入学して、私の最初の大きな買い物は、厚さ5cmもある大判のウェブスター英英辞典だった。価格はいくらだったか忘れてしまったが、貧乏学生には一ヶ月の生活費を睨みながら覚悟がいる買い物だった。　アメリカ英語辞書の代名詞のようなウェブスターだが、ノア・ウェブスター（Noah Webster : 1758-1843)が、『アメリカ英語辞書（An American Dictionary of the English Language）』を自ら作ったのが1806年。1828年にメリアム＝ウェブスター社として『ウェブスター大辞典』が公刊され、現在に至っている。　岐阜大学図書館には、原本による〈ウェブスター・アメリカ英語辞書コレクション〉がある。1806年の初版から、ノア・ウェブスター没後100年にあたる1943年版まで、全100点108冊。ウェブスター自身の手になる1806年の初版原本を所蔵している、まさに完璧なコレクションである。　ところで、この記事を書き出したのは、学生時代の思い出を語るためではない。興味深いビデオをインターネットで見つけたのだ。19世紀の『図解ウェブスター（Pictorial Webster's）』の印刷から製本・完成までの制作過程を当時の道具で再現して収録している。題して〈Pictorial Webster's: Inspiration to Completion〉。ごらんください。

Dec 13, 2011

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December Cold Night （英語俳句）

きょうも英語俳句を３句。 It just so comes through the heavenly net, a meteor goes to different Elysium far far away　　　天網を洩れて流星彼岸かな Oh the cold night sky! A shooting star goes to the east The moon is the west　　　寒空や流星ひがし月は西 A lotus has withered away The moon confined herself to the temple I think in that way　　　蓮枯れて月も御堂に籠るらん

Dec 12, 2011

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HAIKU（英語俳句）

　しばらくぶりの英語俳句。昨年の10月10日以来である。　あらかじめのイクスキューズだが、5・7・5はシラブル（音節）ではなく、語数にした。本心は音節で作りたいのだが（過去の拙作には、そういうものもある）、英語では実にむずかしい。海外で一般にHAIKUといえば、３行短詩を指すようだ。日本のれっきとした俳句、たとえば芭蕉や蕪村や現代俳句などの英語訳も、まったくと言ってよいほど音節にはこだわっていない。原意を汲んで、美しい英語の３行詩にすることを心がけている、というところか。それらの英語に感心するけれども、私はなんとなく物足りなさを感じてきている。　しかし、まあ、ヨーロッパのソネット形式を、日本の詩人たちがまったく無視して、自作をソネットと称していたりするので、厳密さを要求する詩の形式を、外国語でやろうとすれば如何とも仕方がないのかもしれない。　というわけで、きょうの拙作。 Ah it's a winter rain! I am listening to the music alone The brief life of Mozart　　　時雨るゝやモーツァルトの短き日 Winter drizzle in the evening The inside and outside of my body I feel a crack between　　　小夜しぐれ身のうちそとの隙間かな My friend the moon light I'm looking back two or three things on the good old days　　　月の友むかしを偲ぶ二三かな

