Nirvana 「Smells Like Teen Spirit」
考えてみれば「Nevermind」(写真)が発表されてからもう15年も経つんだなあ…僕の中ではついこの間のコトのように思えるニルヴァーナも、今やすっかり歴史の一部有名になりすぎた弊害ゆえか、「未だにニルヴァーナが好き、とか言ってるヤツは単なるミーハーか洋楽初心者」とかいう評価も出る始末。え~、どうせワタシはミーハーですよ。洋楽初心者ですよ\(´ー`)/ほっといてよ、プンプン!ま、そーゆーコトで。このアルバムの冒頭を飾る「Smells Like Teen Spirit」は、シングルとしてもトップ10ヒットを記録した、ニルヴァーナの代名詞的なナンバーで、ローリング・ストーン誌の企画「ロック史上の偉大な曲500」でもトップ10に入っている曲である。ボストンの「More Than Feeling」からヒントを得たギターリフ(ピクシーズの曲からの引用という説もある)。病的な吸引力を持つカート・コバーンのボーカル。4つのコードからなるシンプルな楽曲と緊張感溢れるギター・サウンド。何気にキャッチーなベース・ライン。デイヴ・クロールが叩くはちきれんばかりのドラム。そして、ストゥージズやメルヴィンズ、バットホール・サーファーズなどのガレージなロックに憧憬を表す一方で、ビートルズ、アバやボストンなどのポップスも大好きだったというカート・コバーンのセンスが凝縮された曲作り。万人の耳を惹きつけるポップさを持ちながらも、決して甘くなりすぎない、そのメロディのバランス感覚は絶妙だ。インディからメジャーへの移籍に伴って起こるマジック。「大衆性」に針が向いたカートのソング・ライティング。デイヴ・クロールの加入による、バンド・サウンドの飛躍的な向上。「ジェネレーションX」と呼ばれる世代が抱える鬱屈感とのシンクロ。USインディ・シーンへの関心の高まり。…などなど、いくつもの要素はあったが、このアルバムが大ブレイクした最大の理由は、やはりカートの歌声が放つオーラと楽曲そのものの良さだと思う。「音楽的に特別新しい事をやっていたわけではない」「メジャーに行った事で音がキレイにまとめられてしまった」という指摘は当時からあり、それも当たっているが、それでもこのアルバムが当時のシーンに与えた衝撃は大きかったし、90年代以降のロックに与えた影響が絶大だった事も疑いのない事実なのだ。成功によるプレッシャーから、ドラッグに溺れ精神的にも追い詰められたカート・コバーンは、'94年に猟銃自殺(他殺説も強く囁かれている)をしてしまう。そのあまりにも悲劇的な(出来すぎた?)結末によって、バンドも音楽自体も過大評価されてしまった感は否めないが、やはり本作が名盤である事は今も変わらない事実だと思う。もしカートがあのまま生きていたら…なんてムダなコトを考える気はさらさらないが、この作品をリアルタイムで体験できた僕は、ロック・ファンとしてはちょっとばかし幸せだったかもしれない。皮肉に満ちたこのジャケット…オレの青春だなあ…つーコトでここをクリックして、オレと一緒に「Smells Like Teen Spirit」を聴こうぜ!Hello, hello, hello, how low?