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カテゴリ:歌舞伎
※途中になってたのをUPしました~
千穐楽(26日)に昼夜続けて見てきました。 ご存知のとおり、風邪で寝込んでいたのでUPが遅れてしまいました~ 今回、初めて「音羽会」を通じてチケットを買いましたので、席は昼が4列目、夜は2列目とビックリな位置でした(汗) 朝、音羽会の番頭さんのところへ行ってチケット代をお支払いしようとしたら、すぐ隣に富司純子さんがいらっしゃいました。お着物姿がキリっとして、いつ拝見しても非常に綺麗です♪ 千穐楽ということもあって、他の役者さんの奥様方もお見かけしました。分かったのは富司さんの他に仁左衛門さんの奥様(孝太郎さんにそっくりなのだもの)と、幸四郎さんの奥様。 席に着くと、後援会から買った席だけに通いなれてる風の方々ばかり。田舎モノの私は小さくなってました~ 私の席の両隣のおば様がたが「あら~○○さん来てたの~」と私の体の前で手を握り合いながらお話始めたときはどうしようかと思いましたよ(汗汗) おっと、舞台の感想に戻さなければ。(ある意味これも感想ですけど ^m^) 長くなるので、昼の部だけにしますね。夜の部は後ほど。 「鳥居前」 佐藤四郎兵衛忠信実は源九郎狐 尾上菊五郎 静御前 中村 福助 笹目忠太 片岡 亀蔵 武蔵坊弁慶 市川左團次 源九郎判官義経 中村 梅玉 落人となった義経が、伏見稲荷の鳥居前に家臣を連れてやってきた。愛妾・静御前が後を追ってきて一緒に連れて行ってほしいと懇願するが、義経はその願いを聞き入れず、宮中から拝領した「初音の鼓」を静に与えて形見にするように言う。さらに追いすがる静は鼓の紐で梅の木に縛りつけられ取り残される。 一人嘆く静の前に、鎌倉方の追っ手、笹目忠太がやってきて静を無理やり連れて行こうとする。すると義経の家臣、佐藤忠信が駆けつけ、忠太の家来を散々に蹴散らし忠太を踏みつぶす。 そこへ再び現れた義経は、忠信の働きを褒め、自らの姓名「源九郎義経」と大鎧を与えたのち、静を都へ送り届けるように命じる。 「義経千本桜」とは、義経をとりまく人々を桜にたとえ、それぞれの数奇な運命を描いたものだそうです。狐忠信、平知盛、いがみの権太を中心にしたオムニバスドラマのようなものです。 話の底辺には「壇ノ浦で滅亡した平家の武将、知盛、惟盛、教経が、実は生きていて、ひそかに源氏への報復の時をうかがっている」というテーマがあります。 死んだ人が実は生きていたら・・・奇想天外なストーリーですが、結局彼らはまた滅びへの道を歩むことになり、平家物語の無常観を踏襲しているわけですね~ この場面は、弁慶や忠信は隈取をしていて、いわゆる荒事の様式になっています。 静を助ける忠信、実は狐の化身が佐藤忠信に成りすましているという設定です。 「スッポン」から登場するところや、引っ込みの六方の手つきが何となく狐っぽく「グー」の手になっているところにそれが暗示されています。 荒事らしく、華やかで大らかな舞台で、しかも芸達者な方々がそろっていて、大変見ごたえのある場面でした。 貴公子役がよく似合う梅玉さん、存在感たっぷりな左團次さん。 武将ばかりの中に花を添える静御前の福助さんも美しかった~ いつか菊之助さまの静御前を見たいな・・・以前に「川連法眼館」などでは演じているようですが、悲しいことに未見なのデス・・・(涙) 狐忠信を演じる菊五郎さんの登場で舞台はさらに華やぎました。 三階さんたち演じる軍兵の立ち回りもあざやかで、くるくるとトンボをきる姿に拍手喝采。 このお芝居は各場面において立ち回りがたくさん出てくるので、これも楽しみの一つ。 笹目忠太が忠信に踏みつぶされて、目玉がとびだす趣向が面白い~♪ 「渡海屋・大物浦」 渡海屋銀平実は新中納言知盛 松本幸四郎 源九郎判官義経 中村 梅玉 相模五郎 中村 歌六 入江丹蔵 市川高麗蔵 武蔵坊弁慶 市川左團次 銀平女房お柳実は典侍の局 坂田藤十郎 摂津の国・大物浦の船問屋「渡海屋」。都落ちした義経主従はここから九州に行こうとしていた。 弁慶は、この家の娘「お安」が寝入っている上をうっかりまたいでしまったところ、突然足がしびれてしまう。 実はこのお安は新中納言知盛が連れてきた安徳帝。高貴な体をまたいだので足に異常が出たのです~ 鎌倉方の武士を名乗る、相模五郎と入江丹蔵がやってきて、義経を追うための船を出すようにお柳に迫るが、お柳が断ったので二人は暴れだす。 