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テーマ:障害児と生きる日常(4429)
カテゴリ:ダウン症関連講義
前回の続きです(^^) 今回は岩元綾さんのお父様の岩元昭雄様のご講演内容を 簡単にまとめて見たいと思います。 ●綾さんファミリーの印象 その前に、初めて岩元綾さんのご家族を見たときの印象から お話ししたいのですが、会場にはお母様を含めてご家族3人で いらっしゃっていました。 ご家族の雰囲気はとても穏やかな印象でした。やっぱり、 ご本に掲載されている写真と同じでしたので、その存在感は すごかったです。私は1人ミーハーになって喜んでました(^_^;A 綾さんご家族は私から見て一番前の席の左端に座られました。 私と妻は真ん中寄りの前側の席を確保して、この日ゆっくりと お話を拝聴することが出来ました。 ●お父様の講演プログラム ご講演はまず岩元綾さんのお父様から始まりました。 講演会が始まる前に配られたプログラムを、メモ代わりに 下記に書いておきたいと思います。 「受容の輪を 地域や人の心にも」 鹿児島子ども研究センター 岩元昭雄 一.子育ては「受容の旅路」 1 我が子との出会いが受容の始まり 行けるところまで行ってみよう 2 育ちの速さも・順序も みんな違う ==「みんなちがって みんないい」 3 育ちにつれて「受容の壁」が高くなる 4 ゆっくりと あきらめず 人はみな無限の発達可能体 二.我が子の「ことば育ち」から思うこと 1 ことばが成り立つ三つの要素(条件) 1.伝えたい「思い」 2.受け取る「聞き手」 3.伝える「手段(方法)=ことば等」 2 ことばを生み出す「思い」を育てる 生命維持の思い・共感し合いたい思い・一人で暖める思 い 五感(視聴触臭味)に心地よい刺激をたっぷりと、 共感し交換し共歓し合う。 3 子どもが育つ場に「高性能の受信機能人」がたくさん必要。 受信の感度と対応の速さ正確さが、発信意欲を促し、育てる。 4 ことば教えを急がず、ゆっくり はっきり 長めのおしゃべりを たっぷり 目を合わせ 表情豊かに 身振りも添えて 受発信機能の全開 5 ことば発達は「聞く・話す・読む・書く」の順序 三.「子育ち」は「親育ち」 1 育ち(発達)の根っこは何だろう? 宮古島で出会った女性 2 育ちの道に近道も行き止まりもない。 それぞれみんな自分の道を、自分の好みで、 歩幅で、速さで・・・ 3 命ある限り育ちは無限 ゆっくりと あきらめず 人はみな無限の発達可能体 岐阜での体験 4 「手間 暇かかる子には 手間 暇かける」は 不変(普遍)の原則 急ぎ過ぎ、背負わせ過ぎ、手間や暇の省き過ぎに なってはいないだろうか 四.「受容の輪」をもっと大きく 1 「染色体異常」って、そんなに「特別」ではないのです 2 生き物はみな、発展途上・進化の過程にある 3 染色体が不安定だから進化する。生物進化の原動力 4 障害は「治癒や隔離や排除」ではなく、自然に付き合うもの 5 真の「受容」が人々の心や行為、社会の動き、 国の施策に行きわたるように。 ●お父様の講演を聴いて 岩元昭雄様のご講演は、私と同じ父親の立場の方のご講演と あって、私自身特に楽しみにしていました。お父様はご講演 前~後もいつも終始にこやかにしておられ、お話もとても楽 しく素晴らしいものでした。まず「綾さんの前座」というフ レーズで会場の笑いを取られていらっしゃいました(^^) 上記のご講演内容は、2005年9月にご家族3人で書かれた 「ことば育ちは心育て~ダウン症児のことばを拓く~」がメイン になっているそうです。ご講演時に上記の本をまずご紹介さ れていらっしゃいました。 ●講演のメモをとりました 約1時間のお話は全て内容が濃いものでしたので、もちろんこ ちらでお伝えする事は出来ません。心に残ったお話は人それ ぞれだと思いますが、私が感動したり共感した時にとったメ モの中の一部分(一とニが特に勉強になりました)をこちら で取り上げてみたいと思います。もちろん素人のメモですの で何卒参考程度にして頂きたく思っています(^.^)> <一.子育ては「受容の旅路」> ・障害は個性ではない→変わることが無い事実(※1) 障害は年齢と共に変わる →その変化と付き合いながら家族は過ごす 38年経った今でも新たな障害が見つかる→日々新た 今後どうなるかわからないが行けるところまで行こう 命ある限り、発達か退行か →出来るだけ発達の時間が多いほうがいい ・急ぎ過ぎず、求め過ぎない→子供の発達にじゃまになる ゆっくり、でもあきらめない 本人のペースに合わせて後ろからサポートする ・子供は無限に発達する(昭雄様のお考え) →そう考えている先生は意外に少ない ※1 詳細は「ことば育ちは心育て」のP178に書いてあります。 ご本では、 「「障害は個性」ともいわれます。二十一番目の染色体異常 は変わることのない事実であり、個性ではありません。障害 の事実を、耳障りのいいことばであいまいにせず、互いにあ るがままの現実を受け入れ、発達への無限の可能性を拓きあ う営みが、もっともっと広がることを願ってやみません。」 とありました。 <ニ.我が子の「ことば育ち」から思うこと> ・ことばが成り立つ三つの要素(条件) 1 伝えたい「思い」 2 受け取る「聞き手」 3 伝える「手段(方法)」 世の中は3を重視する傾向になる→間違い 綾さんに早いうちから本の読み聞かせ、童謡などを聞かせた。 また、四季折々の季節の変化などを見せてきた 五感を共有する→思いの育ち、ことばの育ちを伴なう 子供が何かを発信する →わかってあげるともっと発信しようとする (高性能の受信機能を持つこと) →目と目を合わせ、顔を合わせ、表情豊かに、 少し長めなことばかけ、たっぷり長めに(資料の4参考) ・綾さんが字を書くことに関して ひらがなより漢字が難しいという概念を植え付けない →例えば「川」は漢字の方がやさしい 今の教育にはこの辺り問題点がある(※2) 綾さんは字を書くのが難しいと考えなかった 「あいうえお」で教えるのではなく、文で教える →「あめがふる」等 先入観をなくして子供に教える ※2 ブログ「どの子も伸びる どの子も伸ばす」の石原忍先生と ご講演後に少しご挨拶したのですが、その時にご共感された 事の一つに、上記の教育の問題点があったとお話して下さい ました。 先生のブログ内のメモでは、 「国語科で、文科省の決める学年別配当漢字などは、ゆっく り発達していく子どもにとっては、逆に学びの大きな妨げになる」 という箇所になります。石原先生のご感想については石原先生 のブログ(下記リンク先)をご参照されて下さいませ。 とても参考になることが書かれていますm(゚- ゚ ) →ゆっくりでもあきらめないで・・ 徐々にではあるが、無限の可能性がそこにある その他にも、たくさんの参考になるお話がありました。ご講 演の後に「ことば育ちは心育て」の本を再読したのですが、 今回のご講演とラップする部分がとても多かったので、 今回のご講演の内容を再確認する事が出来ました。 今後も度々読み返す必要がある本だと感じます。 →次回に続きます(^^) →トップページへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年11月21日 00時38分16秒
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