亡国主義の文部科学省
「亡国主義の文部科学省」-----文部科学省が初等・中等教育において時代錯誤の偏った愛国主義を全面に出して来た。日記のタイトルはそのことを指している。 文部科学省は、こと学校教育に関しては、これまでにも愚劣かつ学問からは遠い亡国的な方針を居丈高に繰り返して来た。(実際、不思議だ、どうしてこうも愚かな人間達がこの部署に集まってくるのか。)彼らが「愛国」と信じていることが(もしくは信じているふりで、身過ぎ世過ぎしていることが)、どれほど軽薄で、しかしながら一過性ではない軽薄さゆえにおそろしく病的な主義主張であることか。 今まさに日本は、社会問題として、政治がらみのニュースとして、「愛国」という美名で覆い隠していた病巣の腐った膿がじくじくと滲み出している。事態の「不可解」と見える点に、極右愛国主義の悪の本質が縮図となって露見している。 人間はその長い時間のなかで、ときに一握りの目覚めた人たちだったにしろ、実際、人間の自由の高邁な理想像を探求してきた。自由ということが大切なのだ。その英知に照らし合わせて国民教育を議論しなければならない。文部科学省の官僚ごときが、自分の身過ぎ世過ぎに精一杯の浅知恵で、居丈高に方針を決定すべきではないのだ。 私は人間の未来へ向かう精神について悲観してはいない。人間は行きつ戻りつしながらも、常に過去を克服してきた。過去に良きことなど、----少なくとも「社会制度」に関しては、戻るべき良い事などない。人間の歴史はそれを示している。その「智」を血肉とするには己の人生が間に合わなかったとしても、国民教育が、一時の政権の意を呈した旗振りであってはならないことぐらいは、肝に銘じておかなければなるまい。その点にこそ「誇り」をかけなければ。無知で無恥な国民の輩出は、愛国どころではない、亡国へまっしぐらな、地獄の釜開きというものだ。 賢人たちの考察を掲げよう。翻訳の責任は私、山田維史にある。“Blind patriotism has been kept intact by rewriting history to provide people with moral consolation and a psychological basis for denial.” -William H. Boyer 「盲目的愛国主義は、否認のための道徳的慰めと精神的な根拠を人々に与える歴史の書き換えによって、手つかずのまま保たれてきた。」 ウィリアム・H・ボイアー“One of the great attractions to patriotism, it fulfills our worst wishes. In the person of a nation we are able, vicariously, to bully and cheat while feeling [and proudly proclaiming] we are profoundly virtuous.” - Aldous Huxley 「愛国主義の大きな魅力のひとつは、われわれの最も悪い望みを満たしていることだ。一国の人間として心から高潔であると感じている間(そして誇らかに宣言している間)、われわれは国の代理人となって弱い者を脅し、欺くことができる。」 オルダス・ハックスリー“Patriotism means advocating plunder in the interests of the privileged [elite/ruling] class of your country.” - Ernest B. Bax 「愛国主義は国の特権階級(エリート、支配階級)の利益を目的に略奪を弁護することを意味している。」 アーネスト・B・バクス“The time will soon come when calling someone a patriot will be the deepest insult.” - Ernest B. Bax「誰かを愛国者と呼ぶとき、それが最も深い軽蔑になるであろう時代が、まもなくやってくるだろう。」 アーネスト・B・バックス “Patriotism is the belief that your country is superior to all others because you were born in it.” - George Bernard Shaw 「愛国主義は自国が他国に優れているという信仰である。自分がそこに生まれたからに他ならない。」 ジョージ・バーナード・ショウ“Patriotism is a pernicious, psychopathic form of idiocy.” - George Bernard Shaw 「愛国主義は破滅をもたらすもの、痴愚の精神病形態である。」 ジョージ・バーナード・ショウ“Nationalism is a silly cock crowing on his own dunghill.” - R. Aldington 「国粋主義は自分の糞の山を這いずりまわる愚かな雄鶏(ちんぽ)である。」 R・アルディントン“Patriotism is flag-cheering national self-assertion with no constructive duties.” - H.G. Wells 「愛国主義は建設的な義務もない自己主張を国に鼓舞しているのである。」 H・G・ウェルズ“A nation is a society united by a delusion about its ancestry and a common fear of its neighbors.” - W.R. Inge 「国家とは祖先について、また隣人に対するありふれた恐れについての錯覚によって結合した社会である。」 W.R.インゲ“To me, it seems a dreadful indignity to have a soul controlled by geography.” - George Santayana「私にとってそれ(国粋主義)は、魂を地理によって管理させる恐ろしく軽蔑的な行為に思える。」 ジョージ・サンタヤナ“Patriotism is a religion, the egg from which wars are hatched.” - Guy de Maupassant 「愛国主義は宗教だ。戦争が孵化される卵である。」 ギー・ド・モーパッサン“Patriotism is the principle that justifies wholesale murder.” - Leo Tolstoy 「愛国主義は大量殺戮を正当化する原理である。」 