全て
| カテゴリ未分類
| 2002
| 2003
| 2004
| 2005
| 2006
| 2007
| アーカイブス
| 2022
| 2021
| 2023
| まちづくり
| 教育
| 宙(そら)学入門
| 郷土
| 生命
| ランドスケープ
| 環境
| 政経
| 文化
| 科学
| ものづくり
| スクラップ
| 建築
| 土木
| デジタル
| 私見
| スポーツ
カテゴリ:科学
琉球大学理学部・久保田康裕教授の研究チームは、生物多様性ビッグデータを分析して、“ダーウインの難題”と呼ばれる外来生物侵入の仕組みを解明しました。
研究チームは、世界の生物多様性ホットスポットの1つである日本を舞台にして、外来植物と在来植物の分布を地図化し、外来植物の侵入を決定している要因を検証しました。その結果、日本国内の外来植物の侵入・定着には、外来種の原産地、人為かく乱、在来植物群集の空きニッチが関係していることが明らかになりました。 図1:日本に侵入した外来植物の原産地 図2:日本に侵入した外来植物種数の地図。赤い地域ほど、外来種の多いエリアであることを示す 図3:生態学ニッチの2面性を元に「ダーウィンの難題」を和解 外来種ホットスポットを指標にして、地域的な侵入のしやすさを考えると、外来種の侵入可能性は、外来種の生物地理学的な由来(原産地)と、在来植物群集の構造、物理的環境要因(気候、地形、土壌) の組み合わせで、決定されていることが明らかでした。 これらの結果からは、今後の温暖化によって、熱帯由来の外来植物が日本の北部地域へ分布拡大すること、あるいは、都市化による土地改変が外来種の由来とは無関係に生物学的侵入を加速させることが、予想されました。 引用サイト:琉球大学 こちら 言葉の森:ダーウィンの難題 外来種は、どのようにして、どんなところに入り込んでいくのでしょうか。『種の起源』でも考察されている「ダーウィンの難題」と呼ばれる問題があるそうです。 在来種は、その土地に適応した種だと考えられます。だから生き残っているのです。したがって、「外来種がよその土地で成功するには、そこで特によく適応した在来種と似通った特性を有している場合(①)」だと予想されます。 ところが、ダーウィンは、アメリカの植物の一覧を見ているうちに、あることに気が付きます。「在来種と似ていない外来種ほど競争に有利になる(②)」のではないかと。 ①と②は矛盾しています。ダーウィンは、この矛盾の解決を後世の研究者に委ねると言い残したそうです。 今年6月、琉球大学の研究チームは、「生物多様性ビッグデータ」を使いこの矛盾を解決したと発表しました。日本各地に根付いた外来の種子植物(1094種)と在来種子植物(4664種)の分布、外来種のそれぞれの原産地、外来種と在来種の遺伝的距離を分析しました。 すると外来種が根付くパターンは、大きく分けてふたつあったそうです。 ひとつは、気候や土壌が似通っている原産地から来た在来種に近縁な外来種(a)。もう一つは、競合する在来種がいない在来種と遠縁の外来種(b)です。 aはダーウィンの①、bは②に対応することが分かります。人口密度や土地の改変具合など人為的な影響も関係していることがわかりました。 ・・・・ 私たち人類は、うっかりにせよ、わざとにせよ、様々な動物や植物、昆虫、菌類など多くの生き物を地球上のあちこちに連れまわしています。新型コロナウイルスも同様です。人類が接着剤となり、以前は離れ離れだった生き物の世界を一つにしてしまったと言われます。この状態を指して「仮想大陸 ニュー・パンゲア」と呼ばれることがあります。 「パンゲア」とは、2億5000万~2億年年前頃に存在したすべての大陸が一つになった超大陸です。地続きであれば、どこへでも移動することが出来たはずです。 そして、海洋開発技術研究所の研究によると、2億5000万年後には、再び超大陸が形成されるそうです。人類は、生き物の方を活発に動かすことで、超大陸の状態をつくってしまったのです。 現在、人類が生物の大量絶滅を引き起こしている、という説があります。事実、私たちの祖先は、大型の陸生動物の大半を狩りで絶滅させました。氷で覆われていない地面の3/4を変えてしまい、そこにいた動植物が棲みにくい場にしてしまいました。鳥類の13%、哺乳類の26%、サボテン類の33%、造礁サンゴの33%、両生類の42%の種が何らかの形で脅威にさらされていると言われます。 その一方で、世界のほとんどのすべての国と島で、植物の種は増加しているそうです。人類がやってくる前に比べて20~100%多い植物種が野生状態で生育している、とのデータもあるようです。過去の100倍のスピードで新種の植物が生まれているとの推計もあるそうです。 いったん植物の多様性が確保されれば、植物をエサにする動物の多様性、そして草食動物を食べる動物の多様性が追い付いてくると考えられます。新型コロナウイルス流行と変異からは、菌類や微生物の多様性の増加でも同じことが起こっているはずだと類推されます。 引用サイト:こちら 関連サイト:新種発見ラッシュ!巨大植物属の多様性、さらに拡大 こちら 関連サイト:生物多様性の深刻な危機、絶滅危機種が4万種超に こちら 絶滅危機種(CR、EN、VU選定種の合計)の推移(IUCN REDLISTを基にWWF作成) © WWF-Thailand 東南アジアで取り組んでいる、森林保全に配慮した持続可能な天然ゴムの生産支援。サステイナビリティーの実現はWWFの環境保全活動にとって、最も重要なテーマの一つです。 生物多様性 関連日記:2024.09.01の日記 絶滅種保護・トキ こちら 関連日記:2022.08.19の日記 生物多様性の価値 こちら 関連日記:2024.07.21の日記 生物多様性 経済学 こちら 関連日記:2024.08.07の日記 世界の土壌 こちら 関連日記:2023.06.25の日記 生物多様性条約 こちら 関連日記:2022.08.10の日記 身近な外来植物 こちら 関連日記:2024.05.31の日記 交雑オオサンショウウオ こちら 追記 0903 奄美大島 マングース根絶宣言 環境省 【速報】奄美大島でマングース根絶を宣言…ハブ対策として導入もハブではなく在来種を捕食 3万匹以上を駆除することに © FNNプライムオンライン 鹿児島県奄美大島で駆除が続けられていた特定外来生物「フイリマングース」について、環境省が3日、根絶を宣言した。 マングースは1979年にハブ対策として期待され、奄美大島に約30匹が導入されたが、日中に活動するマングースは夜行性のハブと活動時間が異なったためほとんど捕食することはなかった。 一方で、特別天然記念物の「アマミノクロウサギ」など在来種を襲い、2001年頃のアマミノクロウサギの数はマングース導入前と比べ、2割程度まで落ち込んでいた。 マングースは2000年のピーク時には1万匹が生息していた。 環境省は2005年に捕獲集団「マングースバスターズ」を結成して、本格的な駆除活動を開始。 捕獲数は3万2000匹を超え、2018年を最後に捕獲数はゼロとなっていた。 環境省は、長期間定着したマングースの根絶事例としては世界最大規模の駆除に成功したとしている。 ※写真提供:環境省 引用サイト:こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.09.22 11:24:38
コメント(0) | コメントを書く
[科学] カテゴリの最新記事
|