A1. 現在、体脂肪が測定できる体重計が多く普及していますが、
体脂肪を推定する原理を簡単に説明します。
身体を脂肪組織と脂肪以外の組織に2分し、
胴体をはさんだ2箇所(両足、両手など)に電極を付け、
そこに微弱な交流電流を流すことによって、
電気抵抗(インピーダンス)を出します。
この値により全身の脂肪以外の組織の重量を計算式から推定します。
体重からこの値を引くと脂肪量が計算され、
そして体脂肪率が計算されるという仕組みです。
この原理を知っていると、
体脂肪が測定条件により異なることが理解できます。
すなわち、電流は水分の多い脂肪以外の組織を通り、
水分の多寡により電気抵抗が変動します。
例えば、水分が多い(多量の水を飲んだ時、全身のむくみ、夕方など)と
電気抵抗が低下し、相対的に体脂肪率が低下します。
逆に、水分が少ない(脱水時、起床直後、下痢など)と抵抗が上昇し、
体脂肪率は上昇します。
体が脱水気味になっている早朝起床時は
電気抵抗が高くなり体脂肪率が高く測定されます。
このような家庭用の体脂肪計の特性を理解した上で
上手に使いましょう。
なお、より正確に推定するには、水中体重秤量法、ガス希釈法、
DXA法などの方法がありますが、何れも特別な機械を要し、
測定方法もめんどうなので、あまり一般には普及しておりません。