きのう一日中降りつづいた雨は、今朝になって止んだ。かわってやや強い風が吹きはじめ、20時過ぎても止まない。南に面した二階の軒下をまるで木枯のように吹き抜けて行く。
つい木枯と書いたが、岩手県北部では雪が降ったという。季節はずれというにしては、もう初夏なのだから、はずれすぎだ。5月3日のCNNが「気候変動の危機を伝える写真10選」を掲載していた。すさまじい写真である。岩手県の初夏の降雪は本州付近に延びた前線や低気圧のせいだそうで、これが地球規模の人間由来の大きな気候変動と関係があるか否かは、私には解らない。
すこし寒い。オックスフォード・シャツ1枚で過ごしていたが、カーディガンを羽織った。
やっぱり歳だなと思うのは、ここ1年半前あたりから平均体温が低くなったのだ。若い頃から平均36.5℃を維持してきた。それが36℃を切ることがある。コロナウィルス禍のため、会議に出席する前や主治医のクリニックを訪ねる前だけではなく、毎朝検温して記録するようになった。それが習慣になっている。コロナウィルスに関する医療態勢や医療保険あるいは予防接種について等、国の方針が今日から変更になった。しかしながら、私の毎日の検温習慣は、11年間つづいている血圧計測とともに、(同時にやってしまうので)今後もつづくだろう。まるで女性のオギノ式検温みたいだが、ハハハ、ただの一日のルーティンである。
そうそう、今朝、起床しようとして何気なく顔をごしごし擦った。ぱっちり目覚ようとしただけだが、ふと、顔の筋肉の下の頭蓋骨を丁寧にさぐってみた。画家として解剖学的な素人勉強をしてきた。たちまち脳裏というか目裏というか、自分の頭蓋骨のイメージが手探りによって意外なほど明瞭にうかびあがってきた。肉の下にある頭蓋骨の形状、その凹凸、眼窩のぐあい、下顎骨のぐあい、後頭部と頸骨とのつながりぐあい等々、・・・ああ、これが自分なのだと解剖学的に「確認」した。昔、舞踊家で俳優の田中泯氏と知り合ったころ、田中氏がご自身の全身骨格写真を撮影されて公表されたことがあった。私はその後、骸骨図像の研究をし、美術講義もしたが、今朝、まさか自分自身の肉を削いだ頭蓋骨をイメージするとは思わなかった。おもしろくなって、元気にとびおきた。