カテゴリ:エクストリームロングライド
22時には就寝したはずだが、夜中に何度も目が覚めた。そのたびに「まだ寝ていていいんだ」と思って二度寝、三度寝を繰り返した。 3時にはむくりと起きる。楽天で予約した激安ホテルの部屋にはインスタントコーヒーすらない。これで5,000円ならいいか。 昨晩、洗濯できなかったウェアはさぞかし異臭を放つかと思っていたが、袖を通しても臭わない。ワタクシの鼻が曲がっているのかな? Garminの地図を入れ替え、ボトルに水を汲み、電子機器の充電を切り上げる。今回からは3ポート付きUSBアダプタを持参したので、iPhone、Apple Watch、中華GoProを一度に充電できる。 部屋の中を歩いただけで左足首が痛む。やはり昨夏に購入したGiantのMTBシューズはワタクシの足に合わないようだ。アッパーが足首に食い込み圧迫していたようで、なんとなく足首が腫れている。右足小指の付け根も靴擦れして腫れている。こちらは絆創膏を貼って対処できる。 足首は過去に痛んだことないんだよね。それも左だけってなんでだろう? チェックアウトを済ませて外に出ると、空気は冷たい。裏起毛ジャージじゃないと寒いくらいだ。酔っ払った若い人たちが路上で叫んでいる。吉野家の牛丼で朝食を食べると力が湧いてくる。 ファミリーマートで補給食を購入してお目覚めのコーヒーを飲んで4:07に出発。 米子の中心街から外れると街路灯一つない真っ暗な世界が続く。アスファルトはところどころ陥没していたり、割れているので前照灯で確かめながら進む。 漕ぎ出しはあまり速度が乗らなかったけれど、最初の1時間で25kmほど進んだ。なんだ調子いいじゃないか。と思ったらそれから崩れた。左足首が痛くて踏み込めない。どうもシューズのアッパーが足首を圧迫していたため、足首が痛くなっている様子。でも、右足首はなんでもない。どうにもならない痛みなのでファミリーマートで様子を診る。 シューズと靴下を脱いでみると左足首が晴れている。昨晩は気がつかなかった。まだ二日目なのにこれどうするんだ?ペースは遅くなっても前に進めることにする。 左足首の痛みに耐えながら走るもんだから写真や動画を撮影する余裕もなくなってしまう。日の出を迎えてもちっとも目が覚めてこない。ステムバッグのガムを噛みながら低出力のままでユルユルと進む。 二日目100km地点より少し手前のローソン太田長久店には出発から4時間38分も経過した午前8時38分に到着だった。 カレードリアと味噌汁でお腹を温める。いい加減、脳みそにも目覚めてほしいので食後にコーヒーを飲んだ。気温がじわじわと上がってきているので、コンビニの裏手でアンダーシャツを脱ぐ。 iPhoneで参加者の位置情報やツイートを眺めると苦戦している方もいれば、順調に進めている方もいる。ワタクシは・・・ かなりまずい。 コンビニを出発してからが大変だった。島根県の山陰道はひたすらアップダウンが続くのである。標高差50~60mくらいが1kmおきくらいに現れる。登りでトルクをかけると左ヒザまで痛み出してきた。おいおい。次はヒザかいな。 ヒザの痛みの原因は1ヶ月前に本州一周TT試走の出発間際に自宅前で転んでヒザを強打したからだ。その時の試走も200kmほど走ったところでヒザの痛みで輪行した。あれから1ヶ月経過したが、まだ痛むということか。 正直、この本州一周TTというイベントでなければ輪行で帰りたいところだ。でも、せっかくのゴールデンウィークに家族をおいて4日間も自転車で遊んでいるという手前、2日目でオシマイというのもなんだかな。 アップダウンがあまりにも続くと補給食のおにぎりを食べるのも難しい。でも、食べないと走れないので、木陰に寄せて一息する。美味しくもなんともないコンビニオニギリを無理やり食べているとワタクシの目の前に車が止まった。窓が開いてとても親しそうに話しかけてきた。よく分からないが、ワタクシは大丈夫ですよ・・ と伝えようとすると、小・中学校時代の同級生だった。
もう、驚き以外の何物でもない。なんでワタクシがわかったのか? 聞くと、ワタクシのツイートがFacebookにも流れており、その様子を見ていた。ちょうど、島根県のR9を走っていることはそこからわかっていた。彼は仕事で車を走らせていたところ、少し手前のトンネル付近でワタクシを見つけて追いかけてきたのだ。 彼と最後に会ったのは20年ほど前だろうか?多分、ハタチくらいの頃にみんなで集まった時以来だと思う。ひとしきりおしゃべりして彼の車お見送ってからまた走り出す。 赤信号により交差点で停車させられると、クリートを外すのが辛い。左足のクリートが外せないほど左足首は痛むので、やっちゃダメなんだけれど右足を外す。 これをなんとかできるとしたら、ビンディングペダルのバネを緩めることくらいか。でも、確かこのペダルは目一杯緩めてあったはずなんだけれど。 ひたすら人の気配もなければ民家もない山の中みたいなところから江津市(ごうつし)の街に出ると生きた心地がする。江津市は東京からの移動時間距離が一番遠い都市としても有名である。つまり、ここでDNF(Did Not Finish)すると一番遠いわけだ。 それは嫌なのでまずはビンディングをなんとかしてみる。といっても持参した工具にペダルのバネを調整できるレンチはない。そもそも、そんな部分は調整する必要ないから。チェーン切りとか使わないサイズのレンチなどは持つだけ無駄だと思っている。そのかわり街にはホームセンターがある。ちょうどいいことにコメリがあったので、298円の六角レンチセットを購入。駐輪場でビンディングの強さを緩めてみた。
