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「名曲100選」 ファリャ作曲 バレエ音楽「三角帽子」 マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946)は近代スペイン音楽の門戸を開いた功労者だと言われています。 先輩作曲家のグラナドスやアルベニスは、スペインの民族音楽をほぼそのままの姿で使っていたのですが、ファリャは、ハンガリーのバルトークの様に自国の民謡・民族音楽・土俗的な舞踊音楽などをフレームにして、それら土着音楽の精髄を活かして音楽を書いた人でした。 ファリャとグラナドスやアルベニスの音楽を聴き比べると、ここに私が書いた違いが自ずとお判りになると思います。 その点が「近代音楽への功労者」と呼ばれる所以だと思います。 ロシア・バレエ団の主宰者ディアギレフが、ファリャの出世作バレエ音楽「恋は魔術師」の成功のあとにバレエ音楽を委嘱してきました。 「スペイン丸出しの音楽」という条件付です。 この「三角帽子」は見事に当たり。 ファリャの名前が世界的作曲家として通用するようになりました。 ディアギレフの要請「スペイン丸出し」の姿が、音楽冒頭から始まります。 ティンパニーが強く叩かれ、鮮やかなカスタネットの響きに乗って「オーレ! オーレ!」という掛け声がこだまして、メゾ・ソプラノの悩ましげな歌声が響いてきます。 この曲の開始から聴衆はスペインの大地に放り投げられます。 ディアギレフの意図に見事に応えた開始音楽です。 このように全編にスペイン音楽が溢れており、ムンムンするような熱気さえも伝わってくるような、強烈な音楽となっています。 第1部、第2部と分かれていますが切れ目なく演奏されます。 スペイン・アンダルシア地方を背景にした物語で、ぶ男だが働き者の粉屋には大変美しい女房がいて、夫婦は仲良く暮らしています。 そこへ好色な代官がその女房に目をつけて我が物にしようと企みます。 気丈な女房と粉屋が村人の助けでこの好色代官をやっつけてしまう、というストーリーです。 約40分足らずのバレエ音楽です。 愛聴盤 シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団 コレット・ポーキー(S) コゲット・トゥランジョー(メゾ・ソプラノ) (DECCA原盤 ユニヴァーサル・ミュージック UCCD50071 1981年録音) ラテン的な色彩が全編に散らばっている、この「色彩美」がたまらく美しい演奏です。 30年ほど前の録音ですが、今でも優秀録音でとおる素晴らしいディスクです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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