暑い暑いとぼやいてやりすごしているが、報道によれば全国の猛暑日(35℃以上)地点が、きょうは222カ所におよび、今年最多だそうだ。都心の最高気温37.7℃。全国の最高気温は、埼玉県鳩山町で39.7℃、群馬県伊勢崎市で39.4℃。わが町は午後1時に37.9℃。
毎日こんなことばかり書いているが、どうも地球の気象はたいへんなことになりつつあるようだ。
CNNが〈大西洋の海洋循環、今世紀半ばにも停止か「早ければ2025年」〉と、ショッキングな見出しで、デンマーク・コペンハーゲン大学の物理気候学者、ピーター・ディトレフセン教授らが英科学誌『ネイチャー』に発表した論文について報じた。
それによれば、「このまま温室効果ガスの排出がつづけば、大西洋の海水が表層で北上し、深層で南下する南北循環 (AMOC ; Atlantic meridional overturning circulation) は、今世紀半ば、早ければ2025年にも停止する恐れがある。」
南北循環 (AMOC) は、熱帯の暖かい海水と塩分を北大西洋に運び、北大西洋で冷えた海水は深層に沈んで再び南下する現象で、これによって世界の気象パターンがたもたれている。したがって南北循環が停止すれば各地で異常気象や海面上昇、季節風の変化が起こるなどの重大な影響が出る。気候危機の加速は南北循環を不安定にし、潮流の強さを変え、水温と塩分濃度のバランスを崩す。
南北循環が停止するという話は、「恐ろしいことなので、軽々しく論文に書くような話ではない」と、ディトレフセン教授はCNNのインタビューに語ったという。
CNNは、もう一件別なニュースを報じている。米フロリダ州南端のフロリダキーズ周辺の海水温度が異常に上昇している。水深1.5メートルのところで約38℃を記録。他の多くの海水温観測地点で35.5℃を上回り、37℃を記録したところもある。
この海水温上昇によってサンゴ礁の大規模な白化現象が確認され、わずか2週間で死滅した。フロリダキーズのソンブレロ礁のサンゴは100%絶滅したという。
海水温が高いとなぜサンゴが死滅するかというと、餌となる海藻類が抜け出して、サンゴが餓死して白化してしまうのである。サンゴ礁の絶滅は、いわば海底で熱帯雨林が消滅するのと同じなのだ。そういう役割をサンゴは海底で果たしている。
サンゴには遺伝的に重要な種類もあり、専門家はいま、猛暑からサンゴを救出するために海底から引き抜いて陸上の施設へ移送している。それしか方法がないのだという。
私は毎日暑い暑いと言っているだけだが、この世界規模の猛暑は、じつは地球の命運を左右する重大事の表現なのだということに、思いを致さなければならなかったのだ。
【追記】
アリゾナのサグアロサボテンが暑さのために次々に枯死している。夜間気温32℃。日中40℃が続いている。(2023.7.26, CNNによる)