今、謝りに行きます…
同僚、2人は別々な時間に同じセリフを
いい残してつつ、事務室を出て行った。
2学期がもうすぐ、終わる。
中学や、高校は懇談会や三者面談の時期だ。
私は明日あるのだが、同僚2人は今日が懇談会だった。
まず、お昼、1時過ぎに一人の同僚が
高校生の息子2人の懇談会に出かけた。
どうも、朝から様子がおかしいと思っていたら、
出かける前にこう、打ち明けた。
『下の子が昨日、学校でよその子を殴ったらしい。
相手先に謝りに行かないといけない。』
どうやら、しょちゅう、ちょっかいをかけられて
業を煮やしてたまりかねてやったことらしい。
『みんなで上手く解決できればいいね。』
と励まし、送りだした。
多感な時期である。
はっきり言って、私も何度かそんな経験がある。
だから、子どものしでかしたことはきっちり、反省させ、反省しつつ、
次がないようにしなければならない。
そう言って、元校長だった館長以下、みんなで話をしていたら
もう一人の同僚の携帯電話が鳴った。
事務室から出て、電話を終え、戻ってきた同僚が言った。
『私も誤りに行かないといけなくなった…』
びっくりして、『どうしたん?』と聞くと、
なんと『うちの子も友達殴ったって…』
思わず、館長と私は顔を見合わせてしまった。
詳しいことはよくわからないらしいが、先生からの電話で、
2人でケンカして顔を殴って鼻血を出させてしまったらしい。
普段はとても大人しい口数の少ない中学生だ。
ため息混じりに、
『今まで一度もこんなことはなかったのに。
人の心配しどころでなくなった』とぼやく。
そう、たった、今まで、同僚の心配をしていたのだから…
そして、『謝ってきます』と言い、
懇談会へとまた、出かけていった。
残された館長と私は言葉もなく、宙を見上げた。
私の場合はお兄ちゃんが中学の時、何度か、こういうことがあった。
もちろん、向こうが謝まりにきたこともある。
ケンカ両成敗と言うが、本当はどうなんだろう?
原因を聞くといろいろ出てくるのは驚く。
相手がとうに忘れてしまっているような大昔のころから
根に持っていたことまで出てくるからすごい。
日頃、鬱積していることが何かをきっかけに爆発し、
ケンカに至る事がよくあるようだ。
親が出てくることではないような小さないさかいまで
学校に呼ばれることもあった。
いろんなことを思い出しながら、
同僚の気持ちを考えると少し、憂鬱になった。
しかし、考えてみると、
『2度あることは3度ある』と言うではないか。
って言うことは、次はやっぱり、うちの兄ちゃん?
さすが、娘はありえないだろう…
が、念のため、夕食後、2人には
『友達とは仲良くやるように』
とありがたい教訓を与えておいた。
もちろん、2人は『ハァ?』という顔をしていたが、
素直に聞いてくれたことと信じる。
なにせ、明日は三者面談の懇談会。
いらぬことを担任に吹き込まれてはかなわないので、
きっと、明日までは大人しくしているはずだ。
| 蓮4044
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