「ボーッと」が現れはじめた
きょうも仕事場にこもって終日執筆。夜10時、額のあたりに疲れがでてきて集中力が低下。執筆をやめる。 武満徹さんの曲を聴きながら、民生委員としての7月の活動記録を整理。明日提出。 作品が数日中に完成するだろうが、すでに心の一部で次の作品の構想を模索していることに気づく。 ちょっと言葉で表現しにくいのだが、心の中にぼんやり浮かんだほの白い空間に、人物モデルをさまざまに動かし形をさぐっている。そして、その形の意味することが何なのか、と考えている。人物像と言っても、男とも女とも知れないボーッとした幻影である。その幻影が、何日か、あるいは何ヶ月か、---場合によっては何年か経つうちに、やがて私はその意味を知ることになる。突然、雷にうたれたように。そして、作品にすべく制作がはじまるのだ。 私の絵は、描写がリアルでほとんど曖昧なところがない。しかし、いわゆる写生画ではない。私自身より先きに対象物がまず存在してい、その前にキャンヴァスとともに陣取って絵具筆を執っているのでは全然ない。私の描くものは、いつのまにか私の心に住み着いて、あるときその姿や光景をボーッと現して来るのだ。まさに「ボーッと」としか言いようがない。 いま、一つの作品が完成を迎えようとして、その「ボーッと」が現れはじめたのである。