カテゴリ:モールトンレストア
おはこんばんちは。
ワタクシはイギリス製小径車アレックスモールトンを乗っている。 フレームだけ購入し、自分で部品をフレームに組み付けて完成させた。 当然ながらホイールもハブ、スポーク、リムをバラ購入して組み立てた。 それで楽しんでいたのだが、雨天ライドが数日続いたのでフロントハブが浸水した。なんで浸水したのかわからないのだが。 浸水した直後に分解清掃していればよかったのだが、日にちが経過して錆びてしまいハブがゴリついた。 シマノ製のハブだったのでコーンと玉は交換できるがカップがシマノからサービス部品として供給されていない。一方、同じカップアンドコーンを採用するイタリアーンのカンパニョーロ製ハブはカップ供給あったりする。 普通ならハブごと交換となるが、それが難しい。というかハブごと交換したくない。なんたってこのハブはアルマイトを落として磨いた魔改造品だからだ。新品を購入しアルマイト落として磨くのはやりたくないし、スポークを張り直すのも面倒である。 そこでズボラにもカップの錆を落とし磨いてみた。 ネットで調べてみるとバルブコンパウンドを使うといいらしい。練研磨剤ならよいのだ。 ダミーの玉とバルブコンパウンドを充填させる。 昔ならタコ棒でバルブを回すがごとくアタリをつけるが、この年になって手回し研磨なんてやってられない。ちなみにハブはシマノHB-M525Aである。 ダミーのカップを電気ドリルでシャフトを掴んで回すのだ。 バルブコンパウンドだけでは荒いので、シャフトの先に布を巻きつけソフト99の自動車用コンパウンドも使って磨く。 ピッカピッカに磨いてハブを組み立てるが、"ゴリつく"とはいわないが"コリつく"。 はて? 10倍ルーペで舐めるようにカップを調べるが、どこにも傷はない。なのにシャフトを回すとコリつく。 コーンと玉は新品でこれらもルーペでチェックしたが傷はない。 シマノのカップは熱処理されているので硬いと聞くが、熱処理が効くのは表面だけ?で削ってしまうとダメなのかな? 斜向かいの自転車屋に別件で買い物しに行った時、立ち話で尋ねてみると 「カップを磨いてもすぐダメになるんですよねぇ」 とベテラン店員の言葉。 コリついたのはワタクシのやり方が悪いのかもしれないが、カップを磨くというのはうまくないらしい。 それならプランBであがいてみる。 ここからが本題カップ交換となる。 カップを外すにはパイロットベアリングプーラーを用いる。最近は安価になったものだ。 サイズがギリギリだが、なんとか縁に引っかかった。 焼きばめではないが、キツめに圧入されているので工具を壊さないように慎重に外す。軸方向に顔をもってくるなよ。 スルスルとカップが外に引っ張られ取り出し小躍りした。 今の今までネットで探す限りカップを取り外した御仁を見たことがない。 ついに禁断の領域に立ち入ったわけだ。誰もやらないし、やっても見せないだけかもしれない。 カップの取り外しに目処がついたので、カップのドナーとなるハブを入手する。 片側11個の玉を使うシマノハブで一番安価なのがこれだった。 センターロック用ディスクローター取り付け用のセレーションが切られているが、ハブボディは捨てるのでどうでもいい。 ネット通販で購入し手にしてみるとびっくり。 なんとシャフトを回すとゴリついているのである。 天下のシマノハブがゴリつくなんてあるのか?マレーシア生産だから品質がそんなものなのか? 購入先に問い合わせてみると「ハブは多少のゴリ付きなどはあるので調整してくれ」と回答だった。 んなバカな。 「それはシマノの公式見解か?」と問い合わせると本当かどうかわからないがご丁寧にシマノ訊ねたそうで公式見解も変わりないという。マジか? ゴリつくのは調整でどうにもならなかったので送料自腹で返品した。返品したら返金された。 悔しいが楽天のワールドサイクルから色違いの同一製品を購入したのだ。 だがさらに驚くべきことにこれもまたハブ軸を回すとゴリつくのである。 アタリを調整すれば誤魔化せなくもないが、プリロード不足になるのでそれはダメだ。 ハブを分解してゴリつく原因がわかった。 コーンの表面仕上げが荒いのである。 安価な製品なのでコーンの玉が当たる部分の仕上げが荒いからゴリつくのである。 いくら安い部品だからってそりゃないぜ。安価なベアリング購入してゴリつくなんてないだろ。自転車部品で世界一となった大阪 堺の島野工業株式会社はこういう品物を売るのか。それとも慣らしをするとスムーズに回るようになるかたこれでいいのだ!ということなのか。それだと玉押し再調整が必要になるはずだし。 ハナからゴリつくのが仕様だとわかり、がっかりしたし、返金処理させてしまった自分を心の底から呪った。 もっとも一つ(しょーもない)経験値が増えてしまったとも言える。 ゴリつくのが仕様とわかれば仕方がない。勉強不足でした。ごめんなさい。 さて、購入したハブからドナーとなるカップを外す。 パイロットベアリングプーラーでカップを引き抜く。 コロンとカップが外れた。 カップはハブボディにキチキチで圧入されたので、プレス機がないと圧入が難しいと判断。 ハブボディの内側を少しだけ削る。 でも、やってみて3秒でやめた。真円に削るの難しいよ。 なので電気ドリルにハブシャフトを咥えさせ、そこにカップを固定しカップの外周を少しだけ削るのだ。 旋盤がないからといって諦めるのではなく、手持ちの道具を工夫すればよいのである。 カップを挿入するにはプレス機があればよいが、いまはない。でも、これ6t卓上型でいいな。 代用としてベアリングインストーラーを用いるのがよいだろうが、それもないので、インストーラーを自作する。 M10のボルト ワッシャー ナットで構成される。 ガムテープはワッシャーやカップをセンタリングするために巻きつけているだけだ。 センタリングできないとカップをハブボディに斜めに挿入してしまうことになる(やっちまった) カップを押すのはM12のワッシャーがドンピシャである。 反対側も同じように押してあげる。ちなみにカップをいっぺんに両方圧入するのではなく、片側ずつ圧入するとまっすぐ挿入できる。 カップをきっちり奥まで挿入してハブボディに座らせよう。スパナでナットを締めるがかなりキツかった。メガネレンチ使えよって・・。 こういうのは圧入の経験ないと感触がわからないから難しいかもしれない。 カップを圧入したらシャフトを組み付けてホイール完成。 "ゴリつく"ことも"コリつく"こともなくスムーズにホイールが回転するようになった。 このホイールを履かせて近所をポタリングしたが、普通に走れるようになってスッキリ。 シマノハブはカップ交換不可だが、これで交換できるようになったので雨天ライドに躊躇なく突っ込んでいける・・・ じゃなくてハブを末長く使えるようになった。 こんなことで喜ぶ御仁は多分おらなんだが、ワタクシとしては大きな一歩である。 ほいじゃーの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.10.22 20:34:47
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