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「名曲100選」 グラズノフ作曲 ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品82 アレクサンドル・グラズノフ(1835-1936)は、近年その交響曲全8曲(9曲書いているが第9番は未完)が録音・リリースされて来て話題にのぼるロシア帝政時代からソ連への時代の作曲家ですが、まだポピュラーな人とは言えません。しかし1904年に書かれたこのヴァイオリン協奏曲は実にいい。 極めて親しみやすい曲です。 この音楽はもっと演奏され愛好されていい筈なのに、録音も非常に少ない。 ハイフェッツやミルシティンなどの録音が目立つのみです。 20世紀に入って書かれた曲ですが、濃厚に19世紀の面影を残しており、チャイコフスキーの協奏曲を小型にして、もっと洗練させた感じの、チャイコフスキーよりもスマートになった趣があります。 ヴァイオリンの特質をよく知っており、その美質を充分に活かした民族的な旋律を駆使して親しみやすい音楽にしており、ロシアの民族音楽が全編に覆われており、それが華やかにそして哀愁を込めて語られる様がとても美しい曲で20分ほどの演奏時間。 CDでは何故かトラックは1つで全楽章(と言っても2楽章しかありません)までを切れ目なく収録しています。 そういう曲なんでしょうね。 第1楽章 モデラート 三部形式でアンダンテが中間部にあり、極めて旋律的な音楽でロシア民謡風のメロディがたまらなく郷愁を誘います。 第2楽章 アレグロ 金管楽器で爽やかな夜明けを告げるような旋律で始まります。 それをソロヴァイオリンが復唱するかのように反復します。 ここがとてもきれい。 中間部のテーマがリズミカルになるのが印象的。 コーダとして書かれた音楽が実に魅力的。 独奏ヴァイオリンがロシアの楽器バラライカを模して演奏される旋律がとても魅力的です。 愛聴盤 アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン) ムスティラフ・ロストロポーヴィチ指揮 ワシントン・ナショナル交響楽団 (エラート原盤 BMGジャパン R32E-1089 1988年録音 廃盤) ムターのエラートへの録音という珍しい盤。 ヴァイオリンを分厚く唸らせてロマン一杯の情緒を振りまいています。 たっぷりとレガートを効かせており、ポルタメントの味わいは筆舌に尽くし難いほど。 むせるように、切ないくらいに歌っており、その豊かな響きに圧倒されます。 このディスクが廃盤とは。 いずれグラモフォンで再録音して欲しい作品です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月02日 00時56分18秒
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