真理の御霊 （三輪山より）

多くのことを、教え導き、誘(いざな)い、養いし恩、与えし恵み、授けし慈愛、

全てのことをいまさら思うに、時は少なし。嘆きて嘆きえず、惜しみて惜しみ

えず。神の恩愛、思いを致せば、遥かに高き山よりも、遥けく広き海よりも、

さらに高くてさらに広く、厚く、深く、永く、尊く。

地球人類、全ての生物、星も、宇宙も、生命なり。己の意思持ち、魂持ち、

己の愛持ち、家族持つ。なれば、人間のみが外れて生きるは、許されず。

神は人に、最も多くの恵みを与え、慈愛を注ぎて育てたり。

さにて人類発達し、進化し、繁栄栄華を楽しみ、やがては他の生命までをも、

己の勝手な願望、利欲にて、侵し傷つけ、侵略せり。なれば地球の調和も乱れ、

宇宙の運行妨げられ、いつか累は全てを狂わし、神の経綸そのものも、

始めに返すことすら難く、ついに神の決意固まりぬ。

畏(おそ)れぬ者は火に焼かれなん。直さぬ者は、滅ぼされん。改めざらば、

尚、続けられん。神の戒(いまし)め、諌(いさ)めの業火(ごうか)は。 

己の汚れを慎み悔いよ。神は知りたし、思いたし。人の御魂の真の姿を。

さにて救いて、再び始めの、無垢なる魂に返したし。神は日々、飽くことなく、

人の平和を、繁栄を、さらなる向上、進歩発展、人の努力と精進を、祈り望みて、

見守らる。人の全ての幸せを、叶え、満たして救いたし。なれど適わぬ、

人の全てを、今の魂、汚れのままでは。よくよく励みて、尚足らぬ。

汚れの全てを浄めゆくには、人の一生、全生命を、賭しても足らざる、尚、

及ばざる。人の一生短ければ、全ての曇り汚れは永く、遠き昔の神世より、

積み越し来たるを、浄め尽くせぬ。一人の思いの純粋なれど、さにても及ばぬ、

溜りし汚れを、浄め、禊ぐに、尚少なし。 

一人一人の結集が、協力団結必要なり。心を合わせて、祈りを合わせ、知恵を

集めて、力を結べよ。弱く儚き命なれど、一人が二人、十人百人、やがては千人

万人へと、時空を超えて集まらば、やがて見えざる波動が生まれ、見えざる力を

発揮せん。己の現世のみならず、次なる世代、子孫まで、波動は続きて広がらん。

力を信じよ。無限を信じよ。不可能なければ、恐るることなし。

必ず変わらん、救われん。それのみ信じよ、神はあり。神は現れ、奇跡を見せん。

人には奇跡に映ろうと、全ては神の定めし原理。神の行う全てが真実。 

人の愚かな人知学問。さにては測れぬ、普遍の真理。宇宙を動かす恒久無辺の、

神の真理を疑うなかれ。神は人を救い給う。人の未来を指し示さん。

人の行くべき明日を見せん。明日になすべき行を見せ、今日ある命に感謝させ、

宇宙の原理に調和して、生きる喜ぶ心を育てん。神は真の救済を、真の魂の

導きを、始めんとせり。人は素直に敬虔におごりを捨てよ。我(が)を落とせ。

強き執着、弱き意志、改めなおせよ、矯(た)め正せ。何をためらい、遅れ

ようか。神の慈愛に応えて示せよ、己の誠、一途な思いを。

深く淀みて、濁りたる、河の流れは遅かれど、呑まず渡れよ、己の力で。

光は示され、導かん。彼方の岸に辿り着くよう。溺れず迷わず、流されぬよう。

神は光を捧げ示さん。漂い泳ぐ人の御魂に。己の運命切り拓かんと、

流れに逆らい、挑む御魂に。過ち渡りて、戻れぬ河の、岸にたたずむ迷える魂よ。

神は哀れみ、手を差し伸べん。再び渡れよ、逆流なれども。途中で疲れ、