そこへ渡海屋の主人・銀平が帰ってきて、二人をけちょんけちょんに打ちのめす。 この場面での歌六さんと高麗蔵さんの「魚づくし」のセリフ、いろいろなお魚の名前を織り込んで、あーでもないこーでもないと文句を言うのですが、これが軽快で面白い~ ^^ 義経主従をかくまっている「いい人」なのかと思いきや、渡海屋銀平とは世を忍ぶ仮の名、実は壇ノ浦で滅んだはずの新中納言平知盛。そしてさっき散々に叩きのめした相模五郎と入江丹蔵も、義経たちを油断させるためにもぐりこませた知盛の家臣であった。 真っ白な鎧に身を包んだ幽霊姿の知盛。義経主従に親切にするふりをして油断させ、平家一門の仇を討とうと機会を狙っていたのだ。 しかし義経は知盛の策略を見破っており、知盛は散々矢を射られて白い衣装は血だらけ、髪もザンバラのすさまじい姿に。 死力を尽くして戦おうとする知盛に、安徳天皇は自分が守ると義経が約束する。 覚悟を決めた知盛は、碇の綱を身に巻きつけ、大碇とともに自らも海に身を投げて壮絶な最期を遂げる。 実際、義経は都落ちするときに大物浦の辺りで船が難破してるらしいです。 平家の怨霊のせいだと言われたのが、このお話の元になってるんでしょうね~ ここで知盛役の幸四郎さん登場。 平家一門の恨みを背負い、幼い安徳天皇の身を一心に思う武将。 大河ドラマでは阿部ちゃんがこの平家一の勇猛果敢な武将を演じてましたね~ たしかドラマの最期も碇とともに身投げする設定になってましたが、「平家物語」では大鎧を二つ着て浮かんでこないようにして飛び込んだ、とされています。 知盛の「平家物語」における最期の言葉「見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん」というのには、平家一門の栄華を見てきたその目で滅亡の時もすべて見た、もう何もこの世に思い残すことはない、という思いがこめられています。 幸四郎さんの渾身の演技に知盛の思いが乗り移ったような、迫力ある場面でした~ 実は私、大学の国文科でゼミは「平家物語」の研究だったのです♪だから結構思い入れはあるんですよね~ 「道行初音旅」 佐藤四郎兵衛忠信実は源九郎狐 尾上菊五郎 逸見藤太 片岡仁左衛門 静御前 中村 芝翫 重々しい時代物から場面は一転、華やかな舞踊です。 桜満開の吉野山、静御前は忠信と旅をしていますが、どうしたことか忠信がいません。 静が義経から預かった初音の鼓を打ち鳴らすと、どこからか忠信が現れます。 忠信はこの鼓に一方ならぬ愛着を感じているようなのですが、この理由はまた後で・・・ 二人は旅の憂さ晴らしに踊り始める。一面の桜に錦絵のような静と忠信の姿。 忠信が義経からいただいた大鎧を取り出し(といっても舞台用なので五月人形のものみたいに小さいんですけど)、鼓と並べて、静と二人、今度は思い出話に浸る。 (忠信は自分の兄佐藤継信が平教経の矢に貫かれて死んだことなど・これがまた後々への伏線となる) そこへ鎌倉方の追っ手、逸見藤太とその家来が現れ、静御前と鼓を渡すように迫るが、忠信はこれまた散々に蹴散らす。(鳥居前の時と同じですね~) 逸見藤太を仁左衛門さんがやるとは、まさに「ごちそう」ですね~ ^^ こういう役を歌舞伎では『半道敵(はんどうがたき・半分道化で半分敵。鳥居前の笹目忠太もそうです)』というのですが、滑稽な悪人役を、軽妙に嬉々として演じてました。 忠信にやられて負け惜しみを言うところでは、出演されている役者さんのお名前を織り込んだ「役者づくし」のセリフで笑わせてくれました♪ 普段は善か悪かのはっきり分かれた役が多いだけに、面白く、新鮮な感じでしたよ♪ 静御前、ここでは芝翫さんで、福助さんとは親子競演になってます。 暗い場面の後でパッと明るい道行が入り、気持ちも浮き浮きしました。 ここで昼の部は終わり。歌舞伎座を出てすぐ角のプロントに行って、コーヒーとスパゲティで早めの夕食。あったかい食べ物が食べたくなって・・・^^ お店には今舞台を見てきた人、あるいはこれから見に行く人がたくさんいました。 あらすじなども入れたので、昼の部だけでもかなりの字数になってしまいました。 読んでくださった方々はさぞお疲れになったことでしょう~私もちょっと疲れてしまいました(汗) 夜の部も後でUPしますので、もし良かったらお付き合いくださいね^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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