今日の毎日新聞の14、15面見開き2ページを使って
広告を出したメルセデス・ベンツ
本当に風格のある素晴らしい車だ。
この広告を見て私は実家で起こった5、6年前の騒動を思い出した。
ある日、母から電話がかかった。
ふだんから、よっぽどの用事がない限り電話などしない母だ。
何ごとかと思い、聞くと
『お父さんが家を新築したいと言い出した。私はこの家で十分だし、
夫婦2人で住むのに新築など必要ない。もし、話をしたら、反対して欲しい』
と私に協力を依頼してきたのだ。
実家は新しいとは言いがたいが、メンテナンスや手入れがいいので
住むのに全く問題がない家だ。
母が反対するのは当たり前だ。
もう、70才を父は超えていた。
退職金などがそのままあり、年金で暮らしていて、ローンも組まなくて
家を建てるほどの蓄えはあるようだが、
母は『今さら、立替るなんてとんでもない』である。
それでいろいろ考えた挙句、母と私で出した結論は父に
家以外の高いおもちゃを買ってあげるということだった。
父はお酒もタバコもたしなまず、ギャンブルもせず、
趣味は旅行とカメラと車だった。
車が大好きで旅行も絶対、自分の車で自分が運転して行った。
なんと、団体旅行にも一人で車を運転して途中合流する人だった。
最大一人で4台持っていた。
乗用車、8人乗りワゴン車、軽自動車、軽トラ
と用途に応じて使い分けていた。
そんな人だから、家を諦めてもらう代わりに車を
新しく買ってやろうと代替案を持っていったのだ。
父は2つ返事でOKした。
そして、父が買ったのがベンツだった。
そしたら、車庫まで作り変えた。
車庫はそれなりにベンツに釣り合うようになったが、
父にはとても似合わない車だった。
しかも、乗りにくかったらしく、文句ばかり言っていた。
操作方法が国産車と少し違うらしい。
方向指示器がまず、逆だった。
右に曲がる時は左のレバー、左の時は右のレバーを操作する。
70才を越えた父にはそれが自然にできないようだった。
しかも、いつもは別の車を運転しているのでその車のつもりで
運転してしまい、後続車に迷惑かけ通しだったらしい。
結局、今年、母の退院を機にそれを売り、
車椅子の人が乗り下りしやすいに改造した回転イスを特注し、
車を買い換えた。
憧れの名車のオーナーに70才を過ぎてやっとなれた父だが、
その間文句ばかり言っていた。
つまり、父には全く、いろんな意味で合わない車だったのだろうと思う。
人が車を選ぶのだろうが、車も人を選ぶもかもしれない。
そう言えば、我が家の隣りの家もベンツのオーナーだが、
下の家もベンツのオーナーだ。
ご主人は建設会社の社長だ。
今日、仕事に出かけるとき、そこの奥さんにすれ違った。
とても小柄な奥さんなのでベンツを運転していたが、
本人がやっと確認できるくらい、頭がかろうじて見えた。
悪いけど、下の家の奥さんもあまり、車から選ばれてないような気がした。
| 蓮4044
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