きのうの夕方、西の空が夕焼けに染まった。今朝、5時ごろ、こんどは朝焼けに染まった。朝焼けはめずらしい。朝陽が登っても、空が広く赤く染まるのをここ20年見たことがなかった。どういう条件によるのだろう。全天を薄く薄く雲がおおっている方がよいのかもしれない。もちろんその薄曇りの高度も関係するにちがいない。先日は東西南北全天が赤く染まる夕焼けに驚いた。
寝室の窓を開けると、流れ込んだ外気は冷えて秋の気配が感じられた。しかし、朝焼けの光の強さから、今日も暑くなりそうだと思った。遠く裏山の方で、「カッ! カッ!」と叩くようなカラスの鳴き声がしていた。餌をみつけて仲間を呼び合う鳴き声ではない。ひどく長い間をとりながらの「カッ! カッ!」という声である。
カラスの鳴き方で思うのだが、我が家の柿は生るには生っているのだが、例年のように枝がおれるほどたわわに実ってはいない。なぜか小さい青柿のうちから落ち柿がひどく、毎朝の掃除で300個は拾って捨てた。今は目の届くところにはあまり生っていない。そのせいであるのかどうか、毎年カラスが半分食っては落としていた贅沢な食い方が、今年は実が少ないことに気づいているように、食い方がキレイなのだ。蔕(へた)だけを残し、まるごとすっかり食っていることが多い。朝の掃除にかわりはないが、敷石に叩きつけられ潰れた落ち柿でないので、掃除が楽だ。私はカラスの食い方の変化に興味をそそられながら食い残しの蔕を掃き集めている。
「カッ! カッ!」と叩くようなカラスの鳴き声を聞きながら再び少し眠った。夢を見た。その物語は忘れたが、何でも災難にあった友人の無事を人づてに聞いて、「ワッ!」と嬉し涙がこみあげて目が醒めた。