市民による市内一斉清掃の日。年に2回、5月と11月の恒例。午前9時から10時まで。
私の町内は14ブロックの班に分かれ、それぞれ自宅近辺を掃除する。しかし普段、みな日常的に掃除しているので実のところ街はきれいだ。わずかばかりの落葉や道路脇にちょこちょこと生えている草をむしる程度。ものの30分で終了である。
石塀のふもとに散りぬ松落葉 青穹(山田維史)
家に入った直後に従姉から電話。これも年に1,2回の互いの元気確認。それでもしばらくぶりなので、何やかにやと雑談である。
私は78歳、従姉は86歳。おたがいに声はまっすぐ飛び、背筋がしゃんと伸びている。しかも彼女は前屈して両掌が床につくというのだからたいしたものだ。「絵を描いているんでしょう? とじこもっているんだから、1日1回は外に出て歩きなさい!」と注意される。私は若い時から散歩がにがてだ。目的をもって外出し、たとえばショッピングでも、売り場にまっすぐ行き、サッと買ってサッと帰る。
そんなことを従姉に言うと、「そうよねー、昔から忙しい人だから。無駄な歩きをしないものねー」
彼女の電話に鳥の鳴き声が聴こえていた。セキセイインコを飼っているのだ。人の言葉をよくしゃべる。「オリョウリシマショ」・・・キッチンについてきて従姉の肩にのって、「アチチデスヨ。アチチ、アチチ」
電話から鳥の人語や若楓 青穹