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カテゴリ:郷土
貝殻節は、砂丘の裾に湧く温泉浜村に伝わる海の代表的な民謡である。いつごろ誕生した唄なのか定かではないが、漁夫の作業唄として古くから根付いていた唄である。 くる日も、くる日もジョレン(馬鍬用の漁具)に網をつけた舟で底曳きする櫓こぎは実につらい重労働であった。しかも、そうした日々の単調さと過労に耐えねばならなかった漁夫たちの魂をゆすぶって愛誦され伝承されただけに、この唄には海の豪快さとともに哀調切々たるメロディがあり、日本海の潮の香りと彼らの生活が唄全体にあふれている。 引用サイト:鳥取市 こちら 貝殻節 再生 こちら 民謡クルセイダーズ「貝殻節」ライブ こちら 貝殻節全国大会 こちら 《貝殻節》の変遷 年 内容 767(神護景雲元)頃 遣唐使として唐に渡った吉備真備が帰国途中に遭難して賀露沖の鳥ヶ島へ漂着したのを、賀露の住民たちが船で賀露の浜まで救助したという故事がある。救助の際の掛け声が「ホーエンヤ…」であったといわれる。→《ホーエンヤ節》 777(宝亀8) 吉備真備の神霊を賀露神社の御祭神としてお祀りする。 1823(文政6) 大量に採れた板屋貝を青谷町の山田与五郎が食用にすることを考え、船頭中浜安兵衛と共に乾貝を作り、長崎に売った。さらには、中国へも輸出した。 1824(文政7) 十万斤の乾燥貝柱を輸出。舟子達が艪を押しながらうたったのが《貝殻節》と考えられる。 1834(天保5) 板屋貝、大量発生 1836(天保7)~ 1837(天保8) 年間六十万斤の乾燥貝柱を輸出 1871(明治4) 板屋貝、大量発生 1877(明治10) 「カイガラ年」(板屋貝、大量発生) 1888(明治21)~ 1889(明治22) 「カイガラ年」 1901(明治34) 「カイガラ年」 1925(大正14) 「カイガラ年」 賀露には、多くの加工場があり、作業後の貝殻が大量に捨てられ、これらを埋め立てて「貝殻屋敷」と呼ばれる住宅がつくられる。 1928(昭和3) 昭和天皇の即位御大典奉祝記念に、浜村温泉の青年有志により、男踊り(芸妓の松吉、振付) 1929(昭和4) 「カイガラ年」、この年を最後に板屋貝は採れなくなり、《貝殻節》も廃れてしまった。 1932(昭和7) 松江放送局から《泊貝殻節》がラジオに流れる(開局特番)。 1933(昭和8) 三上留吉(鳥取県師範学校附属小学校、1897-1962)が《貝殻節》の採譜を行い、《新民謡 貝殻節》とし、浜村温泉の宣伝歌としてコロムビアからSPレコードを出す。 松江放送局から《新民謡 貝殻節》がラジオに流れる。さらに大阪中央放送局から全国へ放送される。 1936(昭和11) 《新民謡 貝殻節》テイチクSPレコード 1952(昭和27) 「朝日放送民謡大会」において《貝殻節》が第一位となり、全国的にも定着する 1955(昭和30) ビクターから、鈴木正夫(初代、1900-61)が唄う《貝殻節》のSPレコードが発売される。 黒田幸子(1916-97)の《貝殻節》のSPレコード 1963(昭和38)頃 「鳥取民謡協会」発足。創始者は賀露の浜沢長三郎(1909-76)。浜沢は民謡教室を開く。 1966(昭和41) 浜沢長三郎が《元唄貝殻節》を賀露の自宅で録音。 1967(昭和42) 「全国民謡名人大会」が鳥取市民会館にて開催。 1971(昭和46) 「七夕祭り」から「貝がら節祭り」に改名。 1973(昭和48) 「泊貝がら節保存会」発足。 1976(昭和51) 浜沢長三郎の死去の追善興行のため、「全国民謡名人大会」が鳥取市民会館において開催。 1978(昭和53) 1966年に録音された浜沢長三郎が唄う《元唄貝殻節》がNHK第一放送からラジオに流れる。 1983(昭和58) 「賀露町伝承芸能保存会」発足。 1987(昭和62) 鈴木成弘編曲、梅津洋子振付によるポップス調の《新曲 貝がら節》が出され、「貝がら節祭り」でも用いられる。 1989(平成元) 「浜村温泉貝がら節保存会」再発足。 1993(平成5) 韓国映画「炎の太陽」の初の鳥取ロケ →《ハングル版・貝がら節》 1999(平成11) 「貝がら節ニューバージョンコンテスト」が開催され、29曲の応募があり、6曲が選考された。 2005(平成17) 「青谷元唄貝がら節保存会」発足(賀露の浜沢長三郎が昭和30年後期から唄い出だした唄に、青谷の人が昔、子供の頃の記憶で、一部修正して復元)。 引用サイト:鳥取大学 こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.07.04 09:00:15
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