アメリカのニュージャージー州のプウェル・タウンシップで、8日、隕石らしい物体が民家の屋根を突き抜けて室内の床に落下したという。けが人は出なかった。大きさは縦15cmほど、横10cmほど。この物体が何であるか検証中らしいが、どうやら「みずがめ座 η (イータ)流星群」由来の隕石とみられている。
このニュースで思い出した。
昔、世田谷に住んでいたころだった。はっきりした年代は忘れたが、40年くらい前だったろうか。或る日、家の裏手で何かが地面に落下する音がした。なんだろうと思って、耳をすまして様子をうかがったが、その後は何の物音もしなかった。それきり忘れていたのだが、翌日の新聞に、隕石が落下したようだという記事が出た。しかも世田谷の何処からしかった。世田谷区は都内でも広い区域だ。落下したと推測される地点を新聞記事は明示してはいなかったと思う。・・・しかし、私は、「あれッ? もしかして、昨日の音は・・・」
たちまち子どものような好奇心が頭をもちあげた。私は探してみようと思った。物音がした家の裏手は、高さ1.5mほどのコンクリートパネルの塀で囲われたかなり広い、世田谷区でもめずらしい農地だった。私は塀に手をかけ、飛び越した(若かった!)。そしてできるだけ丁寧に隅から隅まで探した。畑なので石ころは無いし、探し易いといえば探し易い。
・・・ご想像のとおり、隕石は発見できなかった。隕石は意外に頻繁に落下しているらしいが、まあ、そう簡単にみつかるものではないということでしょうナ。
ニューヨークの自然史博物館には巨大な隕石が展示されている。昔はたしかエレベーター前のホールにドカリと展示してあったと記憶する。現在はリニューアルされて、ものもしくサークルで囲ったプラットフォームに展示されている。重量が34トンもある。1897年に発見されて「アーニートウ隕石」と名付けられた。発見者の娘の名前からとったそうだ。発見場所から移動して展示した世界最大の隕石だという。
SF映画、あるいはカタストロフィ恐怖映画と言ったらよいのか、巨大隕石(小惑星)が地球に来襲する作品がある。しかし、これは必ずしもフィクションとは言えず、最近も、地球に衝突する危険性はないものの最接近して(天文学的な距離だが)通過した。また、地球から無人探査機を発射して接近する小惑星にぶつけて、その軌道をずらす、ということが実際におこなわれている。(後註)
地球がブラックホールにのみこまれて消滅するまで、まだ数十億年あるが、いずれ地球は宇宙の原理によって存在を消す。それが現実である。つい最近、惑星がのみ込まれて消滅する撮影に成功した。これまでは予想されてはいたが、撮影による証明はなかった。・・・地球を核兵器で破壊していいの? 人類は、天国だ霊魂不滅だなんて、幻想をいだいている場合じゃないよ。天文学的・宇宙物理学的現実を認識すべきだね。たとえ数十億年先の地球消滅でも。人類消滅はもっと近いかもしれないじゃないか。
(註)
2022年10月11日、NASAが無人探査機「ダート(DART)」を小惑星に衝突させる実験をして成功した。
地球に対して潜在的に危険性がある小惑星を、国際的にPHA (Potentially Hazardous Asteroid) と分類している。その大きさは絶対等級22.0(最低直径110m)。地球との最小交差距離748万km以下。
小惑星の直径が100m以下ならば、衝突しても破滅的な状況にはならないだろうと推測されている。
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Last updated
May 12, 2023 10:06:51 AM
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