MLBワールドシリーズSF vs KC タイで優勝決定戦に
アメリカ野球、メジャーリーグのワールドシリーズ優勝決定戦は、両者ワイルドカードから立ち上がってきたサンフランシスコ・ジャイアンツとカンザスシティ・ロイヤルズ。第5戦目までの勝敗は、3−2。ジャイアンツが優勝に王手をかけたところでの今日、ロイヤルズの本拠地コーフマンスタジアムでの第6戦。 ロイヤルズには青木宣親(あおきのりちか)選手がいる。青木は、ロイヤルズを29年振りのワールドシリーズにもってきた立役者だ。今日の勝負で片がついてしまうのか、それともタイで、明日の最終戦になだれ込むのか。 私はどうしても青木のいるロイヤルズを応援してしまうが、その青木、セカンド・イニングでロイヤルズ、ノーアウト満塁で打席に立った。カウントは危や三振かと追い込まれてのヒット!---そして、初回先制の1点に加えてなんと一気に7点をあげた。青木のヒットがロイヤルズにツキを呼び込んだかのようだ。 投手ヴェンチュラ選手の好投は言うまでもないが、守備も打者も彼をささえて火のような勢い。結果、10ー0という大差で勝ち、通算成績3−3で両者肩をならべた。明日の試合を見逃せない。 ところで、ロイヤルズのチームカラーであるブルーで埋め尽くされた応援席。歓喜の声とよめくなかに様々なプラカードが目につく。 こんなのがあった。 青木選手を応援する一枚---[ Aoki ー Dokie !] 「アオキ ドゥキィ」と読む。韻を踏んでいるのだが、じつは [ Okie-Dokie ; オキィドゥキィ ] のモジリ。俗語で、意味は「いいぞ、いいぞ!」という程か。つまり「青木、いいぞ、いいぞ!」と言うこと。(後註) また、こんな一枚も。 ロイヤルズのヒットメーカー、Cain(ケイン)選手を応援。---[ We cain do it !] これもオバマ大統領の [ We can do it !] のモジリ。can に Cain を掛けているのだ。 野茂英雄氏がドジャースで活躍されていたとき、球場には「ザ・ヒデオ・ノモ・ソング」が流れた。憶えていられるだろうか、あの歌詞を。往年のハリー・ベラフォンテの名曲(ジャマイカ民謡)「バナナ・ボート・ソング」のモジリ。そのメロディーで歌うあの野茂英雄応援歌を。 「ヒデーオ、ヒデーオ、ノモ・ピッチ・アンド・ノーボディ・カム・ホーム ワン・ストライク、トゥー・ストライク、スリー・ストライク、アウト! ノモ・ピッチ・アンド・ノーボディ・カム・ホーム トルネイド・イズ・カミング・ナウ! ノモ・ピッチ・アンド・ノーボディ・カム・ホーム」 作詞はたしかラテンバンドのディアマンテス。---それにしてもメジャーリーグでこんな個人応援歌が流れたのは後にも先きにも野茂英雄氏だけじゃないかしら。私はこの歌が流れるとなんとも嬉しくなり、くちずさんだものだ。「ワン・ストライク、トゥー・ストライク、スリー・ストライク、アウト! ノモ・ピッチ・アンド・ノーボディ・カム・ホーム」 ちなみにこの部分、ハリー・ベラフォンテは次のように歌っていた。「Six foot, seven foot, eight foot bunch/Daylight come and me wan' go home」---「ひと束に6房、7房、8房/朝日が昇る それから俺たちゃご帰還だ」---荷船にバナナを積み込む労働歌である。--------------------------------------【註】余計なことだが、ついでだから。ウィル・スミス主演の映画「バッド・ボーイズ」の中で、「 Okie-Dokie」に良く似た言葉が2シーンでそれぞれ1度ずつ2度言われる。早口なので分かりづらいし日本語字幕には反映されていないが、「doggie - doggie ; ドギィドギィ」と言っている。これは「ワンワンちゃん」と、犬を呼んでいるのだ。