だが、ワタクシの記憶に違いはなく、どうやっても現状より緩めることはできなかった。強めることはできるが、緩めることはできない。あと一つ手段があるとすれば、シューズに取り付けられているクリートを脱着しやすいマルチモードに取り替えるくらい。だが、山陰にシマノのパーツ販売あるお店はなさそうだ。 しかたがないので前に進める。街を出るとまたアップダウンが続く。時刻も正午を過ぎて路上の寒暖計は24度を示している。暑さよりも足の痛みで辛い。どうにもならない痛みのため木陰で一旦休憩。昼も過ぎて150kmしか進んでいない。このままでは330km地点の下関まで今日中に自走で到着するのは難しいだろう。 いまはできるだけ走れるようにするべきか。まずは益田まで進め、そのままR9で新山口までを目指すことにする。 日差しがキツイし、足は痛い、補給食のおにぎりも美味しくない。おにぎりが美味しくないのは岩塩で誤魔化せるようになった。おにぎりを食べたら岩塩を一粒口にするのだ。これでコンビニおにぎり独特の後味を消し去ることができる。岩塩なのでミネラルを含んでいるから脚も攣りにくくなる。Amazonから「ヒマラヤ岩塩タブレット」で検索してみてほしい。 それでも脚の痛みはひどい。時刻は午後1時になりそろそろランチしないと。島根県浜田市にあるすき家9号浜田店に飛び込む。 すでに食欲ないので「とりそぼろ丼」を無理やりかき込む。午後1時なのに157kmしか進んでいない。これは本格的にダメそうなので作戦を変更する。この先にある益田まで進めて、そこから輪行し電車で山口まで移動。下関を諦めて翌日は岡山倉敷を目指す。 iPhoneで山口のホテルを探す。電話をかけまくって3件目のスーパーホテルで空室を見つけた。このゴールデンウィークに空室があるのか。でも9,000円。高いけれど、探す時間が惜しいのでこれで予約。 すき家を後にして走り出すもまだまだアップダウンが続く。これだけアップダウンが続くのにローディーを全く見かけない。
益田の市街地に入ると左足をペダルから外せないほどになっていた。これはいかん。駅前で自転車を止めて今日の走行を終える。距離は200kmだった。これで本州一周TTとしてはDNF確定となった。 さて、この辺りだと次の電車の時刻が大事。そりゃ東京みたいに10分待てば次の電車が来るわけではない。あと40分後電車なら間に合いそう。 輪行準備していると老人がやってきてアレコレ聞始めた。この自転車はいくらなのか?軽いのか?どこから来たのか?まぁよくあること。老人とやりとりしつつも、手を動かして輪行準備を10分で終える。今回は簡易輪行袋にするべきか迷ったが、通常輪行袋にして正解だったかな。 簡易タイプはギリギリサイズなので輪行に時間を要するが、通常タイプはあっという間だ。 駅のトイレでジャージを脱いでシャツに着替え、レーパンの上にレインパンツを履く。あんまりにも汗臭いまま、むさい格好で公共交通機関を利用するのは如何なものかと一応は思っている。
電車かと思ったらディーゼル車だった。益田から山口までおよそ2時間弱。そんなにかかるのか?2両編成に乗客は10名ほど。始発駅からならまぁそんなものか。 電車通学する女子高生達はシートですげぇ格好して寝ている。ワタクシも出発して10分は景色を眺めていたが、すぐに眠りに落ちた。目覚めてもまだ半分ほど進んだだけ。単線のローカル線だが、意外にも乗り降りがある。 この日の宿泊地である湯田温泉駅で降りる。いつのまにか車両には若い人たちでいっぱいだった。スーパーホテルまでは駅から遠くないし、自転車を部屋に保管したいので、輪行のまま担いでホテルへ。 ゴールデンウィークの温泉街なので観光客でいっぱいだ。チェックインを済ませて夕食へ。すぐ隣に飲み屋があったのでイン。客層は年配向けで安くはない。夕食なので豚しゃぶやら刺身を頼んでみた。これが実に美味しい。あんまりに美味しそうにワタクシが食べるものだから、隣の(夫婦には見えない)客も「お隣と同じものをくださいな」と頼んでいたほどだ。 美味しかったけれど、夕飯に2時間はかかり過ぎた。部屋に戻ってシャワーを浴びて夜10時には就寝。明日走れるかな? 走行距離200km 経過時間11時間41分 Day3へお気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.05.03 15:38:46
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