危険警報が出るほどの猛暑がつづいている。新聞は銀座通りのミスト噴射を報じ、また種々の建設現場作業員の熱中症対策を報じている。「沸騰列島」と、朝日新聞夕刊は書いている。
私のところでも昼前までに35℃まで達した。ところがちょうど正午をすぎたとき、いきなり激しい雷鳴が轟き、やがてザーッと雨が降り出した。これで少しは涼しくなるであろうと思った。その思いどおり、気温が10度ほども下がった。しかししめしめと思ったのも束の間、雷鳴は相変わらず激しいが、仕事場から見える西空は夕焼けのような茜色である。遠い西の彼方は晴れているらしい。そして、雨は間もなく止んでしまった。台風が北上しているらしい予報も出ていたが、雷鳴も雨も、あの激しさはいつのことやらと思うほどに晴れ上がり、再び気温が上昇しはじめた。・・・現在、午後9時を過ぎて15分になる。気温は30℃になろうというところだ。
パリ・オリンピック競技が日本時間27日から始まる。開催時期をこの暑いさなかにしなくとも、と私は思う。夏冬大会と言うけれども、どうせ夏季大会と冬季大会とが開催年が同じではないのだから、熱中症を心配しながら盛夏におこなうこともなかろう。尤も、オリンピック競技はスポーツ競技にはちがいないが、どうも「健康志向」とは関係がなさそうだ。人間の肉体の「美」の追求と「可能性」の追求は、それは素晴らしいと私は思うけれども、場合によっては、あるいは人によっては、心身の破壊と結果することもあるようだ。まあ、身も蓋もない言い方だが、人類史に名を残すということは、そういうことだろう。肉体と心の山を登らなければならないのだ。人間が単なる生物から分離して陥った「進歩、あるいは進化」と称しているのは、そういうことだろう。