Dec 11, 2011

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皆既月食はじまる。

今夜は皆既月食。もうまもなく暗月になります。今（２３時６分）なら間に合いますよ。夜空を見上げてごらんください。

Dec 10, 2011

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東京の初雪から「杓子定規のゆがみ」について

　ちあきなおみさんの「しのび雪」（新本創子作詞・船村徹作曲）を聞きながらこれを書いている。　今朝、東京に初雪が降った。もっとも、気象庁がある大手町では観測されなかったので、「東京の初雪」とは記録されないそうだ。定点観測とはいえ、バカバカしいことだ。「杓子定規のゆがみ」とでも名付けておこうか。　　隣町雪となるらし時雨坂　　青穹山田維史　〈冬の華〉　ディジタル・グラフィック　さて、「杓子定規のゆがみ』と、私は言った。事は初雪だから良いようなものの、こんな微妙な「ゆがみ」が、積み重なり折り重なって、日本社会の（あるいは日本人の心性に潜む）ゆがみをはぐくんでいる。こんぐらかった糸玉のように、解くに解けなくなっている社会的なゆがみというのは、スキゾキッズの因果関係の仕組みと何ら変わるところはない、と私は考えている。　例はいくらでもあげられるが、きょうは忙しい。身近な一件をあげておこう。　株式会社明治の粉ミルクの一部からセシウムが検出され、それについて同社は、12月8日の新聞各紙に、『「明治ステップ（850g缶）」のお取り替えに関するお詫びとお知らせ」という広告を掲載した。冒頭で次のように述べている。　【このたび、当社製品「明治ステップ（850g缶）」の一部の製品から、放射性物質が検出されました。検出された値は、食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定規制値（牛乳・乳製品で放射性セシウム134及び137の合計値200Bq/kg）以下で、22から31Bq/kgであり、毎日飲用されましても健康への影響はないレベルとされております。】（同社新聞広告より引用）　この文章にあえて解説をしないでおくが、この広告が掲載された同じ12月8日の朝日新聞の連載記事〈プロメテウスの罠〉と読み比べてみよう。この日の記事内容は、ベラルーシ共和国のゴメリ医科大学の創立者にして学長、ユーリー・バンダジェフスキー氏が1999年に突然逮捕された事件から書き起こしている。　バンダジェフスキー医師は、86年のチェルノブイリ原発事故後、原発の北に位置するベラルーシの死亡者を解剖して、臓器ごとにセシウム137の量を調べた世界で唯一の人であるという。彼が逮捕されたのは、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによれば、政府の原発被災者への対応を公然と批判したからであるという。　そのことは措いて、私が注目したのは、記者の松浦新氏がバンダジェフスキー氏にインタビューして伝えている次の言葉である。　【「日本の子供がセシウム137で体重1キロあたり20~30ベクレルの内部被曝をしていると伝えられましたが、この事態は大変に深刻です。特に子供の体に入ったセシウムは、心臓に凝縮されて心筋や血管の障害につながるためです」】（朝日新聞より引用）　株式会社明治の上記広告において、問題の製品に含まれるセシウムは、暫定規制値以下の「22から31Bq/kg」、と言っているkg単位は、おそらく製品そのものの量目であり、子供の体重１kgではあるまい。その点を確認したうえで、しかし、乳幼児の日常の食料として持続的に飲用するとなれば、体内に蓄積するセシウムの量はおのずと違ってくるはずである。バンダジェフスキー医師の解剖所見に照らし合わせた意見から、日本政府が良しとしている暫定規制値に、私は大いなる危惧を抱くのだ。どこから導き出した暫定規制値か、明確な説明は、少なくとも一般国民の目のとどくところには何もない。今後、子供たちの身体に重大な影響が出てきたときに、「想定外」だったと、お得意の文句ですまされることではあるまい。子供たちの健康、国民の体力こそ、唯一の国力なのだから。　　「杓子定規のゆがみ」・・・それが、この国に一大事が出来（しゅったい）するたびに発せられる「想定外」という弁明に張り付いている、日本社会のひとつの特性なのだ。

Dec 9, 2011

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東電の放射能汚染水の海中投棄計画

　東京電力は、二日前に放射能汚染水が海に流出したことを確認したばかりだというのに、今日は、その汚染水の保管に行き詰まり意志的に海への放出を検討していることを明らかにした。漁業関係者が抗議しているが、漁業関係者でなくとも当然抗議しなければならない計画だ。　汚染水貯蔵タンクを「無尽蔵につくってゆくことはできない」というのが、東電の言い分である。しかし、だからと言って、大いなる資源の宝庫である海を放射能で汚してよいはずはなかろう。世界中から抗議がまきおこること必定だ。これまでにも、すでに遥か数千キロの海底に放射性物質が流れ着いて堆積していると確認されている。東電が世界に対する犯罪者になることより、日本が犯罪国家になる。某国元大統領の言い方をかりれば、「ならずもの国家」になりさがるだろう。したがって、東電の放射能汚染水の海中投棄計画は、断じて許してはなるまい。　東電の傲慢で放埒な体質は、漁業関係者の抗議をあなどり踏みにじることなど朝飯前と予想さへできるが、政府がこれにどのように対応するか、よくよく監視する必要がある。【関連報道】朝日新聞　放射能汚染水、海へ放出検討　東電、保管に行き詰まり　2011年12月8日13時57分47NEWS　東電、計画に盛り込まず　汚染水放出、反発受け　2011/12/08 22:49 【共同通信】

