先日来、シェイクスピアの戯曲や詩を本場イギリスの名優によるパフォーマンスを見聞きしてきた。「リア王」をジョン・ギールグド卿主演のラジオ放送に私は感銘した。今日は同じ「リア王」を名優イアン・マッケレン主演のTV映画を観た。
敬愛されているシェイクスピアである。16世紀に書かれた戯曲が、現在もしょっちゅう何処かの国で上演されている。それゆえに、と私は推測するのだが、イギリスの俳優たちはシェイクスピア劇に出演することを切に願っているようだし、上演するとなれば「沽券」にかけて最高の演出・演技を見せる。ちょっとシーちゃんに手を出してみたなどという軽薄さはどのシーンにも一瞬たりもない。そしてイギリスの名優と敬されるほどの俳優は、男優も女優もみなシェイクスピア劇に出演している。映画俳優としてシェイクスピア劇に出演するというのではない。むしろ逆である。映画出演は彼/彼女にとって付け足しだとは思はないが、シェイクスピア劇で確かな俳優としてのキャリアを積んでいるのである。私はそこに興味を惹かれる。
イアン・マッケレン主演のTV版「リア王」は、ジョン・ギールグド主演のラジオ版「リア王」と同様にイギリスの教育目的の作品らしい。
シェイクスピア原作と照らし合わせながら観ると、原作通りのセリフであるが、セリフのところどころをカットしている。勿論、それで意味や心理の流れが飛ぶことは無い(あたりまえだ)。
「リア王」Television-film 2008
More4 UK、2008年クリマスに放映
シェイクスピア「リア王」をベースにした脚色、共同制作:
マクシミアンノ・コブラ、MISANTHEROPOS
監督:トレヴァー・ナン
出演:イアン・マッケレン(リア王)
ロモラ・ガレイ(三女コーデリア)
ウィリアム・ゴーント(グロウセスター伯爵)
ジョナサン・ハイド(ケント伯爵)
フィリップ・ウィンチェスター(エドマンド)
シルヴェスター・マッコイ(道化)
フランセス・バーバー(長女ゴネリル)
モニカ・ドラン(次女リーガン)
イアン・マッケレン主演「リア王」TV版