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カテゴリ:歌舞伎
野球中継が延びたらしく、30分遅れで開始。
ゲストは歌舞伎俳優の松本幸四郎さん。 祖父は七代目松本幸四郎。父は初代松本白鴎、おじに九代目市川團十郎と二代目尾上松緑。 歌舞伎界を代表する華麗なる一族に生まれたわけです。 歌舞伎だけでなく、ミュージカル、TVドラマと多彩な活動をされています。 演劇に対する熱い情熱と絶え間ない研鑽。 これが現在の幸四郎さんを支えているのですね。 お話好きな幸四郎さん、一生懸命お話なさって、どのお話も興味深く聴きました。 中でも一番よかったのが、お祖父様の七代目幸四郎さんのこと。 この方は歌舞伎の御曹司でも何でもなくて、生まれたのは三重県。 事情があって母親と上京し、母親が開いた饅頭屋の前で遊んでいるところを藤間流の家元に見出されて、養子になったそうです。 この方がいなかったら、今の歌舞伎界の相当部分の俳優さんは生まれなかったのです。 七代目幸四郎さんは、「勧進帳」の弁慶を生涯に1600回以上演じ、「幸四郎の弁慶か、弁慶の幸四郎か」と言われるほどの当たり役としていたそうです。 弁慶には引っ込みの大事な見せ場、「飛び六方」があります。 重い衣装を着けて、かなりの運動量となる六方を力強く演じるわけです。 亡くなる3年くらい前まで演じていたそうですから、肉体的には負担が大きかったでしょう。 心臓が悪かったので、引っ込んだあとは胸を押さえてしばらくうずくまっていたそうです。 ある日、そんな父の様子を心配した息子、初代松本白鴎が、「お父さんの弁慶は、千回以上も演じて有名なんだからちょっとは体を考えたほうがいいのでは」と言ったところ、七代目はギロリと目をむいて、 「俺の弁慶を、今日初めて観に来るお客さんだっているんだぞ。手を抜けるわけがない」 ・・・・これですよ、これ。 何百回演じても、いつもお客さんのために手を抜かない。 そういえば以前、松井秀喜さんも同じようなことを言っていました。 現幸四郎さんも弁慶を800回演じています。 私は以前、700回目の弁慶を観る機会に恵まれました。 花道脇で、揚幕の近くだったので、疾風のようにこちらへ向かってくる飛び六方の迫力はものすごいものでした。 玉のような汗をかきながら、目の前を過ぎていった幸四郎さんも、きっと「初めて観に来てくれたお客様」のために精一杯演じていたのだと思います。 七代目は歌舞伎以外の商業演劇に初めて出演した歌舞伎俳優であり、シェークスピアなどの「赤毛物」もやっています。 お祖父様の先駆者精神が現幸四郎さんにも脈々と受け継がれているのですね。 これからもいろいろなことに挑戦し、かぶいてほしいです 来週もご出演されるとか。 お子様(といってももう立派な俳優さん達ですが)もVTRで出るそうですよ。 七代目の弁慶が見られます・ちょっと画像が悪いですが 幸四郎さん主演・ミタニン脚本のドラマ これも幸四郎さんの当たり役 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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