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ポムブログ~ポム・スフレの名曲大百科

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2008.09.27
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テーマ:洋楽(3353)
カテゴリ:60年代洋楽
10月からはじまるドラマ『流星の絆』の番宣で、デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」が使われていますね。
おろ、ひょっとして主題歌に起用ですか?
これがキッカケでボウイ、平成のお茶の間でブレイク?

…かと思ったら、ドラマの主題歌は嵐の歌う『Beatiful Days』でしたね
まあ、主演が二宮クンやNewsの錦戸クンなだけに妥当なトコロか。

じゃあ何でボウイの曲を使うんだよ、って。
挿入歌か?
つーか、ひょっとして"Ziggy Stardust"にひっかけただけか?
なら、むしろ「Starman」を使えよ、とも思うのだが。
くだらない前フリはこれくらいにして、↓以下本題。


「Space Oddity」は、'69年にリリースされて全英5位を記録した名曲だ。
'64年にデビューしたものの、しばらくは鳴かず飛ばずだったボウイにとっての出世作でもある。
同じ年に発表された同名アルバム(上ジャケット)に収録。
タイトルからも分かる通り、スタンリー・キューブリックの映画に着想を得た作品で、元々はボウイ主演の実験映画『Love You Till Tuesday』の主題歌として作られたものだった。
歌詞は宇宙空間を漂うトム少佐と管制塔の会話という形式で成り立っている。
決して難解ではないが、適度な抽象性と哲学性を持つ内容は、ボウイのアーティスティックな個性を示すものだ。

現在聴けるヴァージョンは、シングル用に改めて録音されたテイクで、アポロ11号が月に降り立つ予定日とされていた7月11日にリリースされている。
実際にアポロ11号が月面着陸したのは7月20日だったのだが、当時のイギリスではそれに合わせて「Space Oddity」がラジオで盛大に流れたという。
'75年には「Changes」とのカップリングで再発もされ、全英1位を記録した。

曲は、ボウイの弾く12弦ギターのコード・ストロークから始まる。
ドラムを叩くのはペンタングルのテリーコックス、メロトロンを弾くのはリック・ウェイクマン
空間的なアコースティック・サウンドとセンチメンタルなメロディが強い印象を残す仕上がりとなっている。

楽曲的にはビージーズの「The New York Mining Disaster 1941」にインスパイアされたというフォーキー・ポップだが、そこはボウイ。
演奏全体にただよう妖気と浮遊感がすでにこの男の非凡さを示している。
特にタメを効かせたブリッジ部分からサビへいたる所などは見事な展開で、吸いこまれるような不思議な快感がある。
サビ部分では、ボウイの歌もさることながら、耽美的なストリングスも聴き所。
これは、プロデューサーであるガス・ダッジョン(エルトン・ジョンを手掛けたことでも有名)の手腕か。
はかなげなその音色は胸に迫るものがあり、ボウイの憂いあるヴォーカルと合わさって、宇宙からひとり地球を見下ろす男の孤独をうまく表現していると思う。
「For here,am I sitting」というくだりの後ろで不安げに鳴る管楽器(ピッコロ?)も効果的だ。

対して、ブレイク部分ではリズミカルなコード・ストロークと手拍子が飛び出す。
ウェットに流れそうな所をキャッチーなアレンジで中和するという作りがウマイなぁ。
かと思えば、間髪をいれずサックスの切ない音色(吹いているのはボウイ)が広がり、曲は二転三転。
複雑でドラマティック、ある意味プログレッシヴな構成ながら、コンパクトなポップ・ソングとしてまとまっている所にこの人の才気がはっきりと表れていますね。

曲は、「地球は青い」「僕が出来ることなんて何もないんだ」というトム少佐の言葉で終わる。
そのまま管制塔への音信は不通になってしまうという結末らしい。
彼は地球へ戻ることなく、そのまま宇宙の中へ消えていったのだ。
事故なのか、それとも自ら"スターダスト"になることを選んだのか。
スペーシーな金属音によるエンディングは、聴き手の様々な憶測を可能にする


……はずだったのだが、11年後のシングル「Ashes To Ashes」('80年)の歌詞の中で、なんとボウイはトム少佐という人物が「ただの麻薬中毒者だった」と歌っている。
これには皆多かれ少かれ驚いた、あるいはヒイたに違いない。「なんじゃそら?ほえーと。
誇るべき自分の過去も、ファンの幸せな幻想も否定したボウイ。
前向きな創作を重んじるこの人らしいといえばそうなのだが、イマジネイティヴな余韻を残すこの曲に、こういう"後日談"はいらなかったと思うけどなぁ犬

まあ、それでも「Space Oddity」が名曲であることには変わりない。
"英国ロック孤高のカリスマ"であるボウイにとって実質的なデビュー作ともいえるこの曲は、発表から四十年たった今もミステリアスな美しさをはなっている。


つーコトで「Space Oddity」を聴くにはここをクリック!
『Love You Till Tuesday』のPVでもある初期バージョンはこちら


※ ポム・スフレのメインHPではデヴィッド・ボウイの名盤『Heroes』について取り上げています。





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Last updated  2008.09.28 06:08:56
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