ブレッド城へ
(12月7日)(クロアチア・スロヴェニア旅行の続き)ブレッド湖にあるただ一つの島ブレッド島上の聖マリア教会からまた手漕ぎボートで船着き場に戻り、そこから湖を一周するようにバスに揺られ湖畔の丘の上にあるブレッド城に向かう。途中、部落に入ると道が細くなり、左側に鉄道の線路が見えてくる。間もなく小さな駅が現れた。この鉄道はオーストリアのザルツブルグへ行く路線とのことだ。バスは山の中の坂を上がっていく。お城の入口直下でバスを降りる。徒歩で坂を上りやがて小さな城門をくぐる。城壁の上には射手のための窓(銃眼)だろうか、ずらりと並んでいる。また城壁にある居住区の窓の扉のデザインがすばらしい。これを閉めたら室内側はどのような感じになるのだろう。ひとまず湖を見渡せる場所へ行く。湖側の低い城壁から先程の聖マリア教会が霧に霞んで幻想的な姿を見せていた。また船着き場方向も朝霧に霞んで何かお伽の国ような感じだ。森がちょうど島のように浮かんで見える。素晴らしい眺めだ。さらに階段を上るとゴシック様式だろうかきれいな建物が並ぶ広場に出る。向かって右には2本の長槍に支えられたロマネスク調の幌が入口を飾るワインバーがまたその隣には同じような装飾のレストランがある。蔦が絡まった石壁にある窓がまたまた綺麗にデザインされていた。良く見ると模様はきちんとシンメトリーになっているのが分かる。この建物の2階には博物館があり、中世の刀剣や銃器、貨幣などが展示されていた。壁には新しく描かれたと思われるフレスコ画が中世の雰囲気を醸し出し、また天使に囲まれた豪華な聖人の像なども飾られていた。ひとしきり見学の後、お城の雰囲気が一杯の2階のレストランで昼食を摂る。ここで出された大きな鱒のソテーはなかなかの味だった。ワインやビールがすすむ。帰りに下の丸屋根の塔に入る。ここはかっての監獄だったそうだが、今は古い印刷機を使って版画風の印刷物を刷る工房になっている。お客のリクエストに応えていろいろな版を付け替えて印刷していた。城門のそばから神父様なのだろうか、出てきて気軽に記念撮影に応じていた。ここからブレッドのダウンタウンが良く見渡せる。素晴らしい風景に名残を惜しみながらバスへと向かう。昨日通過した国境を通ってクロアチアに戻り、その後進路を西にとってアドリア海沿いに展開するダルマチア地方のプリトヴィツェに向かう。今夜はそこで一泊。明日は大小16の湖と92カ所の滝がある世界遺産のプリトヴィツェ湖群国立公園を散策することになっている。