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パラリンピックの競技者情報を見ていると参加競技の後ろに不思議な記号が付いていることに気づく。さまざまな障害の程度を有する競技者が、できるだけ公平に競技ができるように、競技ごとに細分化されたクラス分けがなされているのである。じつは、私はこの詳細についてロンドン・パラリンピックを見るまで知らなかった。考えてみればなるほど、アスリートの障害の程度は単純にひとくくりにすることはできない。スポーツ競技という場で記録を創造し勝敗を決するのだから、できうるかぎり公平を期さなければなるまい。
そこで、ちょっとパラリンピックのクラス分けについて調べてみた。一部の競技だけですが、ご参考までに。ブログは2部にわけてあります。パート2はそのまま下へスクロールしてください。
パラリンピック競技別クラス分け解説(1)
【競泳】
「S」= swimmingの略。クロール、背泳ぎ、バタフライがこのカテゴリーに含まれる。このカテゴリーはさらに次のように細分化される。
S1(障害が一番重い)~ S10(障害が一番軽い)
S11(視覚障害で一番重い)~ S13(視覚障害で一番軽い)
ただしバタフライはS1~10
〈註〉数字は障害の軽重を表し、すべての競技について、数字が小さいほど障害が重い。
「SB」= swim breastの略。すなわち平泳ぎ。SB1~9。
「SM」= swim medleyの略。個人メドレー。細分はSとSBの4種目を総合的に勘案しておおよその平均を決め、公平化をはかる。
数字で表されている細分化されたカテゴリーを、S1~10を例に、もう少し詳しく見てみよう。例としてあげた障害事例はあくまでも一つの事例である。
S1 肢体不自由 例:最重度四肢麻痺
S2 肢体不自由 例:重度四肢麻痺
S3 肢体不自由 例:四肢の重度切断や奇形・四肢麻痺
S4 肢体不自由 例:四肢麻痺・三肢あるいは四肢の切断や奇形
S5 肢体不自由 例:体幹と両下肢の完全障害
S6 肢体不自由 例:軽度体幹障害と両下肢完全障害・重度片麻痺・小人症
S7 肢体不自由 例:両前腕切断・両大腿切断・片麻痺
S8 肢体不自由 例:両下肢麻痺・片上腕切断・片上肢完全麻痺
S9 肢体不自由 例:片下肢完全麻痺・片大腿切断・片前腕切断
S10 肢体不自由 例:片下腿切断・片方の上肢あるいは下肢の軽度な障害
【陸上競技】
「T」= Track(トラック)競技。
「F」= Field(フィールド)競技。
T/F11~13 視覚障害
11 重度視覚障害(ガイド付添い、当人は完全遮蔽アイ・マスク装着)
12 視覚障害、ガイド付添いを選択できる。
13 最低限の視覚を有する障害
T/F20 義肢(義手、義足)を装着し、その義肢が各種目(1500m、走幅跳び、投擲競技)において規定尺度に適合するもの。
T32~38、F31~38 30台は麻痺・運動失調・歩行失調・緊張亢進等の運動機能障害アスリートに配分されている。数字が小さい方がより顕著な機能障害となるのは、他のカテゴリーと同じ。
40台クラスのアスリートは、車いすを使用していず、立って競技をする。
F40 小人症アスリート。
T/F42~46 切断のような上肢下肢欠損。
42~44 脚に義足を装着。
45~46 腕に義手を装着(上腕欠損、下腕欠損)。
例:片脚が膝上に義肢装着の投擲競技者はF42にカテゴライズされる。
T51~54、F55~58 50台クラスは車いすでの競技。
T51~54 腕と肩の機能が車いすの操縦に適しているアスリート。そのうちT51~52は、上脚下脚ともに例えば四肢麻痺のように活動制限があるアスリート。T54は、体幹と脚の機能を部分的に有しているアスリートである。
フィールド競技における車いすアスリートのクラスはさらに細分化される。
F51~54は、体幹と脚の機能障害の程度とは異なる肩・腕および手の機能に制限があるアスリート。四肢麻痺の事例がそれである。F54は、腕と手は普通の機能を有するアスリートである。F55~58のクラスを通じて、体幹と脚の機能が増大するにつれて、投擲競技には有利になる。例えば片脚切断のアスリートはF58クラスで競技することになる。
(以下、つづく。このまま下へ繰ってください)
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Last updated
Sep 4, 2012 02:59:42 PM
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