過日、新聞に「収益化のためにフェイク情報を発信する」問題がとりあげられていた。情報戦としてフェイク情報を発信、拡散させて人心を撹乱することは昔からおこなわれていた。国家間で、また国内政治において国民支配のために。いわゆる謀略である。いまやその情報戦謀略は、他国の種々の選挙への介入など、毎日のようにおこなわれている。関係性の大小にかかわらず「信頼・信用」が築きにくくなっているように私は思う。日本社会だけに限って考えてみても、もっとも案じられことは、重要案件が生じたときに正しい行動をとりにくいということである。
さて、ここに来てごく一般人が老若男女を問わず、自身が発信するSNSや動画発信の読者獲得のために、そして上述の新聞が報じるように、読者数の多寡によってSNSのプラットホーム(アプリケーション創設者・大元の運営企業)からスポンサー広告の拡散に寄与したことで対価が支払われる、つまり発信者に「収益」があるため、発信者は「収益化」のために発奮・努力する。それは当然であろう。しかも場合によっては莫大な金が入ってくるのである。わずか10歳になるかならないかの子供に数億、数十億円(ドル)が支払われることもあるのである。
多くの読者を獲得したいと思うのはどんな媒体の執筆者・発信者でも同じであろう。しかし莫大な金が目の先にぶらさがっていそうだと思うならば、その収益化のための努力は情報内容の質や充実に向けられるとは限らないようだ。上述の新聞が問題にしていたのはそのことである。フェイク情報とは言い切れないまでも、発信者が読者をひきつけるための惹句に誇張した言葉を使っているのを、いまや誰でもが見ている。それらの言葉は特別な新鮮味はなく、むしろ子供っぽいほどの表現なのだが、読者の人間心理の弱点を突いているとも言える。
私は以下に、インターネット上で見つけ、集めた、誇張した惹句を書き並べてみようと思う。
●衝撃的な理由! ●衝撃的な事実! ●真相がヤバイ
●ついに判明した〇〇の正体 ●意外な素顔 ●素顔がヤバイ
●素顔暴露 ●裏の顔 ●一同驚愕! ●驚愕の事実暴露
●驚きを隠せない ●これが真実! ●言葉を失う
●閲覧注意! ●必見! ●大変なことに!
●すぐ削除されます ●これは絶対にテレビでは流れません
●削除される前に今すぐご覧ください
●大御所が〇〇。大御所に〇〇。(権威付け)
●突然死の真相(実際は死んでいない)
●本当の死因(情報は空虚) ●余命宣告(情報は空虚)
●難病死亡(情報空虚) ●難病脚切断(実際は脚を切断していない。なぜか病気で脚を切断したという惹句が多い。たくさんの著名人がネット上で脚を切断されている)
●涙腺崩壊! ●精神崩壊! ●〇〇した本当の理由
●ヤバすぎる性癖 ●人生初めての〇〇
●重大発表します。あるいは、大切な御報告があります。(じつは一般発信者の個人的な身辺事にすぎない)