来たる7月20日は、1969年7月20日にアポロ11号に搭載された宇宙船コロンビア(宇宙飛行士マイケル・コリンズ氏)、および月着陸船イーグルに乗り込んだニール・アームストロング氏、バズ・オルドリン氏が、人類最初に月に降り立ってからちょうど55年になる。
月に文字通り人類最初の一歩を記したニール・アームストロング氏は "That's one small step for man, one giant leap for mankind"と地球に向けて言った。「人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」
大きな犠牲を払った経験の積み重ねによって行き着いた成功だった。
(御三人の年齢がまったく同じであることに注目。潜在心理として持ちかねない年齢差による上下関係の出来(しゅったい)を予め阻止すべく考慮されていたかもしれない。)
もうだいぶ以前のことだが、NASAはこの成功までのかつて非公開だった様々な場面を撮影した映像を公開した。私は公開当時にそのおよそ1時間30分におよぶ映像を見ていた。いま試しに検索したところ、YouTubeに掲載されていた。
ディスカバリーチャンネル「アポロ計画 失われた映像」
この映像を観ながら、たずさわった40万人ともいわれる人たちの緻密な思考と実行力に感嘆しながら、私は現在の世界情勢にいろいろ考えをめぐらせた。・・・殺し合い(戦果としての殺戮。乳幼児を含む虐殺。政治的・恣意的な粛清)、文化破壊を含む大規模な物的破壊、自然災害ではない人為による飢餓の創出、人種的・民族的・宗教的な区別・差別による敵視感とその醸成。それは容易に誤った愛国心と結びつき、それによる敵対者迫害および殲滅行動。我が身ひとりの快楽のために権力を欲望し万民を虐げる者等々・・・その愚かしく、くだらない思想。・・・あるいは太平洋戦争における我が日本の統帥部の雑漠な戦略(特に兵站
(へいたん)に関する貧寒な思想)のもとに、南方戦線に送られて餓死した哀れな兵士たちのことなど。・・・しかし、それらについては今は述べない。
上述のアームストロング氏の言葉だが、実際の音声を聞くと、一般に記録されているのとはほんの少し違うように私には聞こえた。私は次のように聴き取った。(YouTube映像、1:04:56)
"It's one small step for a man, but one giant leap for mankind"
意味に違いはない。ただ、「That's 」ではなく「It's」、単に「man」ではなく「a man」、そして二つのフレーズの間に接続詞「but」と言っているようだが・・・月からのあまり明瞭でない音声である。私の聞き間違いだろうか? 「a man」だとしたら、アームストロング氏自身の思い・・・感慨と自負心のようなもの・・・が、こめられていたかもしれない。それからわずかな間を置いて、「but...」と、普遍化したのではないか。ここに私はアームストロング氏の思考の深さ、思考の速度、そして心理を感じるのだが・・・。人類にとって記念すべき言葉なので、正確に知りたい。
ニール・アームストロング(Neil Armstrong; 1930-2012)
マイケル・コリンズ(Maichael Collins; 1930-2021)
おふたりの業績を讃え、追悼します。
バズ・オルドリン氏(Buzz Aldrin; 1930-)
2番目に月に御足を降ろされたオルドリン氏のご健勝を祈ります。