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カテゴリ:たびゆき(旅行)
昨日の夕方、エアーメールが届きました。
下手くそな英語で、うちの住所と名前が書かれてあり、小さな「air mail」のシールがべたべたと8枚も貼ってありました。 なんだろう?誰からだろう? 送り主が書いてないけど、切手がエリザベス女王なので、多分この間旅行したイギリスからと判断しました。 イギリスに住む従姉は、私たちの旅行の後、日本に暫く滞在しており、今週は多分日本からイギリスへの帰国の移動途中なはずなので、手紙がイギリスから届くはずもなく、従姉からでもなさそうです。 じゃ、従姉の子どもからうちの子への手紙か、と勝手に思いこみ、宛先が私だったのでとりあえず封を切りました。 出てきたのは、数枚の写真でした。 思わず、笑ってしまいました。 イギリス旅行の弐日目の朝、市内観光のバスに乗るために、ホテルから地下鉄に乗り、ピカデリーサーカスという駅に着きました。地上に出るとそこはエロスの像がある広場でした。 時間もあったので、ぼちぼち写真を撮ってましたが、そこへ初老のカメラを持った男性が近づいてきて「どこから来ましたか?写真を撮ってあげますよ。」と話しかけてきました。 親しげに、持っている手帳を見せてくれ、その中には多くの観光客のカップルの写真が挟まっており、「自分は実はプロのカメラマンだが、思い出の写真を撮ってお金をもらっている。1枚2ポンドだが、どうだろう?」と、二人が一緒に写る方法のない外国人観光客相手のチープな商売してるようなはなしっぷりでした。 2,3の会話のあと、今度はハガキの半分くらいのメモの束を取り出しました。一枚一枚にいろんなヒトの住所がびっしりと書かれてあります。 日本人らしい住所もありました。 「写した写真は、10日くらいで日本に郵送するから、ココに住所と名前を書いてくれ。必ず送るから安心してくれ。」とごり押ししてきました。 2ポンドならそんなに高くもないし、送ってくれるならありがたいと素直に信じ、メモ用紙に住所と名前と郵便番号を書き、写真を写してもらうことにしました。 「じゃ、撮るよ。はい、にっこり笑って。はい、少し斜め上見て。はい、もう一枚」 全部で5回、シャッターを切りました。「5枚撮ったから10ポンドね」 一瞬、そうか、1枚2ポンドか…10ポンドは高いなあと思いましたが、こちらが詳細を聞き取れなかったわけで、しょうがないと思い、10ポンド払いました。 「サービスにあと2枚撮ってあげるよ。パシャパシャ。それじゃ良い旅を」 あとで、よく考えてみると「ん、ひょっとしてだまされたか?」と思い、従姉に聞いたところ、「うーん、どうだろうね、もしそうだとしてもチャリティだと思えばいいんじゃない?」と、肯定も否定もしませんでした。 ガイドブックにも、写真を撮ってお金を取る詐欺まがいの行為が各観光名所であるから気をつけて、とあります。 「しょうがないか、苦いけど、これも思い出なり」と、帰国して1ヶ月と10日。 まさか、届くと思ってなかった写真が束で届きました。 やや、緊張しておどおどした私たちがぎこちない笑顔で写っています。うち、一枚は少し緊張がほぐれて写ってます。10ポンド払った後の写真でしょう。 プロだと言いながら、写真の端っこに指が写ってるのはご愛敬ですが、初めて会った外国人から笑顔を引き出す技術はプロでした。 夕べは、ワタシが書いた住所メモが直接貼られ、はげないように「air mail」のシールでべたべたと補強した封筒を見ながら、ヒトを信じきることが出来なかったジブンと出会うことができました。 ジブンのとった行動を信じれば、それでよかっただけのことなんですけどね。 情報や猜疑心に負けてしまってましたよ。 ピカデリーサーカスの写真写すの下手くそなおっちゃん、いつまでもお元気で~。 ありがと~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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