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2010.02.21
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卒業して早幾星霜。
後輩の卒業制作展を見に行きました。

マックを使ったアニメーションや、プリンターで出力したCGによる巨大な連作など今風の表現でありながら、力の入った作品ばかりでした。プロダクトデザインの生徒さんの中には、プロダクトじゃないけど、イラストをきわめたいと決心しスゴイ作品を仕上げたヒトもいました。

数名、地元の刺繍の制作に取り組むヒトや、伝統工芸の照明に取り組むヒトもいて、現在のアート系大学の指導体制の悩みと中核が見えたような気がしました。

国立大学時代からおられる指導者は、やはり指導者ご自身がアーティストなものですから「アーティスト製造」を主眼としているのはしょうがないのですが、どこをどうがんばっても全国区になれば中央の芸大卒に適うはずもないのはアキラかであります。ま、アーティストでは到底食っていけないわけです。
偶発的に地元のカルチャーの講師になり活躍することがあっても、それはおそらく食うや食わずの生活が前提でしょう。

大学でアートを学んだことをとおして、生きていくうえでの精神的な太い支柱を得た自負は、私自身にも少なからずありますが、同時に地方大学で得たスキルだけだけでは、この世界では食べていけない覚悟と自立を促された4年間だったと振り返ることができます。

会場で大学時代の先生に会い少しばかり懐かしい話もさせてもらいました。考え方が全然変わらないことに、安心と失望を同時に感じました。

「時代がどのような人材を欲しているのか」を迎え撃ち、人材育成を進める最高学府となるか、学生の将来の生き様はともかく「次代を創造する人材」を徹底的に育成する最高学府となるか、あるいはその両方をバランスよく渡り文科省の覚え目出度い最高学府となるか、はたまたそのいずれにもひっかからず「就職できない大学院生」を生み出すだけの最高学府となるのか、法人化はその辺にも尖ったものを突きつけているようです。

最近、働き始めた若手の助教授陣には、その辺のアンテナが高いようです。

アート系の学部は、生涯教育人材育成へ徐々にシフトしていっています。

アートを体系的に学んだヒトがこの世の中でどのように役に立つのか、その辺がこのクニではまだまだ曖昧で、今後も霧の中のような気がします。
地方と中央の隔たりも最たるもので、全国的に職人のような技能には高い敬意を払うものの、思いつきやクリエイティブな造形を行う行為には、地方ではとりわけ大きな格差があるように感じます。

それは、多分、6,70年代のポップカルチャーなどの流れの軽さの記憶とともに、美術関係者同士でないと通じない自己完結しつつある「世の中はどうあろうとアートはアートだ」みたいな、「芸術」は「ゲージュツ」であり、世間と対立する業界の権威主義的体質が遠因となっているからだと感じます。

さて、彼らは、どのような人生を歩むのでしょう。展覧会のカタログには「私は絵を描くのが苦手です。どうしていいかわからないまま4年間を過ごしてしまいました」と公言する卒業生もいました。ある意味貴重な存在です。

高校の出口指導のせいにしても最早手遅れです。自分の人生ですから、自分で何とかせねばならないでしょう。ただ、アート系を生業とし、このクニで生きていくのであれば、本人の思うところにかかわらず、順風満帆からはほど遠い、楽しくて濃い人生を歩むこと請け合いです。

展覧会の帰り道、雪がちらほら降り始め、自分の卒業制作展の時に教授連に自作品を酷評されたことを思い出し、「やりたいこと」で「食っていく」ことができる土壌やそのための教育がこのクニには根本的に不足しているのかもなあ、と少しの間ですが、遠い目をさせてもらいましたよ。





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最終更新日  2010.02.21 22:25:36
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