テレビ東京系ドラマ『ロケットボーイズ』が福岡でも最終回を迎えた。

この番組で僕の人生初にして、ドラマにとっては大変重要な任務、
「オープニングアニメーションの作画＆番組ロゴ制作」をさせていただきました！
一緒に流れる歌は、ビアンコネロの『NAINO?』。･･･なんだこの素敵すぎるお仕事はー！

いつもお世話になりっぱなしのボス、Y氏から去年のコミックのお仕事に続き、
またしても鼻血モンの大仕事を任せていただきました。
貴重体験すぎて死ぬ。


小中学生の頃はもれなく教科書の4角にパラパラ漫画描いて遊んでたやつでして。
国語とか社会とか、厚めのやつがよかったね。パラパラし甲斐があって。
その頃は『北斗の拳』全盛期だったこともあり、丸と線で描かれた眉毛の太い人が「アタタタター！」ってして、モヒカンの敵が「ひでぶ」とか「あべし」とかなるような・・・そんなの。（説明力ゼロ）

アニメーション、っちゅーかパラパラ歴はそんくらいなもん。ですよね。大体が。


でもまぁアニメと言っても、実際の役者さん達がわいわいやってる脇でちょこまか味付けの意味で入るぐらいだろうなーと高を括っていたところ･･･
制作のディレクターさんから「オープニング55秒、フルアニメーションでいきます！」と。
うれしおそろし！！

55秒って、教科書何冊分ですか・・・何パラパラですか･･･


数話分のシナリオと出演者の写真をいただきキャラ設定画を作成。
カジシン、ゴタンダ、ドラゴン、彩子、大先生、茉莉、翔さん･･･

次に頭をひねりコンテを詰めて詰めて、四の五の言う暇なく作画に取り掛かる。


画面サイズの比率に合わせて断裁したコピー用紙800枚用意。
そんなにいらんやろうけどね！予備予備。
ヤフオクでトレース台を落札。必要やろうからねコレ。
高いなしかし。届いた。うん、いい感じの戦力になってくれそう。


よし、準備万端。描きまくれっっ！



・・・


・・・・・・


む、むむむむずかしいんですけど・・・！



コンテでは漫画のように場面場面を切り取って描いてたので気付きにくかった。落とし穴。
「動かす」というのがこんなに頭を使うとは。予想越えすぎ。ジブリとか凄すぎ。

丸や線で描いた人間なら多少いい加減に描いても動いて見えるんやけど、
きちんと描けば描くほどつじつまが合わなくなったり違和感が生じたりする。

走ったり飛んだり跳ねたり転んだり着地したり・・・
一人部屋の中で実際にやってみたりしながら

「足の位置はこうで足首の角度はこうか・・・で、この時こっちの手がこうなって・・・」

「こう、力を溜めて・・・ここはゆっくりで・・・そしてビュッと素早く！」

「慣性の法則ってどんなんっけ？」


もうね、誰かに見られようもんなら赤面必至のドタバタ劇ですよ。


「多少カクカク感があっても味があっていいと思うから、そんなに動きを追い込まなくてもいいですよ～」って、ディレクターさんからの優しいお言葉をいただいてたんだけど・・・
省略の仕方もわからない。

省略の仕方を考えるよりも全部描いてしまった方が早いと踏んで、編集スタッフさんの苦労も顧みずに描きまくりんぐ。ごめんなさい・・・


最終的に作画枚数は500枚。試し描きや動きのテストで使った紙含め、800枚ほぼ使用･･･
締め切りにもなんとかギリギリアウト気味でセーフ！！！

スタッフさんには多大なる尽力をしていただき、助けていただきながらも、かくして素敵なオープニングが完成しました。

数日後送っていただいた完成版のビデオテープを見て、感涙モノでしたよ。
苦労なんか一発で吹っ飛びます。素晴らしく仕上げていただいて、ほんとありがとうございました。



ドラマもとても面白く、12週間欠かさずテレビの前に座ってかじりついておりました。
DVDにならんかな～。

最終回を迎え寂しい思いもあるけれども、このドラマに関われたこと、貴重な体験をさせていただけたこと、本当に感謝です。

またこのメンバーで面白い企みがあったら、参加させていただきたいです。