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テーマ:今日見た舞台(965)
カテゴリ:歌舞伎
毎年この時期は松竹大歌舞伎の地方巡業を楽しみにしています。
歌舞伎座などの興行はたまにしか行けないので。 朝はいったん仕事場へ行き、今日やっておかなければならないことだけ片付けて休みをもらい、いざ出発。 仕事場から会場の茨城県民文化センターまではクルマで約1時間20分。遠い~ 12時に友人と待ち合わせてお昼。 文化センターのレストランは激混みなので、近くのラーメン屋へ。 替え玉もしっかり食べて腹ごしらえも完了 12時半開場。とりあえずパンフだけGET。 今回の公演は、昼夜ともに完売だそうで、すごい人出。 ここ何年かずっとこの時期の公演を観ていますが、こんなに混んでるのは初めてです。 海老蔵さんのときも、菊五郎さんが来たときも空席があったのに。 やっぱりメディアへの露出が多いせいか、勘三郎さんの人気はスゴイですね。 【昼の部】 一、本朝廿四孝・十種香 二、十八代目中村勘三郎襲名披露口上 三、身替座禅 残念なことに、勘太郎さんが6月の博多座でケガをしたそうで、今回の公演は出演しませんでした。 「十種香」 八重垣姫・・・・・中村扇雀 腰元濡衣・・・・・中村芝のぶ(勘太郎さんの代役) 花作り簑作 実は武田勝頼・・中村七之助 長尾謙信・・・・・中村源左衛門 白須賀六郎・・・・片岡亀蔵 原小文治・・・・・片岡市蔵 武田家と長尾(上杉)家の争いを中心にした人形浄瑠璃を元にしたお話。 武田家の跡継ぎ・勝頼と長尾家の令嬢・八重垣姫はいいなずけですが、家同士はケンカしてます。 というか、争いの仲裁のために婚約させられた、っていうほうが正しいのかな? ロミオとジュリエットみたいですな。 七之助さんが若衆姿で登場すると、会場中にため息が。 中央には鴇色の着物に紫の長裃の勝頼・七之助、上手にいわゆる「赤姫」の八重垣姫・扇雀、下手に黒い着付けの濡衣・芝のぶ、と錦絵のような美しさ。 八重垣姫は「三姫」の一つであり、女形の大役だそうです。 赤い打ち掛けは愛と情熱の象徴。深窓の姫君でおっとりしていますが、恋したら一途で大胆 切腹した婚約者の勝頼のために、十種の香を焚いて回向している(ホントの香を焚くのでにおいがします、とイヤホンガイドで言ってましたが、残念ながら私のトコまでは届かなかった・・・)。 濡衣も亡き夫の菩提を弔うために回向しています。 絵で見ていた勝頼にそっくりな簑作(実はホントの勝頼)に恋をしてしまい、腰元の濡衣に恋の橋渡しを頼む辺りのセリフなどは「ええっ、お嬢様なのに大胆ね!!」 濡衣は、勝頼のかわりに切腹したのは実は自分の夫なので、ちょっとフクザツです・・・ 動きが少ないのでちょっと眠くなってしまったトコもありましたが(汗)、もうちょっと歌舞伎を勉強してから観たら、もっといろいろとおもしろさが分かる演目なのかな。 機会があればまた観てみたいデス。 「口上」 いよいよ勘三郎さん登場。水戸に来たのは18年ぶりだそうです。 勘三郎さんを中心に、上手へと順に亀蔵さん、市蔵さん、扇雀さん。 下手へと順に七之助さん、新悟さん、弥十郎さん。 それぞれ勘三郎さんへのお祝いと当地への挨拶。 なかでも良かったのは、勘三郎さんが、下手に控えていた先代からのお弟子の助五郎改め中村源左衛門さんと、仲一郎改め中村山左衛門さん、部屋子の中村鶴松くんも紹介していたことでした。 本来ならば、大きな名前でない限り襲名しても披露されるコトはないのでしょうけど、お弟子を大切にしている勘三郎さんの暖かい人間性が感じられました。 「身替座禅」 山蔭右京・・・・・中村勘三郎 太郎冠者・・・・・片岡市蔵 侍女千枝・・・・・坂東新悟 同 小枝・・・・・中村芝のぶ 奥方玉の井・・・・坂東弥十郎 松羽目舞踊。 常磐津にのって山蔭右京登場。 最近花子という女性といい仲になり、会いたいという手紙を度々もらうが、恐妻家ゆえなかなか会いに行けない。 そこで家を出る口実として、奥方に全国に仏詣に行きたいと告げる。 奥方は夫のそばを離れたくないので反対するが、あーでもないこーでもないと問答のあげく、一晩だけの座禅を許す。 右京は家来の太郎冠者に座禅衾をかぶせて身替わりにし、お堂を抜けだして花子に会いにゆく。 奥方は夫の様子が心配で見舞いに。 衾の下はなんと太郎冠者。太郎は奥方が恐ろしくてすべてを白状する。 激怒した奥方は自分が代わりに衾をかぶって右京の帰りを待つ。 松羽目があがり、長唄連中の演奏。 右京さん、花子の小袖を羽織り、浮かれ気分でご帰宅。 ほろ酔いなのか、花子との情事を思い出すのか、何ともなまめかしい様子。 衾をかぶっているのが実は奥方だとは知らずに、花子との逢瀬の様子を語って聞かせる。 しかも奥方の悪口まで言ってしまって・・・・ 勘三郎さんの持ち味である「洒脱」さが全面に出ていて、会場中が笑いの渦に。 浮気がばれて奥方に追い回されるトコなど、なぜだか真に迫ってました 身長180センチ以上の弥十郎さんが演じる奥方・玉の井のコワイことコワイこと 勘三郎さんと並ぶとその大きさが強調されてスゴイ迫力でした。 夫を一途に思うトコなど、カワイイ面もあるんですよ? でもあの体格だからやっぱり笑いがでちゃうんですよね 衾をかぶっているのを太郎冠者だと思いこんだ右京が艶っぽいお話を語るときに、嫉妬に身を震わせてドタドタドタ~!!と足踏み?をするのは、滑稽であると同時にかわいそうな感じもしました・・・・ やっぱり浮気はダメですね♪ 現代にも通じるお話で面白かったです。 大満足の終演後、夜の部までは一時間あるので、運が良ければどなたかお会いできるかな・・・・とセンターの裏へ。 中学の頃から吹奏楽のコンクールなどで何度も足を運んだ楽屋裏、勝手知ったる何とやら・・・と近くまで行ってはみたものの、やっぱり気が引けてすごすごと帰る。 夜の部が終わった後なら「出待ち」もアリなのかもしれませんが。 次は9月の歌舞伎座、先代吉右衛門の追善興行! 初日のチケットGETしたいと思いマス!! 7月の玉三郎さんと海老蔵さんのも行きたかったけど・・・・ リベンジ賭けてがんばります お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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