レオ・トルストイ“Patriotism is a survival from barbarous times which must not only be evoked and educated but which must be eradicated by all means - by preaching, persuasion, contempt and ridicule.” - Leo Tolstoy 「愛国主義は、幽霊のように呼び起こされて教育されなければならなかっただけではなく、伝導、説得、軽蔑、嘲笑、あらゆる手段によって根絶されねばならなかった野蛮な時代からの生き残りである。」 レオ・トルストイ“What produces war is the desire for the exclusive good for one’s own nation - what is called patriotism. To abolish war it is necessary to abolish patriotism, and to abolish patriotism it is necessary first to understand that patriotism is an evil. Tell people that patriotism is bad and most of them will laugh and say: ‘Yes, bad patriotism is bad, but my patriotism is good!’ ” - Leo Tolstoy 「何が戦争を引き起こしているかというと、自国にとっての排他的利益のための欲望です。愛国主義と呼ばれるものです。戦争をやめるために、愛国主義をやめることが必要だ。愛国主義をやめるために、まず愛国主義が悪であることを理解することが必要だ。人々に言ってごらんなさい、愛国主義は悪いものだ、と。すると彼らの多くは笑いながら言いいますよ、『そのとおり、悪い愛国主義は悪い。しかし私の愛国主義は良いものだ!』とね。」 レオ・トルストイ“Patriotism - the virtue of the vicious.” - Oscar Wilde 「愛国主義 - 悪徳の美術品」 オスカー・ワイルド “Patriotism is the willingness to kill and be killed for trivial reasons.” - Bertrand Russell 「愛国主義は些細な理由によって喜んで殺し殺されることである。」 バートランド・ラッセル “Born in iniquity and conceived in sin, nationalism has never ceased to bring humanity dissension and distress.” - Thorstein Veblin 「不正のなかに生まれ、罪のなかで思いついた国粋主義は、紛争と苦しみを人類にもたらすことを決してやめることはなかった。」 トーシュタイン・ヴェブリン“Patriotism is a menace to liberty.” - Emma Goldman 「愛国主義は自由を脅かすものである。」 エンマ・ゴールドマン“Patriotism is a superstition artificially created and maintained through a web of lies and falsehoods, robbing us of our dignity and increasing our arrogance and conceit.” - Emma Goldman 「愛国主義は、嘘と誤った信念の網を張ってわれわれの尊厳を強奪し、われわれの傲慢とうぬぼれを増大させながら、人為的につくられ維持されてきた迷信である。」 エンマ・ゴールドマン“Patriotism is the last refuge of a scoundrel.” - Samuel Johnson「愛国主義は悪党の最後の逃げ場である。」 サミュエル・ジョンソン“I submit that patriotism is the first refuge of a scoundrel.” - Ambrose Bierce 「愛国主義は悪党の最初の逃げ場だと、私は主張する。」 アンブローズ・ビアース“Patriotism is fierce as a fever, pitiless as the grave, blind as a stone and as irrational as a headless hen.” - Ambrose Bierce 「愛国主義は熱病のように猛々しく、墓のように無慈悲、石のように盲目、頭のない雌鳥のように理性に欠けている。」 アンブローズ・ビアース“It is even worse - I submit patriotism is the first, last and middle range of fools.” - H. L. Menken 「それはもっと悪いのだ。愛国主義は愚か者たちの最初で最後、そして中ほどの放牧地であると、私は主張する。」 H・L・メンケン“This disgrace should be done away with at once. Heroism on command senseless brutality, deplorable love-of-country stance and all the loathsome nonsense that goes by the name of patriotism.” - Albert Einstein 「この恥辱はただちに廃止されるべきだ。愛国主義の名によって進み行く無分別な野蛮な行為を命ずる英雄気取り、みじめな国家を愛する態度、あらゆるむかつくようなばかげた考え。」 アルバート・アインシュタイン “Nationalism is an infantile disease.” - Albert Einstein 「国粋主義は幼児の病気である。」 アルバート・アインシュタイン“Patriotism is a superstition, one far more injurious, brutal and inhumane than religion.” - Gustave Herve 「愛国主義は迷信である。宗教より一層有害で、野蛮で、冷酷である。」 ギュスタヴ・ハーヴ“Fundamentalism is the last refuge of a patriot.” - Subir Ghosh「(歴史的真実を信じない)根本主義は愛国者の最後の逃げ場だ。」 シュバー・ガーシュ