義父の乱心 その2
1/21妻と義父、義母の3人はしばらくして、部屋から出てきた。妻に「お義父さんは、納得したん」と聞くと、「わからんけど、おちついたみたい」と言っていた。義父は風呂に入った。時間も遅くなってきたので、私は部屋に帰って寝ることにした。妻もすでに布団に入っている。すると、風呂から上がった義父が子供たちのいる居間に入っていった。心配になった私は妻に「ちょっと見てきてくれ。また、子供たちに何かいっていたら、かわいそうだから」と妻を見にいかせた。そのときは、特に何もなく一緒にテレビを見ていただけということであった。それから20~30分して、子供が自分の部屋に帰った直後から義父の様子が変わり始めた。階段をドスドスと大きな音を立てながらあがったと思うと、夜中にもかかわらず、大きな声で詩吟を謡い始めた。それが、おわると、部屋のふすまを、バシャンと大きな音を立ててあけたりしめたり、また、階段を頻繁に上がったり、下がったりしながら大声で今度は歌を歌い始める。このあたりで、妻になんとかした方がいいのでは、とフォローしにいかせた。どうもかなり酔っているようだ。早く寝させようと、部屋の布団に入れたらしい。しかし、しばらくすると、部屋の机をバンとたたくと大暴れをし始めた。そして、大声で怒鳴り始める。妻と義母がとりなそうと、部屋に入ると机をたたきながら、大声で泣き始めた。「俺の30年はなんだったんだ。くそ!俺の気持ちがわかるか!」30年というのは、どんな意味なのかよくわからないが、とにかく取り乱している。それが終わると、また、大声で歌ったりどなったり。そして、「ひとつの家に男は2人もいらんのや。くそ!」と怒鳴っている。ここで、ああ、私のことで怒っているんだなということは、はっきりとわかった。しばらく、そんな状態が続いたのだが、義母がなんとかとりなしたようで、3時頃にようやく静かになった。次の日、妻に、「俺に早く出て行ってほしいようなので、いつでも出ていきますよ」と聞いてくれと、いった。妻は「かなり酔っていたから。この件で、自分だけのけ者にされているような気になったみたい」と乱心の原因をいっていた。どうも妻の両親と妻の3人は全く連携が取れていないようで、連携が取れているのは、何か悪いことがあれば、すべて私が原因ということだけのようである。多少やりきれない思いはあるが、それ以上に心配なのは、我々が家を出たあと、この家は大丈夫なのかということである。妻に「あんたら3人で暮らして大丈夫なん?それぞれが完全にバラバラやん?」と聞くと「子供が遊びにきてくれへんかったら、大丈夫と違うかもしれん」といっている。本当に心配なものである。その日、妻からメールがあり、「お父さんと話をしました。家が決まってから出て行くのならまだしも、まだ、決まっていない段階で出る必要はない」とのことでした。こどもたちのことを考えると、私一人がこの家を出て行くというのはあまりよくないかもしれないので、家が決まるまではこのままでいることにした。家は、ようやく候補が決まり、あとは、ローン関係の書類をそろえて銀行に出すところまできている。しかし、不動産屋に聞くところによるとまだ1ヶ月程度は必要だろうとのことなので、この間、平和に暮らせることを祈りたい。