練習曲集
「名曲100選」 フレデリック・ショパン作曲 「練習曲」集ポーランドの「ピアノの詩人」フレデリック・ショパン(1810-1849)が書いた「エチュード集(練習曲集)。 ピアノを習う人、練習する人ならチェルニーやハノンといった指使いのための「練習曲」で音階練習をしていますが、今日採り上げますショパンの「練習曲」(エチュード)はそうした教則本の類ではなくて、曲自体に風情や情緒、感情が盛り込まれている曲で、情感豊かな「練習曲」です。 練習曲で実用的な題材ながらも深い芸術性を湛えていて、ショパンの偉大さを表している曲集です。「練習曲集」は作品10と25に、それぞれ12曲ずつ作曲されており、他に作品番号の付されていない3曲があるので、計27曲からなる曲集です。39歳という若死にですから、これらの曲は19歳から26歳に間に作曲されており、この二つの曲集には副題が付けられているのが多くあります。作品10の第3番「別れの曲」、 第5番「黒鍵」、 第12番「革命」などや、作品25の第1番「エオリアン・ハープ」、 第9番「蝶々」、第11番「木枯らし」などがあります。 特にポーランドを離れてパリに行き(1830年20歳)、祖国がロシアに占領されてしまい、二度と祖国の土を踏むことのなかったショパンのふつふつとした情念が噴き上げてくるような「革命」(1832年作曲22歳)には、嘆き、悲しみ、怒りのような情感が伝わってくるようです。また「別れの曲」は有名なピアノ協奏曲(2曲)とほぼ同時期に書かれていますので、当時彼が想いを馳せていた女性コンスタンチア・グラドコフスカへの惜情の想いでしょうか。深い精神性と豊かな情感の溢れるこれらのエチュードを今日は聴いてみたいと思います。愛聴盤ジョルジュ・シフラ(ピアノ)(Philips原盤 456 760-2 1962年録音 海外盤)10年ほど前にレーベルを超えて「20世紀の偉大なピアニストたち」という100組(200枚)のCDがリリースされました。国内プレス盤は当時270,000円という高値だったのですが、HMVから電話で輸入盤なら35,000円で販売します、と連絡をもらい早速購入しました。勿論重複するピアニストの録音もありましたが、それには目をつぶって買いました。その中の中の1枚がこのシフラ演奏の「練習曲集」全曲です。 おそらくこのブログでシフラの演奏を紹介するのは初めてだろうと思います。 超絶技巧を誇るピアニストで、私が高校生の頃はリスト弾きとして有名なピアニストでした。アシュケナージの演奏と共に聴いています。