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テーマ:洋楽(3397)
カテゴリ:60年代洋楽
車かなんかのCMでドノヴァンの「Sunshine Superman」が流れていた時には「おろ?」と思ったものだ。 なぜ今ドノヴァン? などと思いつつも、曲と映像がマッチしたCMには妙に感心したりもした。 あれでドノヴァンに興味を持った人って、どのくらいいたのだろうか? ↓つーコトで本題。 スコットランド生まれのシンガーソングライター、ドノヴァン・フィリップス・レイッチのキャリアは「イギリスのボブ・ディラン」と呼ばれるところから始まった。 '46年生まれの彼は、'65年に「Catch The Wind」でデビュー。 同曲はイギリスで4位、アメリカでも23位を記録するヒットとなる。 ヴォーカルや演奏スタイルはもちろん、デニムの帽子をかぶり首からハーモニカをぶらさげるその姿まで、当時のドノヴァンは確かにボブ・ディランそのものだった(この時期、ボブ・ディランの映画『Don't Look Back』にも出演)。 だが、彼の本領は「ディラン・フォロワー」のレッテルを自らはがす事で発揮されることとなる。 先述の曲「Sunshine Superman」がそれだ。 プロデューサー、ミッキー・モストと組んだこの曲は、メルヘン的な世界観、フォーク+サイケ+無国籍リズムが一体となったユニークなポップ・ソングで、'66年に全米1位、全英2位を記録。名実共にドノヴァンの代表作と言える一曲となった。 なおこの曲でギターを弾いているのは、スタジオ・ミュージシャン時代のジミー・ペイジである。 その後もドノヴァンは、「Mellow Yellow」、「There Is A Mountain」、「The Hurdy Gardy Man」などのヒットを連発。 '68年にはビートルズのインド旅行に同行してジョンにギター奏法を教えるなど、60年代音楽を語るに際して欠かせない人物のひとりとなった。 ステージいっぱいに花を飾り、おとぎ話のような歌を歌った彼の姿勢は、ラブ&ピースなその時代にぴったりなものであり、「現実逃避者」と批判されることもあった。 70年代に入ってからは商業的成功と無縁になったというハナシも、彼のキャラや音楽性を考えれば頷けるものだ(ただし今も現役であり、一部での人気は根強い)。 そんなドノヴァンの歌で自分が一番好きなのは「Catch The Wind」である。 ただし、ヒットを記録した'65年のバージョンではない。 '69年発表のベスト盤『Greatest Hits』(上写真)をリリースする際に改めてレコーディングされたリメイク・バージョンの方だ。 オリジナルはボブ・ディラン風の弾き語りだったが、ここではバンドを従えての演奏であり、歌い方も変わっている。 ゆったりとしたコード・ストローク、やわらかで丸みのあるピアノ、包みこむようなコーラスが何とも安らかな気持ちにさせてくれる。 ポップで落ち着きのあるメロディも、じんわりと胸にしみこんでくる。 そして、優しくてどこか浮遊感をたたえたドノヴァンの歌声はとても魅力的。 「風をつかまえる」なんてファンタスティックなフレーズを持つこの曲は、聴いているとそのままメルヘンの世界へ行ってしまいそうな気にもなる素敵なドノヴァン・ソングです(歌詞の内容自体は、メルヘンとは微妙に違うわけだが)。 なお、アメリカで高いセールスを記録した『Greatest Hits』は選曲も的確で、ドノヴァン入門編に最適な一枚と言える。 だが、'99年に発売されたリマスターCDは曲数は増えたものの、「Catch The Wind」と「Colours」の再録バージョンが'65年のオリジナル・バージョンに差し替えられてしまったのが残念。 結果、再録バージョンを手軽に聴けるコンピものは現在は見当たらないのが現状だ。 ゆえに、曲数は若干少ないものの『Donovan's Greatst Hits』を購入するなら旧規格のCDの方をオススメしたい(入手困難?)。 でもそれだと、ジェフ・ベック・グループと共演した名曲「Barabajagal (Love Is Hot)」が聴けないんだよなぁ。。。 とりあえず「Catch The Wind」を聴くにはここをクリック。 もちろん再録バージョンの方。 ベスト盤が気に入ったらオリジナル・アルバムも聴いてみようぜ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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