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カテゴリ:ヒトの日常
「おじいちゃん、まだいるかな?」
パーキングに車を停め、足早に行きつけの八百屋さんに向かった。 午後には、若い店員さん達にお店を任せ、帰ってしまう八百屋の おじいちゃん。 最近、なかなかお会いできない。 "Hello! How are you today?" おじいちゃん、まだいた。 "Hello! How have you been?" うんうん、サルバトーレくん(店員さん)も久しぶり♪ いつものように返事をしない私に首をかしげるサルバトーレくん。 バッグからノートとペンを取り出そうとしている私。 「彼女は歯科医に通っているから、今、話せないんだよ。」 おじいちゃんがサルバトーレくんに言った。 おじいちゃん、覚えていてくれたのね! いつものように、カゴに野菜や果物を入れ、レジの近くにある 生花スタンドの前に。 他のお客さんの邪魔にならないように、脇にカゴを置き、 花を選び始めた。 今日はお店の前の歩道にもずらりと花が並べられていた。 スイセンのいい香♪ 歩道に並べられた色とりどりのクロッカスの前で悩んでいたら、 おじいちゃんが寄ってきて、そっと言った。 「3束で○ドルにしとくから、心配しないで選びなさい。」 母の日、白い花ばかりを選んだ。 「今日は白い花ばかりだね。」 「祖母のために・・・」 「おばあちゃんも一緒に来ているの?」 「彼女は・・・にいるんです。」 私は上のほうを指差した。 おじいちゃんは、私が祖母の為に花を生けることも、ちゃんと 覚えていてくれる。 リビング用に黄色&白いクロッカス、祖母には彼女が好きだった ピンク色のクロッカスを選び、カゴを取りに行くと、既に袋に 詰められていた。 「花は全部で○ドルだからね。」 おじいちゃんの言葉に頷きながら、レジを打つサルバトーレくん。 他のお客さんのレジを打ちながら、何度もこちらを心配そうに 振り返るおじいちゃん。 私が財布におつりを入れていると、サルバトーレくんは 生花スタンドの中から黄色のガーべラを1束取り出し、私が 選んだ花と一緒に包んでくれた。 ノートに大きく"Thank you !" と書いた。 そして、"See you later!" と言う代わりに、笑顔でちょっと 手をあげた。 以前、事情を話し、挨拶も出来なくなることを詫びたら、 「そんなこと気にしないでいいわよ~」といつもの素敵な 笑顔で答えてくれたパン屋の奥さん。 そして、八百屋のおじいちゃんにサルバトーレくん。 陽だまりのように温かな人達。 「まだまだデロンちゃん(ヒーター)とはお付き合いしなきゃ」 「お姉ちゃん、そんなにくっついたら危ないですっ!」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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