アクシデント
9月14日、この事故が起きてから何日発ったのかさえおぼろげな日々でした。 あの日、何時間もの間、家屋も、すれ違う車も、人影さえ見えない山道を、助手席にフランス系シェフ、後席左に姉、シェフの後ろに私を乗せて、ドライバーは唯ただ走り続けていました, 車はいきなりジグザグを繰り返し、(その時シェフがドライバーの名を叫んだのを聞いたと思います)そして車は宙を飛びました。そしてドーンという音と共にドシーンと体内に衝撃を感じた時、車は止まったのでした。一人だけ傷を負わず意識もはっきりしていたシェフがクラクションを鳴らし続け、どれ程経ったのか定かではありませんが、通りがかった車が呼んでくれた人達に引きずり出してもらった時の怪我の痛みとショックの震えから、未だにしっかりと立ち直れずに居る気がします。跳んだ車は後ろ前になり、崖の途中に立っていた電柱に奇しくも支えられて横倒しになって止まりました。もし電柱が無ければどれ程深い崖下まで落ちたか知れず、救急病院の医者にもこの程度で済んで幸いだったと云われた怪我は姉が左頭、半身酷い打撲で肋骨折、私は背骨と肋骨の接続個所の損傷でした。 医者の娘で育った私はどうしても外国の医者の診断、治療法になじめず早く日本に帰ってと今は気が早やっています。 回復には相当な期限を要するとの事、覚悟は出来ました。理不尽と思われる事柄に遭遇した時、運命と諦めるのでは無く、又人を恨まずに、自分の人生の一節としてしっかり受け止めて生きようとこの年になっても学ぶことが出来ました、事故発生地は皆様ご存知のプリンスエドワードアイランドの南東ノバスコシアの端でした。救急隊、始め村人の方々には心から感謝しております