降るかと想っていた雪は降らずにすんだ。満面の笑みのような昼の日差し。しかし冷え込みは鋭い。
遠国の砲声なりや雪起こし* 青穹(山田維史)
遠国の砲声重なる雪起こし
遠国のつづる文にも雪起こし
今日もまたいびつ顔なる福笑い*
◯ 福笑いいびつ顔なる去年今年
(こぞことし)
【自註】
●「雪起こし」:北国などで雪が降る直前に雷が鳴ることがあり、それを「雪起こし」と言う。
● 「いびつ(歪)顔」は、福笑いの「えびす(恵比寿)顔」に掛けた。現代では正月の目隠しして遊ぶ「福笑い」をしないかもしれない。「遠国の砲声」の句を気持ちの上で引きずった厭戦句。