Dec 8, 2011

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原発関連注目報道

福島第一原子力発電所関連の注目報道朝日新聞　汚染水の海への流出確認　放射性物質２６０億ベクレル　2011年12月6日20時10分読売新聞　汚染水、海へ１５０リットル…２６０億ベクレル　2011年12月6日22時10分産経ニュース　津波後も１号機冷却装置稼働と誤認　保安院調査　福島第１　2011年12月6 日22時00分

Dec 6, 2011

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良く戦った。しかし・・・

　良く戦った。男子バレーボール・ワールド・カップ2011、日本チーム。最終戦、対ブラジルは３－０のストレート負け。しかしすばらしいバレーボール試合だった。21-25、19-25、22-25、というスコアがそれを示している。　ブラジルも負けられない試合だった。これに負けると、五輪出場権をイタリアに奪われてしまうからだ。接戦つづきに、ブラジルの監督は神経質になって落ち着かない。時に怒り、興奮をおさえるにひと苦労の様子。　日本チームは全試合をふりかえって、２勝９敗という結果から何を読み取り、次にむかってどのように立て直してゆくのか。　「何を」「如何に」・・・それが、TV観戦者である私の、関心事になった。　さて、話題は一転する。　福島第一原子力発電所でまた事故が発生した。高濃度放射能汚染水を処理して淡水化する装置から浄化後の汚染水が漏れ、45トン溜まっているのがみつかった。施設の床のひび割れから汚染水の一部が海に流出したかどうか調査中。漏れた汚染水の総量は、現在溜まっている45トンを含めて220トンにおよぶとみられる。【関連報道】朝日新聞　浄化後の汚染水４５トン漏れる　福島第一　一部は海へ？　2011年12月4日20時47分読売新聞　福島第一汚染水４５トン漏れる、海に流出恐れも　2011年12月4日20時37分毎日新聞　福島第１原発：淡水化装置から汚染水流出　2011年12月4日21時37分

Dec 4, 2011

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接戦を制することができませんなぁ

　接戦を制することができませんなぁ。男子W杯バレーボールのことですが。昨日はロシアに、今日はイタリアに、いずれもストレート負け。２勝８敗は、ちと情けない。エジプトとならんで最下位である。　これまでのすべての試合が互角の戦いと見たは、こちとらの欲目か。・・・いやいや、立派な戦いをしているからこそ、接戦になるのだ。今日の対イタリア戦、TV中継のアナウンサーが、世界ランキング３位のイタリアに世界ランキング18位の日本が「胸を借りている」と言ったが、そんなに卑屈になる必要はない。　ただね、今日の日本チーム、笑顔が少なかった。あとがない必死さはわかるが、イタリアだって日本に勝たなければロンドン五輪出場権を逃す、それこそあとがない必死の戦いなのだ。まあ、私の好みだが、昔の「東洋の魔女」のような笑顔のない必死さは嫌だね。かえって哀れっぽいじゃないか。精神に余裕のないところに「勝ち」はないよ。たとえ勝ったとしても、たぶん未来にはつづかないのじゃないかしら。　あしたは最終の対ブラジル戦だ。世界ランキング１位の相手と互角の勝負をしてほしいものである。

Dec 3, 2011

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原発関連注目報道

原発関連注目報道城南信金「東電から電力買わない」　別事業者から購入へ　朝日新聞　2011年12月2日21時32分「長靴がズルッと溶けた」　東電事故調報告　弁明に終始、残る多くの謎　産経ニュース　2011年12月2日22時12分

Dec 2, 2011

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師走である

　師走である。寒雨の第1日。気象情報によると気温が昨日より12度ほども低いのだそうだ。雨と寒さのせいか、朝、庭の落ち葉がいつもより目立って多かった。そのままにはしておけないので、傘をさしながら濡れ落ち葉を掃き集めた。ようやっときれいになったと思いながら後ろをふりむけば、もう新たな紅葉が散り敷いていた。　毎日の老母の看護をしながら、終日、来年の活動のための準備をして過ごした。夢想を現実にするための準備である。

Dec 1, 2011

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