ところで、どうしてしみがレーザーで取れるのか、
ご存知ですか?
しみのレーザー治療は、原理的には、
2つの方法があります。
a.しみの原因メラニンを選択的に破壊する
光は「波長」によって性質が異なります。
よく聞く”紫外線”だとか”赤外線”は、
波長の長さによってつけた「光の分類」です。
「レーザー」というのは、単一の波長の光を出す機械を総称する言葉です。
つまり、レーザーといっても、
出てくる波長によっては作用が違うわけです。
しみや脱毛などの治療に使用するレーザーは、
基本的にメラニン色素に吸収される波長
(機種によって多少違いますが700~1000nmという範囲の値)
の光が発射されます。
メラニン色素に吸収された光は、吸収された瞬間に、
光のエネルギー⇒熱のエネルギーに変換されます。
そして生じた熱のエネルギーによって、
メラニン色素が選択的に破壊されます。
b.しみ部分の皮膚を、薄く取り除く
しみ、とくに老人性色素班のような
部分的で境界明瞭なタイプのしみは、
濃いものでしたら上記a.の方法で取ることができます。
しかし薄いものの場合は、
レーザー光を十分吸収するためのメラニン色素自体の量が少ないため、
上記a.の方法ではきれいに取れないことがあります。
実は、『薄いしみほど、レーザーでは取れにくい』のです。
このような場合、簡単なのは
「しみ部分の皮膚を薄く取り除いてしまう」方法です。
こちらは皮膚をごく表面だけチリチリ・・・と
飛ばすことのできるレーザーで行います。
アブレーション(削るという意味)と呼ばれる方法です。
一言でしみのレーザー治療といっても、
原理的にはいくつかあるわけなんですね。