郵便局へ大型の郵便物を発送するため山を下って行った。麓近くの山際に梅の大木が茂っている。初春にこの下を通ると淡く香りが漂う。たいへん大きな木なので、梅が満開になるとじつにすばらしい。山を下って行くといやでも目に入る。その幹の2メートルほどの高さのところに何やら巻きつけてあった。何だろう? 見苦しいな、と思いながら近づいた。〈頭上に注意〉と大きな文字で印刷されていた。「なるほど、あの事件があったからなー」と私は合点した。
あの事件とは、先日、我が市の街路樹の銀杏の枝が折れて、通行人を巻き込み、その人は亡くなられたのであった。ほんの数日前に市の街路樹管理担当者が見回りをし、視認によって異常がないことを確認したばかりだった。大風によって折れたのではなく、理由不明の自然落下とみられた。亡くなった人は、若い方だった。まことにお気の毒な災難だった。
市長は即座に再度の確認を指示したらしいが、梅の大木に巻きつけられた警告もその指示の一端なのであろう。
私がまだ民生委員だった数年前、河川が増水し避難勧告が出される台風に襲撃されたとき、私は町内を見回っていると、山から倒木がその下の駐車場に落ちそうになっているのを発見した。倒木は危ういところで崖上にひっかかっていた。すぐに市に連絡したのだが、市はすでに知っていて善処する手はずをとったと答えた。駐車場の持ち主が連絡したのだった。
それから私は、山の上の緑地を見に行った。公園もあり、樫や小楢の林があった。そして山のはずれは数十年前に宅地造成のために山を切り崩し崖になっていたが、ぎりぎりのところに住宅が建っていた。案の定、2,3の大きな倒木がころがっていた。すぐには住宅の方へ落ちていくとは思えなかったが、私は再び市に連絡した。ところが、この緑地は市の管理下にないと言う。東京都の公園管理課の管理下にあるというのだ。私は東京都に連絡した。すると・・・。
もう、書かなくてもお分かりだろう。いくつかの部署をタライ回しにされて・・・
山下のみごとな梅の大木の下を通るとき、私は梅に気をとられるよりも、きっと警告文を見やりながら上枝(ほつえ)を見上げるだろう。たしかに風流がってばかりもいられない。
街路樹の銀杏の枝が折れたことについて、ある人が銀杏が大量に生った、その重みのせいではないかと推測してきた。この説があながち否定できないのは、じつは20年前、我が家の柿の木の大枝が、生りすぎた柿の重みでボッキり折れたのである。
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本日のトピックス「戦争の長期化がもたらしたウクライナの悲劇について数字を用いて解説」
この情報は日本のメディアでは言及されていない戦争の実態