縞々の女王さま

よく寝ながらぷちゃぷちゃ言ってるまろん

夢の中でミルクでも飲んでるの？

まろんはおうちで、いつだっていい夢をみて

何の心配もなくおなかいっぱいで寝んねできること

私はそんなまろんの居場所を提供することにやぶさかでない







猫の死体を見てしまったのです。

どうすればいいのか分からず、通り過ぎてしまいました。

まろんに似ていた。シッポの長いこ。車か･･･

うちに帰ってからも、ふと頭に浮かび

どうしようかと気になっていました。


････････････････





来た。

あの子だ。根拠は無いけど確信がある。

道で眠っているように体を横たえていたあの子。

仔猫に戻った悲しい顔で

口を開けても声は無い。

無念の姿に変わってしまった悲しさ辛さを、無言で

眼力で訴えてくる。

わかったよ。聞いて。あなたを上げてあげようね。もうここに居なくていいんだよ。

･･･？

まろんをどうしようって？

まろんに手を出すのは絶対に許さない。

ひとりで行くの。道連れはだめ。

お経を一心不乱に唱える。

観自在菩薩　行深般若波羅蜜多時　照見五蘊皆空･･･

観自在菩薩　行深般若波羅蜜多時　照見五蘊皆空･･･

あれ？あれ？私ここばっかしリピートしてる!?

あぁ私の力が足りない　

苦しみのた打ち回りつつ、ひとりは嫌と迫ってくる。

謝りながらも、顔だけになったそのこを踏みつけにして

まろんを私の胸の中のスペースに保護する。連れて行かせるもんか。　

観自在菩薩　行深般若波羅蜜多時　照見五蘊皆空･･･

いけない。だれか！神様!?仏様!?このこを上げてやってください。

この子は本当は悪くない。悲しいだけなんです。

でもこちらの誰も連れて行かせるわけにいかないんです。

観自在菩薩　行深般若波羅蜜多時　照見五蘊皆空･･･

ゆめだゆめだゆめだお経が浮かばない猫の悲しく歪む顔もう起きなきゃ耐えられない




息苦しさと歯がゆさで目が覚めました。

夢見が悪いとは正にこのことでしょう。

頭を踏んで押えた感触を、そのまま覚えているような足裏の感覚。

よくもそんなことができたなと、薄ら寒くなる。

いつも、夢なんてすぐ忘れちゃうのに

これを書いてる今日は月曜だっていうのに

まったくとんでもない夢を見たものです･･･