1395151 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

イタリアで食べたい

イタリアで食べたい

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Profile

プレッツェーモロ

プレッツェーモロ

Favorite Blog

山下清のモザイク New! ciamiさん

葡萄園 11290715さん
Dolce Compagnia fiorichiariさん
イタリアの幼稚園生… ぴっぴぃさん
Il Suono Dell'Onda~… accoponcoさん
南トルコ・アンタル… turkuvazさん

Archives

Nov , 2024
Oct , 2024
Sep , 2024
Aug , 2024
Jul , 2024

Category

Nov 17, 2007
XML
カテゴリ:食材

イタリアのクリスマスには欠かせない食材の話、その2。
今回選んだ食材は、去勢鶏。

去勢した鶏なんて、日本では多分、フランス料理の世界以外ではまったくなじみがないのでは。

最近日本では、地鶏だブロイラーだで、ちょっとお騒がせな話題が多いニワトリ。
前回のウナギもそうだけど、ニワトリのことも、知っているようで意外と知らないもんです。

ブロイラーっていうのは、第二次大戦中にアメリカで、牛肉不足を補う食材として開発されたんだって。
短期間で大きくするっていうのが目的。
卵からかえってからたった2ヶ月の若鶏の時に、もう出荷できるくらい大きくなってるんだって。知らなかったー。
若鶏っていうとちょっとおいしそうなイメージがあるけど、なんのことはない、ブロイラーのことだったのね~。



若鶏、いつも食べてます。


今回、去勢鶏について調べていたら、ビックリする事実を知ってしまったー。
卵用のニワトリは、あたり前だけどメス。
で、オスはどうなると思う?
お肉?
なんと、肉にしてもおいしくないから、孵化して3日でオスメス選別して、オスは処分されちゃうんだってー!
卵用のニワトリに生まれなくてよかったねー、オスのみなさん。

そもそもニワトリは、野生の鳥をインドあたりで家畜化したのが始まりらしいんだけど、目的は肉じゃなくて卵だったんだって。
ニワトリの世界では、オスは闘鶏用ぐらいにしかならなかったんだそうな。

でも、去勢鶏はオス。
というか、もともとはオス。
ニワトリを去勢するなんて発想がどうして生まれたのか、ほんとかどうか知らないけど、ちょっと面白い話がイタリアにはあるんです。


ローマの話。
時は紀元前161年。
執政官のガイウス・ファンニウス・ストラボつー人が、こんなおふれを出したんです。
「街が汚れるから、路上でニワトリを飼うことを禁止する!」


ここでちょっと、イタリア語講座。
「ニワトリ」は、イタリア語では「ポッロ pollo」。
これはオス、メス、両方のこと。
でも、「ガッロ gallo」、「ガッレット galletto」、「ガッリーナ gallina」という言葉もあるんです。
この場合は、前2つはオスで、3つめの“ガッリーナ”はメス。
イタリア語は男性名詞と女性名詞がある言葉だから、「ニワトリ」、と言う場合も、オスメスはっきりさせなきゃならない。

で、ニワトリ禁止例ですが、当時もニワトリと言えばメスだったので、このおふれは、「ガッリーナ」を飼っちゃいけない、というものだったんですねえ。
そこでローマの庶民は考えた。
メンドリがだめなら、オンドリを飼えばいい!(卵産まないのに?という指摘はごもっともですが、置いといて・・・)

でも、一つ問題がありました。
オス同士を何羽も一緒に飼うと、ケンカするんです。

そこで誰かが思いついたのが、去勢!

ニワトリの去勢は、紀元前7世紀にはギリシャで行われていた記録が残ってるんだって。
イタリア語で“去勢鶏”は「カッポーネ cappone」。
その語源は、これもほんとかどうか知らないけど、ギリシャ語で「切る」っていう意味の“koptein コプテイン?”ていう言葉だそうで。
痛そうな話だなあ。

でも、アリストテレスによると、当時のニワトリの去勢は、ちょん切るんじゃなくって、焼きごてを当てて精巣を焼いて、とさかとか蹴爪を切り取るっていう方法だったらしい。
オスは生き残っても辛いねえ。


これはピエモンテ州の公式サイトの去勢鶏の写真。
ほおー、確かにメンドリみたいだねー。

去勢されたオンドリは、肉が白く柔らかくなって、しかも大きく育つんだって。
イタリアではクリスマスのごちそうとして一般的だし、フランスでもシャポンとか言うんだっけ。

こちらは日本で去勢鶏を飼育している農場のサイト。
そしてこちらはそれを応援する方のある日のブログ。
イタリアではそれほど珍しい食材ではないと思っていたので、こんなに大変なものだとは知らなかったなあ。

でも、イタリアでは去勢鶏の生産量は減ってるみたいです。
きっと、手間やコストがかなりかかるんでしょうねえ。

去勢鶏が消費される時期は12月に集中するので、飼育もそれに合わせて行うよう。

ピエモンテのモロッツォという町の去勢鶏は、スローフード協会が支援するイタリアの希少な伝統食材の一つに指定されてます(HPはこちら)。
ここでは、ヒナを3月に選別して、8月に局所麻酔をして去勢して、少なくとも生後220日まで放し飼いで自然に2キロぐらいに太らせて、クリスマスに合わせて出荷、というサイクル。

お勧めのおいしい食べ方は、丸ごとを香味野菜と一緒に1時間半ゆでたボッリートだって。
熱々に、バニェ・ヴェルデというピエモンテのボッリートには欠かせない緑のソースをかけていただきます。
どーんと1羽盛り付けると、去勢した時に縫って閉じた跡が見えることがあるんだって。
それが伝統的な方法で育てた証明なんだそうな。
ゆで汁にはおいしい出汁がでてるので、これでトルテッリーニをゆでて、スープパスタに。

こちらの水彩画はイタリアのクリスマスの食卓。
中央は去勢鶏かなあ。


イタリアで去勢鶏を食べてみたいと言い続けて幾歳月。
いまだに食べたことないよお。
ひょっとしたら、国産の去勢鶏料理のほうが先に体験できるかも。
12月にイタリアに行くラッキーなみなさん、カッポーネ食べたら、どんな味だったか教えてちょ~。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Nov 17, 2007 03:19:56 PM
コメント(6) | コメントを書く
[食材] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X