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静まり返る暗闇に包まれた岩場に青い炎が一つ、点となって燃え上がった。点は次第に大きな炎へと形を変え、青い炎に照らされたのは大鎌を手にする一人の男の姿だった。青い炎を手に巻きつけた男は大鎌を力強く握り締め振り回した。その大鎌の刃先から飛ばされた青い炎は一瞬にして辺りを火の海へと変えた。その炎の中に飛び込み、大鎌の男の後を追う男がいた。男の名はアーカー。 激しく燃え盛る炎の中、互いを睨(にら)み合いながら二人は各々の武器を抜いた。アーカーは腰から抜いた剣を男に向け、男は片手に持っていた鎌をアーカーへと向けた。剣先から流れ出るオーラがぶつかり合い、鎌を持つ男に対して燃え上がる怒りをぶつけるように勢いよく男目掛けて走り始めた。アーカーは一振り一振りに力を込め男に斬りかかっていたが、鎌の男はアーカーの攻撃を受け流すように鎌の刃先で滑らせていた。二人の力の差は歴然だった。アーカーの攻撃を受け流した男は鎌を振り回し、男の圧倒的な技でアーカーは押され始めてしまうのだった。 「お前の怒りはそんなものか!?」 既に我を忘れ怒り狂うアーカーに男の言葉は更なる怒りをあおった。アーカーは剣を両手で強く握り締め真正面から男に向かっていった。 「愚かな。」 その次の瞬間、男はアーカーの剣を弾いた。アーカーの弾かれた剣は天を舞い、大地へと突き刺さる。そして、男は手を休めることなくアーカーに鎌を振り下ろした。鎌の激しい斬撃によってアーカーの意識は飛びその場に倒れこんでしまった。男は大きな笑い声をあげながら無残に倒れたアーカーに近づき、のど仏を目掛け再び大鎌を振り落としたが、しかし、ためらいをみせるようにのどの寸前で男は鎌をとめ、少し考える顔を表情を浮かべると 「お前に死より惨めな生を与えよう。」 男はアーカーの額に手をかざし何かを唱え始めた。すると、男の手が光始め、それに共鳴するかのようにアーカーの額から光があふれ始めた。男の手はアーカーの額から溢れ出る光を吸い始めた。光が消えると男は立ち上がりアーカーを見下ろすと 「生きる地獄をさまようがいい。」 高い笑い声を残し男はその場から炎を抜けて闇の中へと姿を消すのだった。朦朧(もうろう)とする意識の中、男の背中を見つめると、アーカーは再び意識を失った。その次の瞬間、アーカーの額に刻まれた文様が赤い光を放ち始め、静かに燃え盛る炎が全てを包み込むようにアーカーを飲み込んでいくのだった。 そして、ここからカラーの物語が始まる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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