カテゴリ:kill time
朝の散歩道。
稲の刈り取りを前に、畦道の下草刈りが随所で行われるようになり、 刈りたての丸坊主、緑ver.みたいで何とも愛らしい。 以前、都内の会社に勤めていた頃、 大阪出張の帰りに和歌山まで足を伸ばしたことがある。 一定のリズムを刻む電車に揺られて、 うたた寝からふと顔を上げた瞬間に、 段々畑のエッジを彩る曼珠沙華の赤に惹き込まれた。 もうすぐ暮れ始める光線が差し込む車窓から見る 色づく稲の金色と赤との対比は くらくらする程美しく眩しいものだった。 そこに狐の嫁入りご一行様が現れても、 ”タイミングばっちり”くらいにしか思わなかったのだろうな。 畦道に多いのは、球根に含まれるリコリンという毒性を活用して、 ネズミやモグラが穴を開けないように植えたものなのだそうで、 至極実用的なものなのだけれど、 稲の刈り採り期直前に下草刈りを行い、 やがてそこから伸びてくる”彼女たち”が際だつように しているのだとも聞いたことがある。 ”自然”だと捉えがちな里山や田畑のある風景は、 人間の生活が介在してこそ保たれていて、 四季の美しさを織りなしている。 譲りたくない美意識、ありますか? 曼珠沙華→本名:彼岸花/別名:狐のかんざし お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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