オークションに出た「別冊少年マガジン」
おしえてくれる方があって、コミックファンの間では知らない人はいない〈まんだらけ〉のオークションに、私の初期も初期に執筆している43年前の「別冊少年マガジン」(1972年)が出品され、落札されていたという。ウェブサイトを見てみると、まだそのページは削除されずに残っていた。 懐かしさ半分、恥ずかしさ半分。 この頃、2、3冊にすぎないが、「少年マガジン」に執筆している。どういう経緯で依頼が来たか詳らかにしないが、イラストレーターとして開業する以前、「少年マガジン」のイラストレーション懸賞公募に、私は江戸川乱歩の「人でなしの恋」を描いたペン画を応募したことがあった。選外佳作になって講談社から賞状をもらった。もしかすると、それが縁となったかもしれない。 オークションに出た「別冊少年マガジン」も、私は無名も無名、新人とさへ言えないときで、「ウルトラセブンの怪獣」や 「ウルトラQの怪獣」「マグマ大使の怪獣」をたくさんペンで描いた。 忘れもしない、本誌の編集を請け負っていたプロダクションの事務所が池袋にあり、ある日、電話で、締め切りまで時間がないのですぐに事務所に来てその場で描いてほしいと言った。私は出かけ、そのまま事務所に泊まり込んで(正確には、寝ないで徹夜して)ペンを走らせた。 43年前の仕事が、---執筆者のみなさんの末席ではあるが、こうして市場に出て来て、しかも、どうやら41、000円という高額で落札されたようで、赤面したのである。 以下に、〈まんだらけ〉のオークション・ページを掲載しよう。ただし、商品番号等を削除するなど、オークション業務に関する項目の一部を、私が編集してあることをお断りします。この商品のオークションはすでに終了しています。 【商品名】別冊少年マガジン1972(S47)08 【メーカー】講談社 【発行年】1972(S47)08 【サイズ】B5 【ページ数】356P 【状態】並 【状態詳細】小ヤケシミ、表紙折れ跡、背下部接着剤跡、裏表紙端小破れ 【最低落札価格】25,000円 現在価格 41,000円 【コメント】高橋わたる+神保史朗「金メダルは泣いている」読切 赤塚不二夫「天才バカボン」読切 谷郁夫+真樹日佐夫「貴ノ花よ! 国技館を盗れ」読切 ちばてつや「ハリスの旋風」総集 川崎のぼる+梶原一騎「巨人の星」総集 おだ辰夫「アマテラスくん」読切 ちばてつや+高森朝雄「あしたのジョー」総集 口絵「全怪獣・全怪人四百匹大百科」折込4C3P・1C3P/4C8P1C47P 四色では写真で掲載。一色では、山田維史「ウルトラセブンの怪獣」、磯目雅裕「特撮映画怪獣」「バロム・1の怪人」「変身忍者嵐の怪人」、山田維史「ウルトラQの怪獣」「マグマ大使の怪獣」、鈴木吉男「怪獣王子の怪獣」「ジャイアントロボ」、村田勝美「スペクトルマンの怪獣」、葛西ただお「仮面ライダーの怪人」、水木しげる「墓場の鬼太郎の怪獣」がそれぞれ執筆。 8月2日(日)落札商品