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カテゴリ:映画
日本映画のカット割りは、やはりもっさり。
ここ、金かけてますってとこを長マワシにしすぎ。 映画見る方は城が燃えようが、3万人エキストラ集めようが、物語上1,2秒で済むところを長く見せられるのは苦痛です。映画なのに、スポンサーのCM見せられてるようで苦痛です。 そこが、ハリウッドとかの目まぐるしいテンポに勝てないところです。エヴァのオープニングくらいめちゃくちゃに、カット割ってもらえればいいのに、と思います。 そういうこと赦す破天荒な日本のスポンサー求む。 で、相棒。 大画面で見る必要無しかな、と思いましたが、1000円デーの日曜でしたので、行っちゃいました。 チェスを使うくだりや、謎解きが階層化されており、はらはらするとこなんかは、脚本がよく練られてます。でも、ところどころ甘い部分がありました。 基本的に、映画産業のわるいとこですが、年間に制作する映画の本数が決まってしまっており、映画会社に関連する俳優がそれぞれ年間当たり「何分」出演させなくてはならない、みたいな「出演時間」の縛りがあからさまにでてしまいます。 なので、「主役と脇役」と「エキストラ」という図式で脚本を組むしかなく、本来リアルさとか迫真を求める際に、その中間的なヒトの動きが必要な場合があっても、時間を割り当てられないとか、出演料がもーない、とかの理由で、妙に紙芝居的な内容になっちまう。 例えば、超深海の基地の中とか、閉じ込められたトンネルの中とか、極限状況下という設定であれば、登場人物も少なく、また、心理描写を徹底的に描くことができ、逆にリアルさを追求できるんですが、今回みたいな「不特定多数が出演せざるをえない」内容の脚本だと「ちゅーくらい」の俳優を沢山出さないと、ダメだと思うんです。 登場する鑑識が一人ちうのもアレなのであと3,4人。マラソンの大会実行委員会関係者が誰も登場しないんで、友情出演でもいいので、3人くらい。新聞記者もあと3人。 議員会館から情報ひとつ聞き出せない一介の新聞記者が、なんで外務省の極秘情報にアクセスできたかが甘い部分だと思うんで、一分程度の「かつてある新聞記者が一人南米の外務省公館で事故死」したエピソード盛り込んで説得力だしておけばよかったかも。 それに情報屋(ヘッドフォンつけてて、水谷を「アニキ~♪」と呼ぶようなオマージュ的なキャラ)とか、爆弾処理の専門(爆弾処理にも特命課があって、定年間近のおばさんキャラ)とか、も登場してほしかったす。 寺脇の奥さん(鈴木砂羽。デビュー作で潔く脱いだヒトですね。演技は今ひとつでしたけどよく覚えてます。)が、新聞記者なのに、全くその方面で活躍してませんし。 中谷五郎あたりは、マラソンの関係者にして「マラソン中断すれば、20億がふいになるんですよ!」とか、言わせたかったすね。 ネットの処刑サイトを発見したのも、一人の刑事の偶然、というのも都合がよすぎるし、ボートが不発に終わったあと、急に妹から倉庫の件を電話で伝えるのもご都合。 処刑サイトの発見は、少年係が裏サイト監視中にヒットしたとか、倉庫の場所の件は、経営不振で閉鎖された私立大学の元研究所とかにして、5年前に息子が殺されたあと、一時期親子でそこに避難して暮らしていて、塩谷が食べ物を運んでくれていた場所だったとかにすれば、流れ上おかしくなかったんではないかと。 ニュース映像で、アルファベットの記号をみせみせで放映させちゃうわざとらしさや、折り曲げた砂糖の紙袋をアップで抜くのも、興醒めでした。 しかしながら、この映画の本質は、朝日放送グループが相棒という映画メディアを借りて、恥ずかしそうに「報道の自浄」を唱っているということです。 加えて、駆け引きばかりが横行し、国際的な踏ん切りがやや遅気味に描かれている政治にも、軽くけんかをふっかけてますので、その部分は興味深く見ることができました。 で、感想の総括。 ロケとスタジオの画像の違和感は全くなく、俳優さんの演技もぴかいちで後半戦安心して映画に没頭できました。でも、知ってる俳優があんまり出ないTVシリーズの方が、魅力的でコンパクトで人情味あって完成度高い感じですよ。 渡瀬恒彦主演の9課(最近お気に入りです。)シリーズ参考に、人間関係をもっとどろどろに描いて、FOXのナンバーズやボーンズ参考に、主役級も傷だらけにして、TVシリーズをさらに肉厚にしていってくださったほうが吉。 24も映画化されてないことだし(って無理だ)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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