笑っちゃうよ、この弱い心を!
自作をジャンル分けすることを好まないが、他人が言うことには抗弁できない。また、他人のその言挙(ことあげ)を私が拒否したとたんに自らひとつのジャンルを形成してしまうことになろう。 こんなことを思うのは、間もなく画廊にひきわたす作品について、私の頭の中に「This work is an anti-representational art and also a symbolical art, even written the caption in the picture. 」という言葉がかけめぐっているから。これは弁解なのだろうかと、自分自身に問うているのだ。それとも「武器」なのだろうか、武者震いしながらの---。 私はこの作品について完成前から周囲の何人もの知人に語ってきた。こんなことは初めてだ。たぶん、自分自身をにっちもさっちも行かないところに追いつめているのだろう。----そして、もう完成しているのに、いまだにちょこちょこと手を入れている。いや、そうじゃない、ただキャンヴァスの縁の丸みに触れて、手ざわりなどを確認しているのだ----笑っちゃうよ、この弱い心を!