力尽きても、恐れず進めよ、他に術(すべ)なし。さにて闘い、力を果たし、

流れに任せて、流されて、溺れ沈むも一つの生なり。なれど神は救い賜う。

己の過ち、罪を詫び、汚れを禊ぐをためらわず、さにて終わる生ならば。

流れに安んじ、任すも人生、流れに抗い、挑むも人生。いずれの生にもみ役あり。

一つ一つの生き方に、適うる霊行、神は課さるる。己の我欲の強からば、

流れも速くは激しからん。己の執着弱からば、流れは静かに穏やかならん。

なれどそれぞれ運命なり。この世に生まれ、生を享(う)け、死にゆくまでに

なすべきことを、悟りて行い、残すなく、果たして帰らば、それにてよかれ。

流れに表る、人の性(さが)。人皆同じ河なれど、いずこを選び渡るのか。

永き河なれ、千差万別。神は人を救わんために、光を示し、道を導く。

過ち進むを避け得るよう、能(あた)う限り苦しまぬよう、楽で平坦なるを

示さるる。なれど、自ら遠ざかり、あえて険しき坂を選り、苦しみあえぐを

好む者あり。あるいはさらに楽せんと、己の浅はか、道を外れて、返りて

寄り道迷い道。遠回りして時を無駄にす。

誠の賢者、勝利者は、愚かで愚直な、欲のない、与えられたる道のみを、

ただひたすらに歩む者。他を顧みず、脇見せず、己の前の道のみを、

あまり遠くを見やることなく、過ぎ来し過去を振り返るなく。ただ今のみを、

目の前のみを、無心の中にて進む者。 神は人を作り賜いし。さなる賢く

正直なるを。無欲なまでに多くを望まず、満ち足ることをよく知りて、

同じに飽きず、繰り返すを耐え、鈍感なまでに不平を持たず、なれど、

感謝の厚き、神の愛でたる人たれよ。 

いかに優秀、成功すれど、人を貶(おとし)め、己のみなる繁栄、栄華を

極めし者は、いずれも魂汚れを持ちて、神は禊ぎて、浄めんとする。

さなる魂の者は、神に感謝の思いも薄く、己尊し、偉し、賢(かしこ)し、

人より優るる才と過つ。なれど許さず、さなる過ち。神の与えし魂なくば、

人は生き得ず、生もなし。神の計りし仕組みのなくば、人は成功、繁栄もなし。

なれば、人よ、敬虔に謙虚に祈れよ。感謝捧げよ。神に勝れる何を持つ。

神に与えられ、分けられ、授かり、さにて生きるを。何を競いて、勝たんと

力む。始めに神に作られて、全てを神に教えられ、ようやくにして人たるを。

さなくば人も動物ならずや。 人よ、畏(おそ)れよ、畏怖(いふ)を知れ。

この世の神秘を、真理の深さを。神に預けて、何を恥じよう。始めに戻れよ、

元の姿に。神の慈愛に守られし、無力無能の生命なりき。神は人を慈しまる。

慈愛の全てを傾けて、人を導き、育み与う。神の慈愛に委ねよ、素直に。

人とは弱く、もろき者。神の慈愛の守護なくば、生きることさえ適わぬ生命。

この世の真理を、原理を知らば、人は悟らん、己の小ささ、宇宙のゴミなり、

埃(ほこり)なり。瞬時に消えて何も残らぬ。神は教えん。常永久に。

変わらぬ愛の深さを持ちて。伝え続けん、全ての真理を、余すとこなく人に

残さん。神の心を伝え残せよ。後なる人はさらに知らん。神の実在、宇宙の

不思議を。

神の声を伝える人
ひふみともこ　著書　「神から人へ（下）」より抜粋
ひふみともこさんＨＰ
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