昨日の激しい雷雨は風も激しかったのか、今朝、小庭には36個もの青柿が落ちていた。直径が4cmほどに成長していたので、可哀想だったし、惜しいことでもあった。そういえば敷石に何かがコン、コンと打ち付けるような音が聞こえていた。あれは青柿が落ちる音であったか!
もう16年前、2008年の拙句に「柿落ちて甍にころがる一夜かな」と詠んだ。旅の途中、ある寺に泊めてもらったときの句である。床に就き、眠ろうとするのだがコン、コンと甍を叩いて柿がころがる。初めは柿と知らずに、何の音だろうと、暗闇に目を凝らし、耳をそばだてた。翌朝、それが青柿の落ちる音だと知ったのだった。・・・この句、故花輪莞爾氏が好きだと、巻紙毛筆のお手紙に書いて寄越された。花輪氏にもそんな一夜がおありだったかもしれない。
青柿の落ちしよりはや兄(けい)は逝き 青穹(山田維史)